JR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」 駅名のネーミングセンスがひどすぎる件

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。
 

この記事は、「ネーミング」に関する記事です。

「新商品に名前を付けないといけないのに良い名前が思いつかない…。」
「自分にはセンスがないからネーミングは無理…。」

そんなお悩みをよく聞きます。

でも結論から言ってしまうと、ネーミングにセンスは不要です。

確かにセンスはないよりあった方がよいかもしれません。
でも、殆どの人はそれ以前のところで引っかかっています。

ネーミングには理論(ロジック)があります。
理論に則って考えれば、誰でも良いネーミングはできるのです。

弁理士は商標登録の専門家です。
商標登録の依頼を受ける中で、様々なネーミングについて相談されています。
その弁理士が商標登録の実務の中で蓄積してきた、センスに頼らないネーミングのコツをお伝えします。

JR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」 駅名のネーミングセンスがひどすぎる件

「高輪ゲートウェイ駅」はJR山手線の品川駅と田町駅の間に建設中の新駅です。
(追記:2020年3月14日(土)に開業しました!)

 

2018年6月5日(火)~6月30日(土)までの間、駅名案の募集を行い、選考の結果、この名前に決まったそうです。

(*1)JR東日本ニュース「田町~品川駅間の新駅の駅名決定について」

 

「高輪ゲートウェイ駅」に関しては、発表早々、

 

正直、くっそダサくて残念

なんか嫌だ

高輪でいいだろ

 

と、非難轟々です。

 

JR東日本はこの名前の選定理由について、

「新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。」

と発表しています(*1)。

 

「高輪ゲートウェイ駅」は、ネーミングの色々な部分で失敗をしています。

これを分析することで、正しいネーミングのコツが見えてきます。
3つほどネーミングのコツを挙げてみます。

ネーミングのコツ①:利用者の共感を得られる名前にする

「高輪ゲートウェイ駅」の1つ目の失敗は、利用者の思いをないがしろにしたことです。

JRは事前に駅名案の募集を行っています。その結果は、

第1位「高輪(たかなわ)」
第2位「芝浦(しばうら)」
第3位「芝浜(しばはま)」

第130位「高輪ゲートウェイ」

 

でした。

実際に、ネット上でも「高輪でいいじゃん」「高輪の方が良かった」という声が多く見られます。

利用者は「高輪(たかなわ)」が駅名としてしっくりくると言っているのに、130位の「高輪ゲートウェイ」が浮上してきたわけです。
「だったら、アンケートなんてやっても無駄じゃないか!」「最初からこれに決まってたんじゃないの?」という声が出て当然ですよね(笑)

利用者の思いを無視して決めた名前は共感を得られません。
定着・浸透には時間がかかるでしょう。

鉄道系はこういう失敗が多いように感じます。
旧国電の新名称として発表された「E電」しかり、元都知事の石原さんに大江戸線に改名されてしまった「ゆめもぐら」しかり。

 

気の利いた名前にしようという思いが先走ると、利用者の感覚から乖離してしまうので要注意です。

利用者にとって親しみの持てる名前にする、利用者が共感を持てる名前にするというのはネーミングの鉄則なのです。

ネーミングのコツ②:意味内容が分かり易い名前にする

「高輪ゲートウェイ駅」の2つ目の失敗は、名前の意味内容が分かり難いことです。

「ゲートウェイ」という言葉が分かり難いのです。

JR東日本の発表を見ると「人々をつなぐ結節点」という意味合いで使っているようです。
しかし、日本人にはこの言葉は馴染みがありません。

ネットワーク用語の「ゲートウェイ」を想像する人や、昔、日本に拠点があった牛のマークのパソコンメーカー「日本ゲートウェイ」を想像する人もいます。

JR東日本としては「交流の拠点」といった意味合いを出したかったのでしょうが、利用者の想像はそこまで及ばないということです。

 

名前は字面と意味内容が相まって、その名前が浸透していきます。
名前はその意味しているところが容易に理解できるように名付けるというのが鉄則です。

ネーミングにおいて、「分かり易さ」は必須なのです。

ネーミングのコツ③:名前はできる限り短くする

「高輪ゲートウェイ駅」の3つ目の失敗は、名前が長いことです。

名前が長いと覚えづらく、その名前が浸透し難くなります。

長いと言葉にして発音するのも面倒ですよね。
利用者は、「高輪」とか「ゲートウェイ」という形で省略して使うのではないでしょうか?

そうすると、「高輪ゲートウェイ」という名称は使われない。
使われなければ、その名前は覚えてもらえず、浸透しません。

名前はできる限り短くする。

これがネーミングでは大事なのです。

まとめ

JR新駅、しかも山手線というビッグプロジェクトでは、様々な思惑が絡むので一筋縄でいかないのはわかります。

しかし、「駅名は誰のものか?」というのを頭に入れておいた方がよさそうですよ、JR東日本さん(笑)

今回挙げたネーミングのポイントは、

利用者の共感を得られる名前にする
意味内容が分かり易い名前にする
名前はできる限り短くする

の3点でした。

これを参考に良い名前を考えてみてください!

「アゴラ」、「グノシー」、「NewsPicks」にインタビュー記事が掲載されました!

この記事に関し、コラムニストの尾藤克之様(@k_bito)から取材を受けました。

尾藤様の執筆記事は言論プラットフォーム「アゴラ」に掲載され、人気記事No.1にランキングされました。
また、ニュースアプリ「グノシー」、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」にも転載されています。

尾藤様、ありがとうございました。

 

「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件(アゴラ)

「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件(グノシー)

「高輪ゲートウェイ駅」のネーミングがひどすぎる件(NewsPicks)

ネーミング|オススメの記事

ネーミングに関するオススメの記事はこちら!

 

【総まとめ】センスの良い商品名を作るネーミングのコツ
「ネーミングって難しい…。」 そんな風に思っていませんか? 実はネーミングにもコツのようなものがあるんです。 今回はそのコツを6つ紹介します。 ① 音を意識する/② 有名な言葉をなぞる/③ 意外性を出す/④ その商品を使っているシーンをイメージさせる/⑤ ターゲットを絞り込む/⑥ ライバルと差別化する
事例・靴下「まるでこたつソックス」から学ぶネーミングのコツ|売上を17倍にしたネーミングの秘訣とは?
事例・靴下「まるでこたつソックス」から学ぶネーミングのコツ|売上を17倍にしたネーミングの秘訣とは? 寒い冬を乗り切るための必需品・防寒グッズ。 中でも、冷え性に悩む人の絶大なる支持を受けているのが「まるでこたつソックス」です。 参考:「まるでこたつソックス」が、ネーミングを裏切らない想像以上の暖...
事例・白イチゴ「ゆきおとめ」「ホワイトプリンセス」「ミルキーベリー」から学ぶネーミングのコツ|商品の特徴・独自性を入れ込む
事例・白イチゴ「ゆきおとめ」「ホワイトプリンセス」「ミルキーベリー」から学ぶネーミングのコツ|商品の特徴・独自性を入れ込む 先日(2019.1/17)、栃木県が自ら開発した白イチゴの品種について特許庁に商標登録を求めていることがニュースとなりました。 白イチゴ、3種類の商標登録出願 栃木県開発の新品種|毎日新聞...
事例・カルビー「えだまりこ」から学ぶネーミングのコツ|覚えやすさ×インパクト
事例・カルビー「えだまりこ」から学ぶネーミングのコツ|覚えやすさ×インパクト 「えだまりこ」はカルビーが製造販売する豆系スナック菓子です(*1)。 枝豆を原料とする、一口サイズのスティック型スナックです。 じゃがいもを原料とする「じゃがりこ」、とうもろこしを原料とする「とうもりこ」と並ぶ「りこ」シリーズの...

 

タイトルとURLをコピーしました