商品開発のヒント|はじめに
今回の事例は、グンゼが開発した第4世代の男性用下着「AIRZ(エアーズ)」。
「第4世代のパンツ」とも呼ばれている、この「AIRZ(エアーズ)」。
実はユニクロの「ブラトップ」がヒントだそうです。
商品開発のヒント①|「AIRZ(エアーズ)」の特徴
「AIRZ(エアーズ)」は、グンゼが開発したウエストゴムのない男性用下着です(*1)。
グンゼはブリーフ、トランクス、ボクサーパンツに続く「第4世代の下着」として普及させることを狙っています。
「AIRZ(エアーズ)」には以下の3つの特徴があります。
「AIRZ(エアーズ)」の特徴①|ウエストゴムがない
「AIRZ(エアーズ)」には、ウエストゴムがありません。
グンゼの特許技術である縦横両方向に伸縮性を持つ生地を用いることで、ウエストゴムを使用しない下着を実現しました。
ウエストゴムをなくしたことで、ウエスト部分の締め付けが軽減され、開放感のある快適な着用感を得ることができます。
「AIRZ(エアーズ)」の特徴②|ウエスト・裾がカットオフになっている
「AIRZ(エアーズ)」では、ウエストと裾がカットオフと呼ばれる切りっぱなし加工になっています。
生地全体に伸縮性を持たせたことで、ウエストや裾のゴムが不要となりました。
ゴムの締めつけ感やゴムがあることによるゴワつきがなくなり、フィット感を向上させています。
「AIRZ(エアーズ)」の特徴③|アルゴウエーブカット
「AIRZ(エアーズ)」は、「アルゴウエーブカット」という独自形状に設計されています。
「アルゴウエーブカット」は、生地全体が身体にフィットするような形状設計です。
このような形状に設計することで、ゴムによる締め付けがなくても下着がずり落ちず、素肌に吸い付くようなフィット感を得ることができます。
商品開発のヒント②|「AIRZ(エアーズ)」はユニクロの「ブラトップ」がヒント
「AIRZ(エアーズ)」を開発するヒントとなったのは、ユニクロの「ブラトップ」だそうです(*2)。
「ブラトップ」はブラジャーの要素をもたせた女性用肌着です。
ブラジャーのような締めつけ感がなく、解放感のある着心地が女性からの支持を受けています。
グンゼはこの「ブラトップ」をヒントに、男性にも「解放感のある下着」の需要はあるはずだ、と考えたわけです。
但し、女性用の肌着である「ブラトップ」の技術をそのまま男性用下着に転用できるかというとそうではありません。
男性は股間にもっこりがありますからね。
この部分がずり落ちの原因になり、開発当初はなかなかうまくいかなかったそうです。
それでも、試作を繰り返し、改良を重ねることで「AIRZ(エアーズ)」が完成したわけです。
商品開発のヒント③|新商品の開発は隣接する商品や技術分野をヒントにする
「AIRZ(エアーズ)」はユニクロの「ブラトップ」をヒントに開発されました。
女性用肌着と男性用下着。
非常に近い分野ですよね。
隣接する商品や業界には新商品開発のヒントがゴロゴロ落ちているわけです。
そこから着想をもらって、自分の商品や技術分野にアジャストさせていく、カスタマイズしていくというのが新商品を開発するコツだと思います。
技術の発展には連続性があります。
新商品の開発とは言っても、今までの技術を全く使っていない商品は殆どないと言っていいでしょう。
既存の技術、特に隣接する商品、隣接する技術分野の情報を収集し、絶えず研究を行うことが新商品開発には必要だと思いますよ!
商品開発のヒント|まとめ
- 「AIRZ(エアーズ)」はユニクロの「ブラトップ」をヒントに生まれた
- 既存の技術、特に隣接する商品・技術分野の情報を収集し、研究することが大事
- 隣接する商品・技術分野から着想を得て、自分の商品・技術分野にアジャストさせ、新商品を開発する
参考サイト
(*1)AIRZ | BODY WILD / ボディワイルド
http://www.bodywild.com/airz/(*2)ゴムを使わない「第4世代パンツ」、グンゼが発売|日本経済新聞