ネーミングのコツ|真逆のイメージの言葉を組み合わせた「ベルサイユの豚」

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

ネーミングのコツ|真逆のイメージの言葉を組み合わせた「ベルサイユの豚」|本日のポイント

以前、セミナーが終わった後の懇親会でこんなお店に行きました。

 

▲ 「ベルサイユの豚」の看板▲

 

 

その名も「ベルサイユの豚」!

ワインと肉料理を得意とするバルです。

今日は、この「ベルサイユの豚」が題材です。

「ベルサイユの豚」から学びたいネーミングのコツは以下の3つです。

言葉が本来持っているイメージを利用する
真逆のイメージの言葉を組み合わせる
関連商品・シリーズ化も頭に入れておく
では、「ベルサイユの豚」からネーミングのコツを学んでいきましょう!

ネーミングのコツ①|言葉が本来持っているイメージを利用する

ネーミングのコツ、1つ目は

言葉が本来持っているイメージを利用する

ことです。

言葉には直接的に導かれる意味内容だけでなく、その言葉の持つイメージがあります。
そのイメージを利用することで、

読み手に複数の意味内容を伝えることができる

のです。

 

「ベルサイユの豚」では、「ベルサイユ」という言葉がキーワードです。

元々、「ベルサイユ」はフランスの街の名前にすぎません。
でも、この言葉を聞いてベルサイユの街を思い浮かべる日本人は殆どいないでしょう。

まず思い浮かべるのは、かつての人気漫画「ベルサイユの薔薇(ベルばら)」ではないでしょうか?

そして、「ベルサイユ宮殿」ですね。

日本人が「ベルサイユ」という言葉からイメージするのは地名ではなく、「フランスの貴族社会」であったり、「高貴な人」であったりするわけです。

このため、

「ベルサイユ」という言葉を入れると、その商品にどことなく高級なイメージを与えることができる


のです。

ネーミングのコツ②|真逆のイメージの言葉を組み合わせる

ネーミングのコツ、2つ目は

真逆のイメージの言葉を組み合わせる

ことです。

真逆のイメージの言葉を組み合わせることで、

ミスマッチな面白さを醸し出すことができる

のです。

 

先日、「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」に関するコラムを書きました。
「蕎麦」と「ラー油」のミスマッチな組み合わせについて解説しましたよね。

あれと同じ手法です。

 

今回は「ベルサイユ」と「豚」の組み合わせです。

ベルばらの世界観、ベルサイユ宮殿といった高貴なイメージを持つ「ベルサイユ」。
ユーモラスな風貌、庶民的な食材である「豚」。

この組み合わせが面白いわけです。

「ベルサイユ」という言葉で高級なお店なのかなと思わせる。
その高級なイメージを「豚」という言葉で一気に叩き落とす。

言葉のギャップ・落差を作っているわけです。
(「ベルサイユの牛」と比べてみると、その差がわかると思います)

 

そして、「ベルサイユの豚」と「ベルサイユの薔薇」。

音数もバッチリ合っていますよね。
だから、「薔薇じゃなくて豚かよ!」と面白がってもらうことができます。

 

真逆のイメージの言葉を組み合わせることで面白さを醸し出し、名前を覚えてもらいやすくする

わけです。

ネーミングのコツ③|看板商品をアピールする

ネーミングのコツ、3つ目は、

看板商品をアピールする

ことです。

店名と看板商品を紐づけることによって、名前を覚えてもらいやすくなる

からです。

 

「ベルサイユの豚」の看板商品は「肉」と「ワイン」です。

  • 「豚」 = 豚肉
  • 「ベルサイユ」 → フランス → ワイン

店名と看板商品がしっかり結びついています。

 

「ベルサイユの豚」では、メインに厚切りの豚肉料理が出てきます。

▲ 「ベルサイユの豚」の名物。豚肩ロースの炭火焼き▲

 

 

これで、

「『ベルサイユの豚』?」
「あー。あのごっつい豚肉が出てきたお店ね!」

 

と覚えていてもらえるわけです。

これが、抽象的な名前だと商品やサービスとの結びつきが弱くなり、店名を覚えてもらい難くなります。

店名にお店の商品やサービスを連想させる言葉を入れておく

ことを意識しましょう。

ネーミングのコツ|真逆のイメージの言葉を組み合わせた「ベルサイユの豚」|まとめ

「ベルサイユの豚」から学びたいネーミングのコツは、

言葉が本来持っているイメージを利用する
真逆のイメージの言葉を組み合わせる
看板商品をアピールする
でした。

 

商標のご相談をお受けしていると、単なる商品の説明にすぎないような名前を商標登録したいというご要望が多いです。
説明的な名前は商標登録を受けることが難しいです。

商品の特徴を間接的・象徴的に表現することができる言葉がないか探してみましょう。
読み手の連想力を刺激してあげることが大事ですよ!

ネーミング|オススメの記事

ネーミングに関するオススメの記事はこちら!

 

【総まとめ】センスの良い商品名を作るネーミングのコツ
「ネーミングって難しい…。」 そんな風に思っていませんか? 実はネーミングにもコツのようなものがあるんです。 今回はそのコツを6つ紹介します。 ① 音を意識する/② 有名な言葉をなぞる/③ 意外性を出す/④ その商品を使っているシーンをイメージさせる/⑤ ターゲットを絞り込む/⑥ ライバルと差別化する
事例・靴下「まるでこたつソックス」から学ぶネーミングのコツ|売上を17倍にしたネーミングの秘訣とは?
事例・靴下「まるでこたつソックス」から学ぶネーミングのコツ|売上を17倍にしたネーミングの秘訣とは? 寒い冬を乗り切るための必需品・防寒グッズ。 中でも、冷え性に悩む人の絶大なる支持を受けているのが「まるでこたつソックス」です。 参考:「まるでこたつソックス」が、ネーミングを裏切らない想像以上の暖...
JR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」 駅名のネーミングセンスがひどすぎる件
最近、目につくイケてないネーミング...。 そんなネーミングの失敗事例を反面教師にしてネーミングのコツを探ってみようという不定期連載企画「●●のネーミングがひどすぎる件」。 今回の失敗事例は、早くもネット上では非難轟々、本日発表されたばかりのJR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」です。
事例・カルビー「えだまりこ」から学ぶネーミングのコツ|覚えやすさ×インパクト
事例・カルビー「えだまりこ」から学ぶネーミングのコツ|覚えやすさ×インパクト 「えだまりこ」はカルビーが製造販売する豆系スナック菓子です(*1)。 枝豆を原料とする、一口サイズのスティック型スナックです。 じゃがいもを原料とする「じゃがりこ」、とうもろこしを原料とする「とうもりこ」と並ぶ「りこ」シリーズの...

 

タイトルとURLをコピーしました