ドラマ「陸王」に学ぶものづくりのヒント(8) ~ビジネスパートナーとは~

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。

はじめに

潰れかかった老舗の足袋業者「こはぜ屋」が新規事業としてマラソン足袋の開発に取り組み、悪戦苦闘しながら再生していく様子を描くドラマ「陸王」(*1)。

第8回の放送では、破損したシルクレイ製造機を新調する資金を調達することができず、坂本(風間俊介)から、こはぜ屋の買収を企図するアメリカ大手アパレルメーカー・フェリックスの御園(松岡修造)と話をするよう促され、戸惑う宮澤(役所広司)の様子が描かれました。

「陸王」に限らず、技術力・資金力が十分ではない中小企業がビジネスを展開していくためにはビジネス上のパートナーが必要不可欠です。

今日は、「ビジネスパートナー」をテーマにお話しします!(ネタバレあり)

ドラマ「陸王」第8回のあらすじ

宮澤(役所広司)は故障してしまったシルクレイ製造機を新調する資金の調達に窮していた。

その様子を見た坂本(風間俊介)は宮澤にこはぜ屋を売却することを提案する。売却先は御園(松岡修造)が率いるアメリカの大手アパレルメーカー・フェリックス。宮澤は100年続いた暖簾を手放すことへの抵抗感から、坂本に対して怒りを露わにし、こはぜ屋の売却を拒絶する。

しかし、資金調達についての目処は全く立たず、ついに宮澤は坂本を伴って、フェリックス・御園の元を訪れる。その席で宮澤は御園から、買収の条件として、こはぜ屋の看板、宮澤の社長としての地位を維持したまま3億円を出資する、という好条件を提案される。

宮澤はこれが「陸王」を作り続けるための最後のチャンスと考え、御園に対し提案を前向きに検討することを約束するのだった(*2)。

どんな人がビジネスパートナーとして相応しいのか

第8回の放送では、今後、こはぜ屋のビジネスパートナーとなるかもしれないフェリックスの御園が登場しました。

第8回の放送内容を参考に、どんな人がビジネスパートナーとして相応しいのかについて考えてみましょう!

(1)損得勘定抜きで付き合ってくれる人(坂本タイプ)

第8回の放送では、坂本が宮澤にこはぜ屋の売却を提案したことで、二人の間に亀裂が入ってしまいました。

しかし、坂本がこはぜ屋の売却を提案したのは、こはぜ屋のことを真剣に考え、資金調達のプロとしてそれがこはぜ屋にとって最善と考えたからに他なりません。こういう提案をすれば、宮澤との関係が悪化するのは容易に予想できたはずです。それでも相手のことを思い、最良の結果を得られるように腐心する。これが坂本の真骨頂なのです。

思えば、経営が傾いたこはぜ屋に新規事業の推進を提案したのも坂本でした。坂本の助言がなければ「陸王」が商品化されることもなかったと言えるでしょう。

 

たとえ経営者であっても会社のことは意外に分かっていないものです。また、自分の会社のことについては、ついつい感情的になり、冷静さを失うこともあるかもしれません。坂本のように、外部から会社のことを冷静に客観視し、的確なアドバイスを送ってくれる人は貴重な存在です。

坂本からすれば、経営の傾いたこはぜ屋に肩入れしたところで殆どメリットはありません。実際、こはぜ屋への融資の件で上司と衝突し、左遷され、遂には銀行を辞めることになってしまいました。それでも、自分が手がけたこはぜ屋に最後まで寄り添い、助力を惜しまない。相手が零細企業であろうが、経営が傾いていようが、損得勘定抜きで付き合ってくれる。そんな坂本タイプは中小企業の経営者にとって心強いビジネスパートナーとなってくれるはずです。

(2)義理堅い人(飯山タイプ)

「陸王」の商品化に道筋をつけた特殊素材「シルクレイ」。その特許権者が飯山(寺尾聰)です。

ドラマ開始当初、飯山は「シルクレイ」の特許で一発当ててやろうという山師的で胡散臭い雰囲気をプンプン漂わせていました。しかし、宮澤と出会い、ものづくりに対する思いを取り戻した後は、こはぜ屋と「陸王」のために力を尽くすようになったのです。

 

その飯山に対し、フェリックスは再三再四、「シルクレイ」の特許を使用させるよう申し出ていました。御園は自社の製品に是が非でも「シルクレイ」を導入したいわけですから、飯山に対し相当の好条件を提示したはずです。

シルクレイ製造機が炎上して使用不能となり、その復旧のための資金も調達することができない。そんなこはぜ屋に飯山が留まる理由はありません。自分の生活のため、家族を養うため、フェリックスからの申し出を受け入れたとしても文句を言われる筋合いもないでしょう。

しかし、飯山はフェリックスの申し出を頑として受け入れず、最後まで首を縦に振ることはありませんでした。誰も見向きもしなかった「シルクレイ」を初めて必要としてくれ、自分にものづくりの心を思い出させてくれた宮澤に対する恩義を感じていたからです。

飯山のような義理堅い人間は、状況が変わったからといって簡単に人を裏切りません。最後まで仁義を尽くしてくれます。飯山タイプとは末永く良好なパートナーシップを築いていけるでしょう。

(3)利害が一致する人(御園タイプ)

ビジネス上の利害が一致する人はビジネスパートナーとなり得ます。互いに欠けている部分を補い合うことができるのであれば、手を携えて歩んでいける可能性があるからです。

第8回で、ついにその姿を現したフェリックス・御園もその一人です。

資金力があり、自社の製品にシルクレイを導入したい御園と、資金力はないけれども、シルクレイの特許を保有する飯山を技術顧問として抱えている宮澤。
まさに互いの欠けている部分を補い合うことができる関係と言えるでしょう。

 

しかし、御園タイプは、坂本タイプや飯山タイプとは異なり、注意が必要です。

坂本タイプや飯山タイプは、ビジネスだけではなく人としての結びつきを大事にします。そのため、ビジネスの上での関係が一旦崩れたとしても、人間関係をテコにビジネス上のパートナーシップを修復することも可能です。

これに対し、御園タイプは、専らビジネス上の利害関係で結びつくことも多いのです。物事をドライに割り切り、金の切れ目が縁の切れ目ということも多そうです。両者の利害が完全に一致していないとパートナー関係が破綻することになりかねません。

「陸王」のアッパー素材を供給していたタチバナラッセルも、当初、こはぜ屋と良好な協力関係を築いていたにも拘らず、こはぜ屋を裏切り、ライバル企業のアトランティスに素材供給することを決めてしまいました。

ビジネス上の利害関係は刻々と変わっていくものです。現在の関係性が未来永劫続くことはありません。御園タイプに対してはあまり入れ込まず距離を取って接するか、逆に人間同士の関係性を深めていって、単なるビジネスパートナー以上の関係性を構築してしまうか、いずれかの対応をすることが良さそうです。

まとめ

以上説明したように、ビジネスパートナーとしては、

● 損得勘定抜きで付き合ってくれる人(坂本タイプ)
● 義理堅い人(飯山タイプ)

が相応しく、

● 利害が一致する人(御園タイプ)

については注意深く付き合った方がよい、ということが言えそうです。

どんな人でも人間観察が大事ですね。自分の周りの人達がどのタイプに当てはまりそうか、じっくり観察し、見極めてみてください!

参考サイト

(*1)日曜劇場『陸王』|TBSテレビ

(*2)あらすじ|TBSテレビ:日曜劇場『陸王』

オススメの記事

ものづくりに関する記事はこちら!

 

ブログランキングに参加しています!
この記事が気に入ったら、下のバナーをクリックしてください! 

にほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ  

 

ものづくり、特許出願に関するご相談はこちらまで! 

□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お問い合わせフォーム: http://yamadatatsuya.com/contact/
お問い合わせは、随時、受け付けています。
面談は、初回2時間まで無料です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□

銀座・東銀座「クロスリンク特許事務所」弁理士のヤマダです。
機械(構造)分野、化学(材料)分野を中心に、中小企業のモノづくりをサポートしています。
商品の企画・開発、商品の差別化戦略、特許取得その他の知財戦略、何でもご相談ください!

いいね!やフォローでブログの更新情報が届きます!

ドラマ「陸王」に学ぶものづくりのヒント(8) ~ビジネスパートナーとは~” に対して 2 件のコメントがあります

この投稿はコメントできません。