事例・冷凍パスタ「彩々野菜」から学ぶネーミングのコツ|音の繰り返し

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

事例・冷凍パスタ「彩々野菜」から学ぶネーミングのコツ|音の繰り返し

「彩々野菜」シリーズの売りは野菜がたっぷり入っていることです。

販売元の日本製粉さんのHP(*1)にも、以下のような記載があります。

野菜がたっぷり入った彩々野菜シリーズを2品開発しました!

野菜がたっぷり取れるように、全体の重量のなんと約20%の野菜を使用しました。

オーマイデリシリーズとオーマイ食べるスープシリーズと一緒に食べると、1日の摂取目安量の約1/3の野菜が採れます。

 

何種類か食べ比べてみましたが、「彩々野菜 海老と5種野菜 ペペロンチーノ」(*2)がおススメです。
野菜の存在感が半端ないんです!

 

レンジでチンするとこんな感じ。

 

結構、野菜が入っていると思いませんか?

スナップえんどうやブロッコリー、ズッキーニや揚げなす等、大ぶりの野菜がゴロゴロ入っています。
赤と黄色のピーマンも入って、彩りも鮮やかです。冷凍食品なのに野菜の食感もかなり残っているんですよね。

オイル系のパスタなので、比較的さっぱりしています。
鷹の爪の辛味もかなり効いています。
クリーム系のパスタはちょっと重いなぁという時に最適です。

紙トレー入りなので、温めてそのまま食べられます。
お皿を洗わなくていいのが嬉しいですね。

ネーミングテク「音の繰り返し」

さて、この「彩々野菜」。

日本製粉の登録商標です(商標登録5630019(*3))。

 

この商品名で見習いたいのが、音の繰り返しです。

音を抜き出してみると、こんな感じです。

● 「サイサイ ヤサイ」と、語尾で韻を踏んでいる
● 「サイサイ ヤサイ」と、「サイ」を3回繰り返している

「彩々」と「野菜」を組み合わせることによって、語呂がよく、覚えやすいキャッチーな商品名になっているということが分かります。

 

また、文字のチョイスにも注目してください。

「彩々」という文字からは、

● 彩り鮮やか

というイメージが喚起されますよね。

「野菜」という生鮮品に「彩々」の語を組み合わせることで、「彩り豊かな野菜が沢山入っている」、「ヘルシー」というイメージを喚起させ、冷凍食品のネガティブなイメージ(非健康的)を覆すことに成功しているのです。

商品の内容を直接説明するのではなく、イメージさせることが大事

中小企業さんから商標登録を依頼される商品名には、その商品の内容を直接的に説明しているような商品名が多いです。

「たっぷり野菜××」とか「ヘルシー××」のような…。

このような説明的な商品名は内容がわかりやすい反面、ありきたり過ぎて覚えてもらうのが難しい場合があります。
また、その商品の内容を説明しているにすぎない(記述的商標である)として、商標登録を認められないケースも少なくないです。

ですから、ネーミングの際には、その商品の内容を直接的に説明するような名前だけではなく、その商品のセールスポイントを購買者にイメージしてもらえる名前も併せて考えてみてください。

まとめ

ネーミングのコツは、商品の中身を直接伝える(説明する)だけではなく、購買者に商品のイメージを思い浮かべてもらう(イメージを喚起させる)ような名前を考えることです。

「彩々野菜」のようなセンスのよい商品名を考えてみてくださいね。

関連サイト

(*1)野菜たっぷり「オーマイプレミアム 彩々野菜」シリーズ発売|日本製粉

(*2)彩々野菜 海老と5種野菜 ペペロンチーノ|日本製粉

(*3)商標公報5630019|商標番号照会|特許情報プラットフォーム

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