ティラミスヒーロー・ロゴパクリ事件に学ぶ、ネット炎上の傾向と対策

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダ(@ta2_ymd)です。

はじめに

昨日はティラミスヒーロー・ロゴパクリ事件を題材に、商標の本質や商標登録の意味についてお話ししました。

今日はその続編、ネット炎上について取り上げてみようと思います。

ティラミスヒーロー事件を題材に、ネット炎上の傾向と対策を考えてみましょう!

ティラミスヒーロー・ロゴパクリ事件に学ぶ、ネット炎上の傾向と対策

ティラミスヒーロー・ロゴパクリ事件について知らない人は、まず昨日の記事をどうぞ。

 

それでは、今日の本題、ネット炎上について考えていきます。

(1)ネット炎上とは

この記事では、「ネット炎上」を、

その人の行動が、不適切・不誠実・不注意・法律違反(犯罪行為を含む)等と解釈されることによって非難や批判が殺到し、それらがネット上に爆発的に拡散され、その拡散を押さえ込むことができない状態

と定義しておきます。

 

この定義で大事な部分は「解釈される」です。
それが真実かどうかは関係なく、ネット民にそのように認定されることによって、炎上は広がっていきます。

「あいつは悪い奴だ」「ずるいことをしている」「許せない」

そんな感情が非難や批判を燃え広がらせていくわけです。

(2)ネット炎上の傾向(メカニズム)

ネット炎上は何をきっかけにして起こり、どのように広がっていくんでしょうか?

ネット炎上の傾向・パターンは様々です。
が、概ね以下の3つのステップで炎上が広がっていくと考えられます。

① 見つけられる ⇒ ② 調べ尽くされる ⇒ ③ 拡散される

① 見つけられる

まず、誰かが、Aさんの不適切・不誠実・不注意・法律違反(犯罪行為を含む)等と解釈される行為を見つけます。

そして、その行為を批判する記事をネット上に投稿します。
次に、この記事に賛同した人がリツイート(Twitter)、シェア(Facebook)等によって、その情報をネット上に拡散させます。

ちょっとした火事になります。
ただ、燃えてはいますが、まだまだボヤ程度の燃え方です。

② 調べ尽くされる

ボヤが起きると、そのボヤを見つけて油を注ぐ人が出てきます。
Aさんの行動を過去に遡って調べ上げ、「Aは過去にもこんな悪いことをしている」という事実をネット上に投稿するわけです。

この投稿を見た人達が、Aさんが他にも悪いことをしていないか血眼になって探し始めます。
運よくAさんの悪行を発見した人はそれを喜々として後追い投稿します。

徐々にAさんの過去の悪行が白日の下に晒され、Aさんはネット上で完全に「悪い人」と認定されます。

③ 拡散される

ここまで来ると、火事はかなり燃え広がっています。

詳しい事情を知らずに集まってきた野次馬もAさんの悪口をネットに投稿し始めます。群集心理というやつです。
自分に直接的な利害はなく、Aさんのこともロクに知らない人達が、ひん曲がった正義感の下、Aさんの悪評をネット上に投稿し、それを爆発的に拡散させていきます。

こうして、Aさんはネット上で袋叩きにされた挙げ句、社会的に抹殺されます。

これがネット炎上のメカニズムです。

 

今回のティラミスヒーロー事件では、

① 株式会社gram(以下、「g社」)が本家ティラミスヒーローのオリジナルロゴをほぼ丸パクリして商標登録している事実を見つけた人がそれをネット上に投稿。

② その記事を見た人達が、そもそもg社の「gram」という名称も人気カフェの屋号を奪い取ったものだ、g社はFLIPPER’Sの「奇跡のパンケーキ」や、うっふぷりんの「ティラプリ」、ローソンの「プレミアムロールケーキ」についても商標権を取ろうとしている、といった事実を後追い投稿。

③ g社に非難が殺到し、炎上。g社のイメージキャラクターを務めていた俳優・三浦翔平さんのSNSまで延焼。

という過程を経て、大炎上に至ったわけです。

(3)ネット炎上の対処法

今回の事件を対岸の火事だと思って見ている人が殆どでしょう。
自分はg社みたいな悪いことはしないから、ネット炎上なんて関係ないよと。

確かに、今回のケースでは善悪がはっきりしています。
他人のイラスト入りロゴマークをほぼデッドコピー(丸パクリ)したg社は悪者。
元祖ティラミスヒーローはオリジナルのロゴマークを強奪された可愛そうな人。

しかし、実際にはどちらが善でどちらが悪かグレーなケースが殆どなのです。

例えば、イラスト入りのロゴマークではなく、短い文字商標の場合。
4文字とか6文字の文字だけの商標だったら、自分が使っていた商標(会社名・商品名・サービス名)が他人の使っている商標とたまたま似ていたなんてことは日常茶飯にありそうじゃないですか?
あなたが悪意を持っていなかったとしても、そこを起点としてネット炎上するケースはあり得るんです。

恐ろしいのはネット民の殆どが匿名だということです。
彼らは仮に自分達が認識を間違えて炎上が起こっても責任を取ろうなんてこれっぽっちも思っていません。
たとえ理不尽な炎上であなたが全てを失っても何の保証もないということです。

だからこそ、明日は我が身。
そう思って対策を立てておきましょう。

いくつか対策を挙げてみます。

① 他人の褌で相撲を取らない

今回の事件では、g社が元祖ティラミスヒーローの信用に只乗りして自分だけ儲けようとしたことが炎上の起点となっています。

g社の行為は商標法の先願主義(早い者勝ち)という観点からすれば、必ずしも不適法とは言えません。
誰も出願していなかった。だから出願して権利を取りに行ったということですから。

但し、ネット民はそう見てくれません。
「こいつは他人の信用に便乗して自分だけ儲けようとした悪い奴」と認定されてしまいます。

最近、「パクリ行為」に対して世間は敏感になっています。
少しでも便乗、売名と誤解されるおそれがある行為は控えておいた方が無難です。

② 有名ブランド、繁盛店、人気者を敵に回さない

今回の事件では、被害者が人気のティラミス専門店でした。

有名ブランド、繁盛店、人気者…。
こういった社会的影響力の大きい人や組織を敵に回すと面倒です。
そのファンや取り巻きがネット炎上の引き金を引くこともありますから。

人気者にあやかって儲けたい。
気持ちはわかりますが、やめておきましょう。

例えば、ジャニーズとか、ディズニーとかね(笑)
ブランドに気を使っている人や組織を刺激してはいけません。

君子危うきに近寄らず。
この人たちのキャラクターや商標には近寄らないのが賢明です。

③ もし炎上してしまったら誠実な態度に徹する

今回の事件では、事件発覚後、g社が本家ティラミスヒーローに商標の使用権を設定しても良いという趣旨の発言をしたことが更に炎上を拡大させています。

「他人の権利を奪ったくせに、使わせてやるとは何事か!」ということです。

今回の場合、元祖ティラミスヒーローのイラストをほぼデッドコピー(丸パクリ)しているんですから、事件が発覚した段階で商標権を放棄するという処置をしても良かったように思います。
それなのに、誠実さを欠く、不遜な態度をとったことが更なる炎上を招いてしまったということです。

もし万が一、炎上してしまったら早い段階で専門家に相談し、客観的な視点で適切な処置をアドバイスしてもらいましょう。

まとめ

商標の相談を受けていると、結構、危なっかしいことをしている人、多いですよ。

「その商標を使っていると、商標権侵害の問題になりますよ。」とアドバイスしているのに、「このくらいなら大丈夫じゃないですか?」、「うちは田舎で細々とやってますから、何か言われることなんてないでしょ(笑)」と、呑気なことを言ってる人が少なからずいます。

問題が発覚してから青い顔をして相談に来ても、時既に遅しですよ。
お気をつけ遊ばせ。

オススメの記事

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。
 

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