事例・マネーフォワードの貯金アプリ「しらたま」から学ぶネーミングのコツ|短縮+ダブルミーニング

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

事例・マネーフォワードの貯金アプリ「しらたま」から学ぶネーミングのコツ|短縮+ダブルミーニング

「しらたま」は今年の9月にリリースされた貯金アプリです(*1)。

● 予め設定した毎日の貯金額(300円などの少額でも可)をメイン口座から貯金専用口座に自動的に引き落としてくれる「つみたて貯金」

● 家計簿アプリ「マネーフォワード」と連携されているクレジットカードの明細から予め設定したルールに基いておつりを算出し、そのおつりをメイン口座から貯金専用口座に自動的に引き落としてくれる「おつり貯金」

等の機能があります(*2)。

貯金を意識することなく、知らない間に貯金が溜まっていくように作られたアプリなのです。

ネーミングテク「短縮+ダブルミーニング」

「しらたま」は「知らずに貯まる」に由来しています。「知らずに貯まる」を短縮して「しらたま」。いわゆる短縮型のネーミングです。

また、「しらたま」という語からは、和菓子の「白玉(だんご)」という意味内容も生じます。即ち、「しらたま」という名称は「知らずに貯まる」と和菓子の「白玉(だんご)」の2つの意味内容を持つダブルミーニングになっているのです。

「短縮+ダブルミーニング」のメリットは、単なる短縮型ネーミングより記憶に残りやすいこと

文章や単語を短縮したり省略したりする命名法(短縮型ネーミング)はよく見かけます。

例えば「バスタ(新宿)」は「バスターミナル」を短縮した名前です。
しかし、このような単なる短縮型ネーミングは長い単語を短くしただけです。
その短縮された後の単語(バスタ)は造語であり、意味のある単語ではありません。

 

これに対し、「短縮+ダブルミーニング」は、短縮された後の単語も意味を持っています。

特に「しらたま」の場合、短縮した後の単語が誰でも知っている和菓子の「白玉(だんご)」なので、すぐに覚えられて、しかも記憶に残りやすいわけです。
また、「しらたま」⇒「知らずに貯まる」という連想も働くので、自分たちのサービスの特徴をきちんと説明できています。

「しらたま」は「短縮+ダブルミーニング」の手法によって、記憶に残りやすく、しかも自分たちのサービスの特徴についても説明している、一挙両得の名称と言えます。

まとめ

短縮型ネーミングをするときは、短縮した後の単語をよく知られた単語にできないか考えてみましょう。

逆に、短い商品名やサービス名(しらたま)を先に考えて、そこから意味を持った説明(知らずに貯まる)を導けないか逆算してもよいと思います。
別に、こじつけや後付けだって構わないんですよ(笑)

参考サイト

(*1)マネーフォワード、”(しら)ずにお金が(たま)る”人生を楽しむ貯金アプリ『しらたま』を提供開始(マネーフォワード プレスリリース)

(*2)しらたま(マネーフォワード)

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