クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。
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はじめに
ビジネスをしていく上で避けられないのが契約書のチェック。
でも、契約書って言葉が難しいし、読みにくいですよね。「弁護士さんに任せているから大丈夫!」と無理やり自分を納得させようとしていませんか(笑)
今日は弁護士さんから教わった、契約書を読むポイントについてお伝えします。
契約書が読めないのは、読むべきポイントが絞れていないから
「これだけは知っておきたい!! 契約書の読み方・作成方法」というセミナーを受けてきました。弁護士さんに契約書の読み方を教えてもらえるセミナーです。
このセミナーを聞いていて感じたのは、契約書が読めないのは、読むべきポイントが絞れていないからだということです。
ポイントが絞れていないから、契約書が「難しい言葉の羅列」「文字の塊」になってしまって、内容が頭に入ってこないんですよね。予め「『ここ』と『ここ』だけはチェックしよう!」と決めておくだけで、契約書をチェックするときの精神的な負担は大分軽くなると思いますよ。
契約上、大事なのに忘れてしまいがちな3つのこと
細かいことを言おうとすれば沢山あります。でも、その中で、ヤマダが大事だと思ったポイントを3つだけお伝えします。
(1)契約が平等なものとは限らない
完全に対等な立場の相手とばかり契約するわけではありません。
契約書に「甲は」と書いてあるということは「甲及び乙は」ではないんです。約束に縛られているのは甲さんだけ。乙さんは高みの見物です。
(2)契約の期間中は原則として契約を解約することはできない
契約期間中に不測の事態が起こったり、相手とトラブルが起きたりすることもあり得ます。たとえ自分にとって都合の悪いことが起こっても、一方的に契約を解約することは困難です。
(3)たとえ契約を破られても損害の賠償を請求するのは難しい
実際に相手に契約を破られてしまったら、損害賠償を請求したいと思うこともあるでしょう。
でも、損害賠償金を勝ち取るためには、様々なことを立証する必要があります。受けた損害の額、自分が受けた損害と相手が契約を破ったこととの因果関係などを立証するのは、意外にハードルが高いものです。
「こんなの当たり前じゃない!」と思った人もいるかもしれません。でも、「契約書を読む時にこれらの項目をきちんとチェックしていますか?」と聞かれたら、下を向いてしまう人も少なからずいるはずです。
契約書のチェックポイント。ここだけは見てみよう!
契約書のチェックポイントを3つだけ挙げます。これで十分というわけではありませんが、「まずはここから」という大事なチェックポイントです。
(1)契約書の文章の主語
契約が平等なものとは限りません。約束を守らなければいけないのは誰なのかをチェックしましょう。
具体的には、契約書の文章の主語をチェックしてください。
「甲は」、「甲及び乙は」「甲又は乙は」…。
主語が変わると、契約の意味内容も変わってきます。自分だけが一方的に約束を守らされる契約になっていませんか? また、契約書にはたくさんの文章があります。それぞれの文章の主語が違うケースも考えられます。主語については念入りにチェックしましょう。
(2)中途解約の条項が付いているか
契約期間中は自分に不都合なことが起こっても一方的に契約を解約することは困難です。中途解約の条項が付いているかチェックしましょう。
「甲又は乙は、本契約の有効期間中であっても、相手方に対して3箇月前までに書面をもって通知することにより、本契約を解約することができる」
といった文章ですね。こういう文章がなければ、契約期間中は契約を解約することはできないのだ、という理解が必要です。
(3)違約金を定めているか
損害賠償金を勝ち取るのは意外に難しいものです。違約金の条項が入っているかチェックしましょう。
契約で違約金を定めていれば損害額の立証が不要となり、金銭の回収がスムーズに進みます。相手に約束を破られた時のことも考えた契約になっているかどうかをチェックしましょう。
おわりに
先日、ヤマダもお客様の契約書をチェックさせてもらいました。ということで、「契約」は最近の関心事なのです。このセミナーを聴いて、ちょっとアンテナを立てるだけで、契約書の見え方はかなり変わってくるもんだなと思いました。
全てをチェックすることはできなくても、
● 契約書をチェックするストレスが減る
● 契約書の文章を見て「これはどういう意味だ?」と疑問を感じる
というだけでも、随分違いますよ。疑問が出てきたら、弁護士さんに確認すればいいんですから。
まずは契約書というものに対するアンテナの感度を上げること。そこから始めてみてくださいね!
セミナーの情報
私が受けたセミナーの情報です。
「これだけは知っておきたい!! 契約書の読み方・作成方法」
講師:山越総合法律事務所 山越真人弁護士