意匠の検索方法を効率化する(その1) ~テキスト検索の弱点~

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。

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はじめに

最近、とある商品のデザインに関して意匠登録をしたいというご依頼があって、既に登録されている意匠を検索しました。

検索をしていて思うのは「検索の方法によって随分と手間暇が変わるもんだな」ということ。

今日は、手始めに、Google検索でもおなじみの検索方法「テキスト検索」についてお話しをします。 

J-PlatPatは意匠検索もできる

このブログでも度々登場している「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」。「特許情報…」とありますが、実は意匠の検索もできるんです。

(バナーをクリックすると、J-PlatPatのページに飛べます)

テキスト検索は検索漏れもノイズも多い

J-PlatPatではGoogle検索のようなテキスト検索もできます。でも、テキスト検索は検索漏れもノイズも多いんですよね。

ちょっと検証してみましょう。

自分が意匠登録をしたいと思っている物品「はさみ」について、今までにどんな意匠が登録されているか見たい、というケースを想定します。

テキスト検索をする場合、J-PlatPatのヘッダーメニューから「意匠」タブを選択し、ドロップダウンメニューから「2.意匠公報テキスト検索」を選択します。

(引用元:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

次に、「キーワード」の「検索項目」で、ドロップダウンメニューから「意匠に係る物品」を選択します。

(引用元:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/ishou/iskt/ISKT_GM201_Top.action

そして、「検索キーワード」に「はさみ」と打ち込みます。「検索」ボタンをクリックすると、ヒット件数は694件となりました。

しかし、これでは検索漏れがあって、不十分なんですね。

試しに、「検索キーワード」として「はさみ ハサミ 鋏」を打ち込んで、「検索」ボタンをクリックすると、ヒット件数は919件になりました。

「はさみ」694件の他に、「ハサミ」が62件、「鋏」が163件ある。
これらを合計すると919件になるわけです。

しかも、919件の中身を見てみると、

● 「太枝切り鋏」、「爪切りハサミ」、「調理用はさみ」、「理美容はさみ」等の、ありとあらゆる「はさみ」が含まれている
● 「衣服用はさみ止め具」、「事務用はさみ具」等の「はさみ」ではない物品も含まれている

という検索結果になっています。

自分が調べたい「はさみ」は「調理用のはさみ」等の特定の「はさみ」のはずです。そうすると、これではあまりにノイズが多い。検索でヒットした公報を全部見ていくのは、あまり効率的とは言えません。

テキスト検索は文字を頼りに検索するために、

● 検索窓に打ち込んだ文字以外の文字は検索対象にならない(検索漏れの原因)
● 検索窓に打ち込んだ文字を含む物品を全て拾ってきてしまう(ノイズが多くなる原因)

という弱点があるのです。

次回はテキスト検索の弱点を補強するためのツール「意匠の分類」についてお伝えします。

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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