ネーミングのコツ。センスの良い商品名を作るための5つのポイント

ネーミングと商標登録のブログ「ネーミング・ノウ」
目次

商品のネーミングを変更したら、今まで売れなかった商品が一躍、人気商品に!

変更後の商品名変更前の商品名売上(変更後/変更前)
「お~いお茶」「缶入り煎茶」6倍
「鼻セレブ」「モイスチャーティシュ」10倍
「まるでこたつソックス」「三陰交を温めるソックス」17倍
(表)ネーミング変更をきっかけに売上を伸ばした商品の例


「まるでこたつソックス」 は、なんと売上が17倍!こんな話を聞けば、「うちもネーミングに取り組みたい!」と思う会社がたくさん出てくるはずです。その一方で、

「自分たちにはネーミングセンスがない。だからネーミングなんて無理…。」

と諦めてしまっている人が多いのも事実です。でも、本当にセンスの問題なんでしょうか?

私は弁理士として商標登録の相談を受ける中で、様々なネーミングを見てきました。確かに、ひどいネーミングもあります。ただ、それがセンスの問題とは思えないんですよね。ネーミングの基本を知っていれば、絶対にやらないはずの間違いをしていますから。センスがないことが問題なのではなく、センスがないのにセンスや感覚に頼ってネーミングをしていることの方が問題なんです。

私はネーミングのコツ、そのポイントさえ知っていれば、たとえセンスがない人でも良いネーミングはできると考えています。

この記事ではネーミングのコツ、センスの良い商品名を作るための5つのポイントを紹介します。

ネーミングのコツ①|音で直感的に伝える

ネーミングをする時には「音」で直感的に伝えることを意識しましょう。

商品名(名前)は「見た目」、「音」、「意味」の3つの要素から成り立っています。お客様は商品名を視覚で捉え(見た目)、耳で聞き(音)、頭で理解する(意味)ということです。3つの要素の中では「音」が最も重要です。「音」は直感的に捉えることができ、一瞬で強いインパクトを与えることができるからです。

一方、「意味」は頭で理解するための時間がかかり、一瞬でお客様の心を捉えることが必要な商品名には不向きです。それなのに、ネーミングが下手な人は商品の内容や機能の説明、すなわち「意味」から名前を考えようとします。だから、インパクトが弱く、覚えにくく、つまらない名前ができあがるわけです(残念)。

商品名は短いワードなので、そもそも商品の内容や機能を説明するには向いていません。そうであれば、商品名はお客様の興味や関心を引きつけられればOKと割り切りましょう。

音で面白さを出す方法としては、例えば、擬音語や擬態語、音の繰り返し、破裂音などがあります。

このサイトの記事で取り上げた事例の中から、「音」が印象的な商品名を挙げておきます。

TVCMで宮川大輔さんが「ペイペイ、ぺぺぺ、ペイペイ」と掛け声をかけたり、ローラが「モッチッチ、モチッチ、モッチッチ♪」とリズミカルに歌ってましたね。音の繰り返しを印象的に使い、一度聞いたら忘れられない名前になっています。

ネーミングのコツ②|既にある言葉と語呂を合わせる

ネーミングをする時には、既にある言葉と語呂を合わせるとよいです。流行語や誰でも知っている有名な言葉と語感を合わせるということです。

商品名は覚えやすさが命です。覚えてもらうことでリピート客になる、口コミをしてくれるという効果を期待することができるからです。流行語や誰もが知っている言葉、既に知られた耳馴染みのある言葉と語感を合わせた名前にすることで、格段に覚えてもらいやすくなります。ダジャレの一種と考えてもいいでしょう。ベタなやり方ですが効果はてきめんです。

語呂を合わせる方法としては、例えば、ベースになる言葉の印象的な部分を取り入れる、 ベースになる言葉と音数や母音を揃えるなどの方法があります。

このサイトの記事で取り上げた事例の中から例を挙げると、

などがあります。消臭剤の「消臭力(リキ)」もプロレスラーの長州力さんに語感を合わせていますね。

但し、パクリは厳禁です。同業者や競合商品と似たりよったりの名前をつけてしまうとトラブルの元になります。二番煎じ感が出て、ネーミング的に残念な感じにもなりかねません。ベースになる言葉は異業種、商売がかぶらない分野から持ってきた方がいいですね。

ネーミングのコツ③|あえてミスマッチな言葉を組み合わせる

ネーミングをする時に、あえてミスマッチな言葉を組み合わせるという方法も試してみてください。

言葉のギャップや違和感が意外性を生み、インパクトのある名前を作ることができるからです。誰もがその商品に期待しているのとは別の角度から名前を付ける。そうすることで、「えっ?なんで???」という驚きが生まれ、記憶に残りやすい名前になるわけです。

ミスマッチな言葉を組み合わせる方法としては、例えば、通常、その商品には使わない言葉を使う、真逆の言葉を組み合わせるなどがあります。

このサイトの記事で取り上げた事例の中では、

などを参考にしてみてください。

但し、ミスマッチの程度が大きすぎると、「これはないわー」と思われてしまうかもしれません。インパクトを出そうとしすぎてスベらないようご注意ください(笑)

ネーミングのコツ④|商品の使用シーンをイメージさせる

ネーミングをする時には、商品の使用シーンをイメージさせるような言葉を使ってみてください。

商品の使用シーンを思い浮かべさせることで、商品のメリットを想像しやすくなり、商品に対する期待感が高まります。こうすることで、商品を買ってもらいやすくなるわけです。

ネーミングでよくある失敗は商品の内容を説明してしまうことです。商品の内容とは、商品の原材料や産地、製造方法、機能などを指します。買う人にとっては、どんな商品なのかより自分にとってどんなメリットがあるのかの方がずっと大事です。そうであれば、そのメリット、そのメリットに紐づく使用シーンを商品名に表していきましょう。

商品の使用シーンをイメージさせる方法としては、商品の使用時に出てくる言葉や商品のメリットを比喩的に表した言葉を使うなどがあります。

このサイトの記事で取り上げた事例の中では、 例えば、

などを参考にしてみてください。

「おーいお茶」も「ごはんですよ!」と同じ系統ですね。

ネーミングのコツ⑤|商品を擬人化する

ネーミングをする時に、商品を擬人化してみるというのも一つの方法です。

商品を擬人化することで、商品に親しみがわき、覚えてもらいやすくなります。商品を擬人化する方法としては、例えば、人名風の商品名にする、語頭に「ミスター」、「ミセス」などを付ける、語尾に「ちゃん」、「君」、「さん」を付けるなどの方法が挙げられます。

このサイトの記事で取り上げた事例の中では、

などがそうですね。

他にも、アイスの「ガリガリ君」、防虫剤の「ミセスロイド」など、商品を擬人化した商品名はたくさんあります。

まとめ

ネーミングのコツ、センスの良い商品名を作るための5つのポイント。いかがでしたか?

今回紹介したネーミングのコツは以下の5つです。

  1. 音で直感的に伝える
  2. 既にある言葉と語呂を合わせる
  3. 商品の使用シーンをイメージさせる
  4. 商品を擬人化する
  5. ターゲットを絞り込む

商品のネーミングをする時に、ともすると提供者側である自分たちの目線で商品を見てしまいます。お客様・ユーザーの側から商品を見ると、違った側面が見えてくるかもしれませんよ。

今回紹介したネーミングのコツを参考に、商品のネーミングに取り組んでみてください!

ネーミングに興味が出てきた人へ

ネーミングに興味が出てきた方はぜひ以下の記事も読んでみてください。きっと、気付きがあるはずです。

商品価値を高める! 取引先への「ネーミング支援」|「近代セールス」2021年11月1日号掲載記事

他のネーミングの記事はこちらから。

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