事例・食用鱒「頂鱒(いただきます)」から学ぶネーミングのコツ|語呂合わせ

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

事例・食用鱒「頂鱒(いただきます)」から学ぶネーミングのコツ|語呂合わせ

食用鱒「頂鱒(いただきます)」は、品種改良されたニジマスです。

通常、ニジマスは二年で成熟しますが、その中に二年を超えて成長を続ける個体がいるそうです。
そのような個体の中で姿形の良い個体を選別し、四年で成熟するように改良された品種が「頂鱒(いただきます)」なのです。
「頂鱒(いただきます)」は成熟までの期間が長く、肉質が良好なまま大型化する特徴があります(*1)。

ネーミングテク「語呂合わせ」

「頂鱒(いただきます)」には「頂点を目指すニジマス」という意味が込められています。

「頂(点)」と「鱒」を合体させて「頂鱒(いただきます)」ですね。

2つの言葉を合体させるネーミングはよく行われます。
しかし、「頂鱒(いただきます)」の場合は単なる合体命名法ではありません。
食事の際の挨拶「いただきます」との語呂合わせと考える方が自然でしょう。

「頂鱒(いただきます)」は既に食用の鱒や鱒の加工品について商標登録されています(*2)。

しかし、実は「いただきます」という称呼(音)を持つ商標は、他にも多数、商標登録されているのです。
例えば、昔、桃屋の海苔の佃煮に「いただきます」という商品があり、桃屋は「いただきます」について商標登録を受けていました。

しかし、一般的な食品に商標「いただきます」ではひねりがないし、さほどインパクトはありませんよね。
やはり、商品が「鱒」だからこそ、「いただきます」の語呂合わせが効いてくるわけです。

「語呂合わせ」のメリット

「語呂合わせ」のメリットは、何と言っても覚えやすく、記憶に定着し易いことです。

ここに洒落の要素が入ってくると、センスの良いネーミングになります。

「頂鱒(いただきます)」も「頂点を目指すニジマス」、商事の際の挨拶の「いただきます」のダブルミーニング(一つの言葉が二つの意味を併せ持つ)になっていて、しかも「ます」と「鱒」を掛詞にするという細工が施されている点が良いと思います。

まとめ

語呂合わせのような基本的なネーミング手法でも商品との関係性によって良い商品名になることがあります。
語呂合わせの際には商品との関係性を考慮してみてください!

参考サイト

(*1)味よし姿よし、その名は「頂鱒(いただきます)」 日光の水産業者が開発、商標登録

(*2)商標登録第5886724号公報(J-Platpat)

(*3)商公昭48-195062号公報<商標登録第1319765号>(J-Platpat)

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