名刺管理アプリ「Eight」の危険性。クラウドにUPした情報が反映されない!

今回は、名刺管理アプリ「Eight」の危険性について説明します。

名刺管理アプリ「Eight」。

松重豊さんのCM「それさぁ、早く言ってよーん」でお馴染みのSansanが提供する名刺アプリです。

  • 名刺の写真データを送ると、名刺情報を手入力でテキストデータにしてくれる
  • 「Eightスキャン」というソフトを使えば、スキャナーと連動して多数の名刺情報を一気に読み込むことができる
  • 「Eight」を使うと、沢山の名刺情報にスマホやPCからアクセスできる

という、便利グッズです。かくいうヤマダも「Eight」ユーザーです。

以前、「Eight」に可能性を感じて、こんな記事を書いたこともありました。

が、しかし…。

最近、「Eight」の使いづらさを感じています。

ヤマダ的には、「これって、名刺情報のペーパレス化、クラウド管理という意味では致命的じゃないの?」とすら思っています。
これを知らないで使っている人も多いんじゃないかなぁと思い、情報共有のため記事に起こしました。

「Eight」の仕様をきちんとわかって使わないと痛い目にあいますよ!

以下、「Eight」を使う際に注意した方が良いポイントを3点挙げます。

目次

①「Eight」で表示される名刺情報は自分がUPした名刺情報とは限らない

まず、気をつけて欲しいのは、「Eight」で表示される名刺情報は自分がUPした名刺情報とは異なる場合があるという点です。

「Eight」はOCR(光学的文字認識)ではなく、手入力で名刺情報をテキスト化しています。だから、名刺情報の誤読が少なく、信頼性が高いわけです。

しかし、最近では、Sansanが名刺情報を実際に手入力することは少なくなってきたはずです。Sansanの手元には既に莫大な量の名刺情報のデータが蓄積されているからです。いちいち、手入力しなくてもそれを流用すれば足りますよね。

即ち、「Eight」で表示される名刺情報は、自分が「Eight」にUPした名刺情報そのものではなく、Sansanの手元にある名刺情報が使われていることの方が多いのです。

②「Eight」はどの名刺情報が新しいかを判断していない

ここまで言っても、まだ問題点がよくわからない人も多いと思います。具体的に説明します。
「Eight」の問題点は、どの名刺情報が新しいかを判断していないことです。「Eight」に同一人物の名刺情報が複数件、UPされるケースがあります。

例えば、こんなケース。

  1. 「Eight」ユーザーであるAさんは課長時代の名刺を自ら「Eight」に登録していた
  2. Aさんは部長に昇進し、新しい名刺を作った。でも、Aさんは「Eight」の名刺情報を更新しなかった
  3. その後、Aさんは新しい名刺をBさんに渡した
  4. Bさんも「Eight」ユーザーだったため、Aさんの新しい名刺を写真に撮り、「Eight」にUPした

この場合に、Sansanの手元にある名刺情報はAさんが課長のときの古いデータです。そこに、Bさんが写真に撮った、Aさんの新しい名刺の情報が上がってくるわけです。

この場合、「Eight」がどういう処理をするかというと、Bさんが写真でUPした新しい名刺の情報は登録せず、Aさんが課長のときの古い名刺の情報を「Eight」上に表示します。
せっかくBさんが新しくデータをUPしているのにそのデータは使われず、古いデータがそのまま残っているという仕様なのです。

おそらく、他人であるBさんがUPした新しい情報よりも、本人であるAさんが登録した情報を信頼しているということなんでしょうね。

③「Eight」をペーパレス化目的で使うと、最新の名刺情報を失う危険性がある

このように、「Eight」では自分がUPした名刺データがそのまま登録されるわけではありません。単純にUPしたデータを登録してくれればいいのに、そうはなっていないわけです。

ヤマダは「Eight」で名刺情報をデジタル化し、クラウド上にデータを保存することで紙の名刺は廃棄する、ペーパレス化を図るということを考えていました。しかし、自分の手元の名刺と「Eight」上のデータが違っているケースがある。

これって、名刺情報のペーパレス化、クラウド管理という意味では致命的じゃないですか?
結局、名刺の原本をファイルしておくか、自分でテキストデータを書き換えないといけない。これは非常に面倒です。

相手の方が「Eight」のユーザーで、マメに名刺情報を更新してくれていれば、こういう問題は生じません。でも、「Eight」のヘビーユーザーでない限り、名刺が変わるたびにきちんと更新をするかというと、そこまではしませんよね?

かと言って、こちらから更新を催促するっていうもねぇ…(苦笑)
そうすると、本人が登録した古いデータがずーっと残っているということになるわけです。

この点につき、ヤマダはEightのサポートデスクに何度か以下のような問い合わせをしています。

相手がeightユーザーで情報を更新していない場合。

スキャンした名刺情報より、相手が登録している古い情報に上書きされる。
これでは電子化している意味がない。
名刺を捨てたら新しい情報にアクセスできなくなってしまう。致命的。

少なくとも名刺の重複登録を可能にするべき。
以前もこれは指摘したはずだが、まだ改善されていないのか?

Eightのサポートデスクの回答は以下の通りでした。

名刺アプリ Eightサポートデスクです。
お問い合わせいただきありがとうございます。

恐れ入りますが、つながり機能についての明確な対応時期はお答えいたしかねます。
何卒ご了承ください。

不具合の対応や既存機能の改善など対応したい箇所が多くございますので、すぐ対応をお約束することはできませんが、ご理解いただければ幸いです。
ユーザー様よりいただいた貴重なご意見を引き続き社内で検討し、今後のサービス改善に活かしてまいります。

ご不便をおかけし大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

まぁ、改善する気はサラサラないということですね(苦笑)

「Eight」の危険性についてのまとめ

ということで、ヤマダは以下の対策を立てることにしました

  • 「Eight」では名刺情報をUPしたときは、名刺情報がそのまま反映されているかチェックする
  • 名刺情報が反映されない場合は「Eight」の名刺情報を書き換えるか、名刺の原本を保管する
  • 「Eight」に代替可能な名刺管理ツールを探す

「Eight」は便利で良いツールだと思うのですが、ヤマダの利用目的には合っていないようです。
「Eight」より使いやすい名刺管理ツールをご存知の方はヤマダまでご一報を(笑)

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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