事例・2020東京五輪・パラリンピックのマスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」から学ぶネーミングのコツ|まずは身近なターゲットに刺さるワードを使う

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)所長、弁理士の山田龍也(@ta2_ymd)です。

はじめに

商品名やサービス名、お店の名前や会社の名前。実際の事例からネーミングのコツを探ってみようという不定期連載企画「事例から学ぶネーミングのコツ」。

今回の事例は、2020東京五輪・パラリンピックのマスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」です!

事例・2020東京五輪・パラリンピックのマスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」から学ぶネーミングのコツ|まずは身近なターゲットに刺さるワードを使う

7月22日に東京五輪大会の組織委員会から、五輪・パラリンピックの公式マスコットの名前が発表されました(*1)。

五輪マスコットの名前は「ミライトワ」、パラリンピックマスコットの名前は「ソメイティ」に決まりました。

 

大会組織委員会がお披露目の動画を公開しています(*2)。

 

「ミライトワ」は、「未来」と「永遠(とわ)」を結びつけて作られた造語です。
素晴らしい未来を永遠にという願いが込められたものです。

一方、「ソメイティ」は、日本を代表する桜の「ソメイヨシノ」と、英語の「so mighty(非常に力強い)」を掛け合わせて作られた造語です。
桜を愛でる日本の心とパラリンピックアスリートの素晴らしさを印象づけるためのものです。

(1)ターゲットを広げすぎると、誰にも刺さらない

オリンピックが近づくと、開催国のお国柄を反映させたマスコットが登場します(*3)。

が、しかし。
どれも今ひとつ印象に残っていない気がしませんか?

ヤマダの中で印象に残っているのは、子グマの「ミーシャ」(1980年・モスクワ大会)と、ハクトウワシの「イーグルサム」(1984年・ロサンゼルス大会)くらい。
ミーシャなんて、もう40年近くも前ですよ…(古)

 

オリンピックは大規模な国際イベントです。
ターゲットは世界各国の人々です。
開催国の国民だけに留まりません。
文化も嗜好も異なる世界の人々を相手にしないといけないわけです。

これだけターゲットがだだっ広くなると、その大多数から支持されるようなマスコットを作り、適切なネーミングをするのは相当難しいということです。

ターゲットを広げすぎると、誰にも刺さらなくなるということです。

(2)まずは身近なターゲットに刺さるワードを使う

ネーミングの話に戻りましょう。

では、「ミライトワ」と「ソメイティ」という名前は誰をターゲットとして名付けられたと思いますか?

これは、開催国である日本人です。

「ミライトワ」は「未来永久」の意、「ソメイティ」は「ソメイヨシノ」をモチーフにしています。
日本人でなければ、その意図はわかりませんよね。

「ソメイティ」は英語の「so mighty(非常に力強い)」を掛け合わせていると言っていますが、英語圏の人にもおそらくその意図は伝わらないでしょう(苦笑)

そういう意味で、「ミライトワ」と「ソメイティ」は、世界の人々ではなく、地元の日本人をターゲットにしているわけです。

 

オリンピックは国際イベントです。
でも、地元・開催国の人々がそのイベントに無関心であったら、イベントが盛り上がりません。
先日のサッカーW杯ロシア大会も、開催前は地元ロシアが盛り上がっていないということが懸念されていました。
しかし、実際に大会が始まってみると、ロシア代表の躍進もあってロシアの人達も盛り上がり、素晴らしい大会になりました。

ターゲットがだだっ広くて、誰に合わせて名前を決めればよいかわからない場合。
その場合は、まずは地元・身内に刺さるワードを使うということです。
地元や身内が盛り上がることで、その熱が徐々に周りにも伝搬されていき、ムーブメントが作られていきます。

広いターゲットの全てに刺さるような言葉はありません。
そこを狙ってネーミングをすると、誰にも刺さらないピンボケな名前ができあがってしまいます。

まずは地元・身内にピンポイントに刺さる言葉を使ってみる、というのも一つの方法なのです。

(3)ネーミングはわかりやすさが第一

そうは言っても、「ミライトワ」と「ソメイティ」…。

どうなんでしょうね?
日本人にすらピンと来ないような気もします(苦笑)

 

凝りすぎてスベっている感じがするんですよね。
もっとわかりやすい言葉を使った方がいい。
まずは名前を覚えてもらわないと広がっていきませんから。

オリンピック関連であれば、世界の人にもわかる英語的な言葉、日本語だけど外国でも知られている言葉がいいですね。

結構、「ベタすぎるかな…。」という位、振り切ってしまった方がよかったりするんです。

「ソメイヨシノ」より「サクラ」の方が圧倒的にわかりやすい。
「サムライ」とか「ニンジャ」をモチーフにした言葉でもいいかもしれません。

ネーミングはわかりやすさが第一なんです。

まとめ

● ターゲットを広げすぎると、誰にも刺さらない
● ターゲットが広い場合、まずは地元・身内に刺さるワードを使う
● ネーミングはわかりやすさが第一

参考サイト

(*1)東京2020マスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」がデビューしました!|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

(*2)「 ミライトワ」と「ソメイティ」がデビュー!/MIRAITOWA, and SOMEITY|Tokyo 2020(YouTube)

(*3)東京2020大会 マスコットデザイン|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。
 

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