事例「キリンファイア ワンデイブラック」から学ぶネーミングのコツ|暗示・示唆する言葉に置き換えて独自性を出す

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)所長、弁理士の山田龍也(@ta2_ymd)です。

はじめに

商品名やサービス名、お店の名前や会社の名前。
実際の事例からネーミングのコツを探ってみようという不定期連載企画「事例から学ぶネーミングのコツ」。

今回の事例は、キリンビバレッジから発売された、「ちびだら飲み」用のペットボトルコーヒー「キリンファイア ワンデイブラック」です!

事例「キリンファイア ワンデイブラック」から学ぶネーミングのコツ|暗示・示唆する言葉に置き換えて独自性を出す

本日(2019.4.2)、キリンビバレッジから大容量ペットボトルコーヒー「キリンファイア ワンデイブラック」が新発売されました。

最近、「ちびだら飲み」という言葉が流行っています。
デスクワーカーが机に缶コーヒーを置き、ちびちびダラダラと飲むスタイルのことです。

「キリンファイア ワンデイブラック」は、この「ちびだら飲み」用に開発された缶コーヒーです。

長時間、飲み続けられるように、大容量(600mL)としています。
また、ずっと飲んでいても飽きがこない、冷めても美味しい等、「ちびだら飲み」に適した味に調製されています。

 

今日は、この「キリンファイア ワンデイブラック」について、ネーミングのポイントを押さえながら解説していきます。

(1)流行りの言葉「ちびだら飲み」をそのまま入れない

第1のポイントは、流行りの言葉「ちびだら飲み」をそのまま入れなかった点です。

流行りの言葉をそのまま入れてしまうと、他社と似たり寄ったりの商品名になりがちだからです。

 

今、「ちびだら飲み」という言葉が流行っているわけですよね?
そうすると、商品名にもその言葉を入れたくなるのが人情です。

でも、それだとネーミングとしては全くひねりがありません。
安直な感じを与えます。

また、他社も同じような発想でネーミングをしてくると、商品名が似たり寄ったりになります。
商品名で差別化することができなくなるわけです。

商品名に流行りの言葉をそのまま入れない。
これがネーミングのポイントなのです。

(2)暗示・示唆する言葉に置き換えて独自性を出す

第2のポイントは、流行りの言葉を、それを暗示・示唆する言葉に置き換えて独自性を出した点です。

流行りの言葉を直接表現していないため、他社の商品名とかぶりにくくなるからです。

 

「ちびだら飲み」をそのまま入れない方がいい。
でも、「ちびだら飲み」する人にそれ用のコーヒーであることをアピールしたい。

こういうときにはどうするか?

一つの方法として、「ちびだら飲み」という言葉を、それを暗示・示唆する言葉に置き換えるという方法があります。

 

この商品では「ワンデイ」という言葉を使っています。

「ワンデイ(1day)」というと、使い捨てコンタクトレンズ「ワンデー アキュビュー」のように「1日限定」という意味で使われることもあります。
でも、ここでは、「ちびちびダラダラ」という時間の長さを「ワンデイ(1day)」と表現したわけです。

このように、流行りの言葉を別の言葉で置き換えることで、流行りの言葉にそのまま乗っかった商品名とは差別化することができるのです。

(3)商品やパッケージの世界観とイメージを合わせる

第3のポイントは、商品やパッケージの世界観とイメージを合わせている点です。

商品やパッケージと、商品名との間に一体感がないと、商品の世界観が損なわれるからです。

 

この商品のボトルはオフィスのデスクに置いたときにも見栄えがするように、シルバーをベースにしたスタイリッシュなデザインを採用しています。
キャップもラベルも落ち着いたブラックとゴールドの配色にしています。
だから、そのラベルに表示される商品名も同じようにスタイリッシュな方がいいわけです。

「ちびだら」のようなひらがなで俗っぽい言葉よりも、「ONEDAY」のようにアルファベット表記されたスタンダードな言葉の方が、このボトルデザインには合っています。

 

商品名はそれ単独で存在するものではありません。

商品の中身、商品パッケージ、売り場の雰囲気…。
これらの要素とガッチリ噛み合って初めて商品の世界観が形成されます。

商品名だけ色合いが違ってしまうと、商品の世界観が台無しになってしまうので要注意です。

 

このように、商品やパッケージの世界観とイメージを合わせた商品名とすることで、商品のイメージがグッと良くなるのです。

まとめ

今回の「キリンファイア ワンデイブラック」のネーミングのポイントは、

(1)流行りの言葉「ちびだら飲み」をそのまま入れない
(2)暗示・示唆する言葉に置き換えて独自性を出す
(3)商品やパッケージの世界観とイメージを合わせる

でした。

商品名は同種の商品と一緒に並べられた時に、間違いなく手に取ってもらえる独自性・特徴があった方が良いです。
自分目線でばかり考えるのではなく、商品棚に置かれたときの状況を思い浮かべながら、商品名を考えるようにしましょう!

 

今回のネタ元は以下のニュース記事です。
興味のある方はこちらもご覧くださいね。

参考:【本日発売】1日分の大容量、ちびだら飲み特化の『キリン ファイア ワンデイ ブラック』の、ぬるくて美味いに驚いた!|おためし新商品ナビ

オススメの記事

ネーミングに関する人気記事はこちら!




 

ブログランキングに参加しています!
この記事が気に入ったら、下のバナーをクリックしてください! 

にほんブログ村 士業ブログ 弁理士へ  

 

Twitterでもブランドづくりに関する情報を発信しています。
ご興味のある方はフォローしてください!

 

□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お問い合わせフォーム: https://yamadatatsuya.com/contact/
お問い合わせは、随時、受け付けています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□

いいね!やフォローでブログの更新情報が届きます!

プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。

お仕事のご相談はこちらから

特許や商標の申請業務は勿論、ブランディング、ネーミングに関するコンサルティングをお引き受けしています。