ネーミングの意味|欅坂46の改名をネーミング視点で分析!

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

ネーミングの意味|はじめに

昨日、こんなニュースが飛び込んできました。

 

欅坂46、5年の活動に幕 “再改名” で再出発「相当な茨の道が待っていると思います」|ORICON MUSIC

 

 

人気アイドルグループ「欅坂46」がグループ名を改名し、新たなグループ名で再出発することを発表しました。

今回は、この「欅坂46」の改名を題材に、「ネーミングの意味」を考えてみたいと思います。

 

ネーミングの意味、ポイントは以下の3つです。

① ネーミングは商品のジャンルや属性を示す
② ネーミングは商品のコンセプトを示す
③ ネーミングの変更(改名)は新たな取組みへの意思を示す

では、個別に説明していきます。

ネーミングの意味①|ネーミングは商品のジャンルや属性を示すもの

「ネーミングの意味」の1つ目のポイントは、

ネーミングは商品のジャンルを示す

ということです。

 

「欅坂46」は、秋元康のプロデュースによる女性アイドルユニットです。

既に発足していた「乃木坂46」の新プロジェクトとして始動し、「乃木坂46」、後に発足する「日向坂46」とともに「坂道グループ(坂道シリーズ)」の一翼を担っています。

 

同じ秋元康がプロデュースによる女性アイドルユニットとして、「AKB48」を始めとする「AKBグループ(48グループ)」があります。

 

「●●坂46」というネーミングにすることで、

●「坂道グループ(坂道シリーズ)」に属するグループであること
●「AKBグループ(48グループ)」とは、異なるグループであること

を示し、商品のジャンルや属性が違うことを明らかにしているわけです。

ネーミングの意味②|ネーミングは商品のコンセプトを示す

「ネーミングの意味」の2つ目のポイントは、

ネーミングは商品のコンセプトを示す

ということです。

 

「AKBグループ(48グループ)」は、AKB(東京・秋葉原)、SKE(名古屋・栄)、NMB(大阪・難波)、HKT(福岡・博多)等、地名に由来する名称でネーミングされています。

また、そのホームタウンに専用の小劇場を有しています。

 

これにより、

● 地域密着(ご当地性)
● 会いに行けるアイドル(親近感)

というコンセプトを打ち出しているわけです。

 

坂道シリーズも実在する坂の名称をモチーフにしたネーミングです。

しかし、その地に専用劇場を持っているわけではありません。

活動の場は、テレビ、雑誌、ドーム・アリーナツアー等、多岐に渡り、ご当地感は希薄。
メンバーのビジュアルレベルが高く、ファッション誌のモデルを務めるメンバーも多い。

 

坂道シリーズには、

● 地域性なし
● 「親近感」よりも「憧れられる存在」

という特徴があります。

だから、「AKBグループ(48グループ)」とは違うネーミングにして、コンセプトが違うグループであることを明らかにしているわけです。

 

坂道シリーズの中でも、各々のグループは、

●「乃木坂46」⇒ 清楚、清涼感、しなやかなダンスパフォーマンス
●「欅坂46」⇒ クール、社会に対する問題提起、ハードなダンスパフォーマンス
●「日向坂46」⇒ 笑顔、ハッピーオーラ、元気なダンスパフォーマンス

と、グループのコンセプトが違います。

 

各々のグループの名称には、

●「乃木坂」⇒ ハイソなイメージ
●「欅」⇒ 強靭で、気高い美しさ
●「日向」⇒ 太陽のような明るさ

等、コンセプトの違いを象徴する言葉が織り込まれています。

こうすることで、各々のグループのコンセプトを明らかにしているわけです。

ネーミングの意味③|ネーミングの変更(改名)は新たな取組みへの意思を示す

「ネーミングの意味」の3つ目のポイントは、

ネーミングの変更(改名)は新たな取組みへの意思を示す

ということです。

 

名前は商品の代名詞・看板です。
それを変えるということは、「商品の内容も一新する」ということ。

言い方を変えれば、新たな取り組みへの意思表示をしたいときに、ネーミングの変更(改名)を行うわけです。

 

今回の「欅坂46」の改名には、

● これを機にグループを一新したい
● グループの膠着状態を打破したい

という意思が見えます。

 

今年(2020年)1月23日、絶対的エースであった平手友梨奈が脱退しました。

「欅坂」といえば、「平手友梨奈」。
彼女なしでは成立しない楽曲やパフォーマンス。

唯一無二、必要不可欠なピースであった主要メンバーの離脱によって、欅坂は方向性を見失っているように見えました。

事実、2019年2月27日に、「黒い羊」をリリースして以降、1年以上、新たな楽曲がリリースされていません。
アイドルグループとしては、かなりの異常事態です。

 

こんな膠着状況を打破するためのカンフル剤として、「ネーミングの変更(改名)」を行ったんでしょうね。

「欅坂46」のネーミングの変更(改名)は、

● 脱・平手友梨奈
● グループの新生

という新たな取組みへの意思を示すものなのです。

 

とはいえ、「ネーミングの変更(改名)」は劇薬でもあります。

「欅坂」という名称に思い入れのあるメンバーやファンは多い。
そうすると、今回の改名が主要メンバーの更なる離脱やファン離れを引き起こす可能性もあります。名前を変えてもグループの中身が変わらなければ、「ただの看板の掛けかえ」と揶揄されるでしょう。

それでも改名せざるを得なかったというところに、グループとしての悩みが垣間見えます。

 

妹分の「日向坂46」は、「けやき坂46(ひらがなけやき)」から改名したことで、「欅坂46」のアンダーグループというイメージを払拭し、見事にブレイクしました。

「欅坂46」も同じようにイメージチェンジを果たせるか?
要注目です!

ネーミングの意味|まとめ

ネーミングの意味のまとめです。

ポイントは以下の3つです。

① ネーミングは商品のジャンルや属性を示す
② ネーミングは商品のコンセプトを示す
③ ネーミングの変更(改名)は新たな取組みへの意思を示す

 

商品や会社のネーミングの変更(改名)は、売上の拡大や新たなファンの創出に効果を期待することができます。

その一方で、その改名の意図が明確に伝わらないと、逆に今までのファンからそっぽを向かれるというリスクもあります。

名前は名付け親の意思を示すもの。
ネーミングの変更(改名)は、慎重かつ大胆に。

ぜひ、挑戦してみてください!

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