クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。
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はじめに
最近、コンビニやスーパーでも手軽に美味しいスイーツを買えるようになりました。スイーツ好きのヤマダとしては嬉しい限りです。実はこういうスイーツにも特許があるんです。
今日は、雪印メグミルクのカップデザート「重ねドルチェ」シリーズの製法特許を紹介します!
雪印メグミルク「重ねドルチェ」シリーズとは?
雪印メグミルクのカップデザート「重ねドルチェ」シリーズ。味、色、食感の異なる4つの層が重なり合ったカップスイーツです。
チーズを使ったフロマージュスイーツで、ひとさじで4つの味が楽しめます。彩りも綺麗ですね。このちょっとした贅沢感が「ご褒美スイーツ」として女性の間で人気になっています。
4つの層を作るためのキモは独自の特許製法
でも、この4つの層を綺麗に重ねていくのにはかなりの製造テクニックが必要です。層を重ねる時に静かに重ねないと上下の層が混ざってしまい、綺麗な層を作ることができないのです。これではスピーディーに大量生産することができません。
そこで、雪印メグミルクは「重ねドルチェ」について独自の製法を編み出し、特許を取得しています。「多層食品及びその製造方法(特許第4022558号)」という特許です(*1)。
特許公報を確認してみると、特許請求の範囲には以下のような発明が記載されています。
【請求項1】
下層部となるゲル化性溶液や流動食品を充填後、上層部となるゲル化性溶液や流動食品を脈流させながら多孔ノズル又は複数のノズルを用いて容器に積層することを特徴とする多層食品の製造方法。
非常にシンプルな発明です。この記載内容を分解すると、
(1)まず、下の層を作る材料を(容器に)充填する
(2)その後、上の層を作る材料を容器に(充填して)積み重ねる
(3)上の層の材料を充填するための器具としては、多数の孔が空いたノズル(多孔ノズル)を使うか、単一の孔が空いたノズルを複数個使う
(4)上の層を作る材料を周期的に量を変動(=脈流)させながら容器に充填する
となります。
(1)、(2)は当たり前のことを言っているにすぎません。(3)のノズルに関する事項も製法上、珍しいことではないように見えます。
そうすると、発明のポイントは(4)と考えればよさそうです。上の層の材料を充填する時に、むにゅーっと一気に充填するのではなく、むにゅっ、むにゅっ、むにゅっと間欠的に充填すると綺麗に層が分かれたスイーツを作ることができるわけです。ちょっとしたところに製造のポイントがあるんですね。
まとめ
以上紹介したように、特許はメカニックなものだけではなく、スイーツのような食品にも認められるということです。
製造技術が進歩すれば、より美味しく、見た目も美しいスイーツを楽しめるようになりますね!
おまけ
近所のスーパーを覗いたら、「重ねドルチェ」の「マンゴーとオレンジのレアチーズ」と「抹茶のティラミス」を発見したので買ってきました。
「マンゴーとオレンジのレアチーズ」の試食リポート。
クリームやフルーツソースのとろっとした層と、フロマージュのぷるんとした層の食感の違いが楽しめます。綺麗に層は分かれていましたよ。また、クリームの甘み、フルーツの酸味、ヨーグルトの酸味、チーズの風味という味の変化を楽しめます。100円ちょっとでこのクオリティ。いい世の中になりました(笑)
9月12日(火)に新商品「重ねドルチェ 桃とあんずのレアチーズ」が販売開始、9月26日(火)からはリニューアルされた「重ねドルチェ ティラミス」が登場する予定です。そちらも、ぜひ食べてみたいですね!