ネーミングの失敗事例。JR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。

はじめに

商品名やサービス名、お店の名前や会社の名前。実在する事例からネーミングのコツを探ってみようという不定期連載企画「事例から学ぶネーミングのコツ」。

今回の事例は、本日発表されたばかりのJR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」です。早くもネット上では非難轟々です。なんでこうなった?(苦笑)

今日は「高輪ゲートウェイ駅」を反面教師にネーミングのコツを勉強してみましょう!

「高輪ゲートウェイ駅」とは?

JR山手線の品川駅と田町駅の間に建設中の新駅です。

2018年6月5日(火)~6月30日(土)までの間、駅名案の募集を行い、選考の結果、この名前に決まったそうです。

(*1)JR東日本ニュース「田町~品川駅間の新駅の駅名決定について」

「高輪ゲートウェイ駅」の評判

「高輪ゲートウェイ駅」に関しては、発表早々、「正直、くっそダサくて残念」「なんか嫌だ」「高輪でいいだろ」と、非難の声が殺到しています(苦笑)

 

JR東日本はこの名前の選定理由について、

「新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。」

と発表しています(*1)。

「高輪ゲートウェイ駅」の失敗例から学ぶネーミングのコツ

「高輪ゲートウェイ駅」は、ネーミングの色々な部分で失敗をしています。これを分析することで、正しいネーミングのコツが見えてきます。3つほどポイントを上げてみます。

(1)利用者から共感を得られる名前ではない

「高輪ゲートウェイ駅」の1つ目の失敗は、利用者の思いをないがしろにしたことです。

JRは事前に駅名案の募集を行っています。その結果は、

第1位「高輪(たかなわ)」
第2位「芝浦(しばうら)」
第3位「芝浜(しばはま)」

第130位「高輪ゲートウェイ」

 

 

でした。実際に、ネット上でも「高輪でいいじゃん」「高輪の方が良かった」という声が多く見られます。

利用者は「高輪(たかなわ)」が駅名としてしっくりくると言っているのに、130位の「高輪ゲートウェイ」が浮上してきたわけです。「だったら、アンケートなんてやっても無駄じゃないか!」「最初からこれに決まってたんじゃないの?」という声が出て当然ですよね(笑)

利用者の思いを無視して決めた名前は共感を得られません。定着・浸透には時間がかかるでしょう。

鉄道系はこういう失敗が多いように感じます。旧国電の新名称として発表された「E電」しかり、元都知事の石原さんに大江戸線に改名されてしまった「ゆめもぐら」しかり。

 

気の利いた名前にしようという思いが先走ると、利用者の感覚から乖離してしまうので要注意です。利用者にとって親しみの持てる名前にする、共感を持てる名前にするというのはネーミングの鉄則なのです。

(2)名前の意味内容が分かり難い

「高輪ゲートウェイ駅」の2つ目の失敗は、名前の意味内容が分かり難いことです。

「ゲートウェイ」という言葉が分かり難いのです。

JR東日本の発表を見ると「人々をつなぐ結節点」という意味合いで使っているようです。しかし、日本人にはこの言葉は馴染みがありません。

ネットワーク用語の「ゲートウェイ」を想像する人や、昔、日本に拠点があった牛のマークのパソコンメーカー「日本ゲートウェイ」を想像する人もいます。

JR東日本としては「交流の拠点」といった意味合いを出したかったのでしょうが、利用者の想像はそこまで及ばないということです。

 

名前は字面と意味内容が相まって、その名前が浸透していきます。名前はその意味しているところが容易に理解できるように名付けるというのが鉄則です。ネーミングにおいて、「分かり易さ」は必須なのです。

(3)名前が長い

「高輪ゲートウェイ駅」の3つ目の失敗は、名前が長いことです。

名前が長いと覚えづらく、その名前が浸透し難くなります。

長いと言葉にして発音するのも面倒ですよね。利用者は、「高輪」とか「ゲートウェイ」という形で省略して使うのではないでしょうか?

そうすると、「高輪ゲートウェイ」という名称は使われない。使われなければ、その名前は覚えてもらえず、浸透しません。

 

名前は短く、意味内容が分り易いものにする。これがネーミングでは大事なのです。

まとめ

JR新駅、しかも山手線というビッグプロジェクトでは、様々な思惑が絡むので一筋縄でいかないのはわかります。

しかし、「駅名は誰のものか?」というのを頭に入れておいた方がよさそうですよ。JR東日本さん(笑)

今回挙げたネーミングのポイントは、

● 利用者から共感を得られる名前にする
● 意味内容が分かり易い名前にする
● 短く、覚えやすい名前にする

の3点でした。これを参考に良い名前を考えてみてください!

メディア掲載

この記事に関し、コラムニストの尾藤克之様から取材を受けました。

尾藤様の執筆記事は言論プラットフォーム「アゴラ」に掲載され、人気記事No.1にランキングされました。また、ニュースアプリ「グノシー」にも転載されています。

尾藤様、ご紹介頂き、ありがとうございました。

 

「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件(アゴラ)

「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件(グノシー)

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。