はじめに
下記の記事の中で紹介したヤマダ式「7つの差別化戦略」。
今日は、この「7つの差別化戦略」の中から「戦略④:良いとこ取りで差別化」のメリットと事例を紹介したいと思います。
「戦略④:良いとこ取りで差別化」の意義
「良いとこ取りで差別化」は、複数の商品の優れた「機能」(良いとこ)を同時に取り込むことによって、商品を差別化する戦略です。
「良いとこ取りで差別化」では、
- 複数の商品の長所(機能や効果)を併せ持つ
- 複数の問題を一挙に解決する
といった、1粒で2度おいしい商品を提供します。
「複数の問題」とは、
- 同時に解決することが一見難しそうな複数の問題
- あちらを立てればこちらが立たない二律背反の課題
等を意味します。
「複数の商品の長所(機能や効果)を併せ持つ商品」としては、
- ガソリン車の長所(パワー、航続距離等)と電気自動車の長所(燃費、環境に優しい等)を併せ持つハイブリッドカー
「複数の問題を一挙に解決する商品」としては、
- 痩せたいけど食べたい、痩せたいけど運動をしたくない、といった二律背反の課題を一挙に解決するダイエット食品(ノンカロリーで満腹感が得られる、飲むだけで脂肪を燃焼する等)
が挙げられます。
これらの商品は「良いとこ」を複数持っているために、商品の長所をイメージしやすく、ターゲットが「お得感」を感じてくれやすいというメリットがあります。
【事例4-1】「スカンツ」(ユニクロ等)
商品名「スカンツ」
キャッチフレーズ「パンツの自由さとスカートの美しさを兼ね備えた新しいボトムス」
引用元:http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/181268
最初の事例は「スカンツ」です。「スカンツ」=「スカート」+「パンツ」。一見、スカートに見えますが、実はワイドパンツです。
写真を見ると、柔らかい素材を使っていて、スカートのフェミニンなシルエットとパンツの動きやすさを併せ持っていますね。
「スカンツ」は
- 「スカート」と「パンツ」の長所を併せ持つ
- 「スカートを着たい」「でも動くと裾が気になる」という女性の悩みを解決する
ことによって差別化に成功しています。
【事例4-2】「iQOS」(フィリップモリス)
商品名「iQOS」
キャッチフレーズ 「火を使わず、灰が出ない、ニオイも少ない、革新的なテクノロジー」
引用元:https://www.iqos.jp/index.php?dispatch=landing_page.light#1
2番目の事例はフィリップモリスの「iQOS」です。「iQOS」はタバコの葉を燃やさずに加熱し、煙ではなく加熱蒸気を吸う方式の次世代タバコです。
「iQOS」は
- 火を使わない
- 煙が出ない
- 灰が出ない
- ニオイが少ない
- 有害成分を約90%カット
という電子タバコの長所を持ちながら、従来の電子タバコにはなかった、
- タバコ本来の味わい
を実現することで、差別化に成功した商品です。
まとめ
「良いとこ取りで差別化」は
- 複数の商品の長所を併せ持っている
- あちらを立てればこちらが立たない二律背反の課題を解決している
という点に特徴があり、商品の長所がわかりやすく、ターゲットが「お得感」を感じやすいというメリットがあります。