【ネーミング例】「ベルサイユの豚」(居酒屋の屋号)

ネーミングと商標登録のブログ「ネーミング・ノウ」
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ネーミングのコツ|真逆のイメージの言葉を組み合わせた「ベルサイユの豚」|本日のポイント

以前、セミナーが終わった後の懇親会でこんなお店に行きました。

▲ 「ベルサイユの豚」の看板▲

その名も「ベルサイユの豚」!

ワインと肉料理を得意とするバルです。

今日は、この「ベルサイユの豚」が題材です。

「ベルサイユの豚」から学びたいネーミングのコツは以下の3つです。

言葉が本来持っているイメージを利用する
真逆のイメージの言葉を組み合わせる
関連商品・シリーズ化も頭に入れておく
では、「ベルサイユの豚」からネーミングのコツを学んでいきましょう!

ネーミングのコツ①|言葉が本来持っているイメージを利用する

ネーミングのコツ、1つ目は

言葉が本来持っているイメージを利用する

ことです。

言葉には直接的に導かれる意味内容だけでなく、その言葉の持つイメージがあります。
そのイメージを利用することで、

読み手に複数の意味内容を伝えることができる

のです。

「ベルサイユの豚」では、「ベルサイユ」という言葉がキーワードです。

元々、「ベルサイユ」はフランスの街の名前にすぎません。
でも、この言葉を聞いてベルサイユの街を思い浮かべる日本人は殆どいないでしょう。

まず思い浮かべるのは、かつての人気漫画「ベルサイユの薔薇(ベルばら)」ではないでしょうか?

そして、「ベルサイユ宮殿」ですね。

日本人が「ベルサイユ」という言葉からイメージするのは地名ではなく、「フランスの貴族社会」であったり、「高貴な人」であったりするわけです。

このため、

「ベルサイユ」という言葉を入れると、その商品にどことなく高級なイメージを与えることができる


のです。

ネーミングのコツ②|真逆のイメージの言葉を組み合わせる

ネーミングのコツ、2つ目は

真逆のイメージの言葉を組み合わせる

ことです。

真逆のイメージの言葉を組み合わせることで、

ミスマッチな面白さを醸し出すことができる

のです。

先日、「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」に関するコラムを書きました。
「蕎麦」と「ラー油」のミスマッチな組み合わせについて解説しましたよね。

あれと同じ手法です。

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今回は「ベルサイユ」と「豚」の組み合わせです。

ベルばらの世界観、ベルサイユ宮殿といった高貴なイメージを持つ「ベルサイユ」。
ユーモラスな風貌、庶民的な食材である「豚」。

この組み合わせが面白いわけです。

「ベルサイユ」という言葉で高級なお店なのかなと思わせる。
その高級なイメージを「豚」という言葉で一気に叩き落とす。

言葉のギャップ・落差を作っているわけです。
(「ベルサイユの牛」と比べてみると、その差がわかると思います)

そして、「ベルサイユの豚」と「ベルサイユの薔薇」。

音数もバッチリ合っていますよね。
だから、「薔薇じゃなくて豚かよ!」と面白がってもらうことができます。

真逆のイメージの言葉を組み合わせることで面白さを醸し出し、名前を覚えてもらいやすくする

わけです。

ネーミングのコツ③|看板商品をアピールする

ネーミングのコツ、3つ目は、

看板商品をアピールする

ことです。

店名と看板商品を紐づけることによって、名前を覚えてもらいやすくなる

からです。

「ベルサイユの豚」の看板商品は「肉」と「ワイン」です。

  • 「豚」 = 豚肉
  • 「ベルサイユ」 → フランス → ワイン

店名と看板商品がしっかり結びついています。

「ベルサイユの豚」では、メインに厚切りの豚肉料理が出てきます。

▲ 「ベルサイユの豚」の名物。豚肩ロースの炭火焼き▲

これで、

「『ベルサイユの豚』?」
「あー。あのごっつい豚肉が出てきたお店ね!」

と覚えていてもらえるわけです。

これが、抽象的な名前だと商品やサービスとの結びつきが弱くなり、店名を覚えてもらい難くなります。

店名にお店の商品やサービスを連想させる言葉を入れておく

ことを意識しましょう。

ネーミングのコツ|真逆のイメージの言葉を組み合わせた「ベルサイユの豚」|まとめ

「ベルサイユの豚」から学びたいネーミングのコツは、

言葉が本来持っているイメージを利用する
真逆のイメージの言葉を組み合わせる
看板商品をアピールする
でした。

商標のご相談をお受けしていると、単なる商品の説明にすぎないような名前を商標登録したいというご要望が多いです。
説明的な名前は商標登録を受けることが難しいです。

商品の特徴を間接的・象徴的に表現することができる言葉がないか探してみましょう。
読み手の連想力を刺激してあげることが大事ですよ!

ネーミングに興味が出てきた人へ

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