商品開発のヒント|ちくわを使った栄養補助食品・一正蒲鉾「スポちく」

目次

商品開発のヒント|はじめに

今日の事例は、一正蒲鉾の栄養補助食品「スポちく」です。

「スポちく」は、ちくわで作った栄養補助食品です。
「スポーツ×ちくわ」で「スポちく」。

「スポちく」は高タンパク・低脂肪のちくわに、BCAA(分岐鎖アミノ酸)やビタミンを配合した栄養補助食品です。

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この「スポちく」の商品企画の参考にすべき点をピックアップしていきます。

商品開発のヒント①|自分の強みを活かして独自の商品を作る

参考にすべき点の1つ目は、自分の強みを活かして独自の商品を作った点です。

何も知らないところから商品を作るより、自分の強みを活かした方が商品をスピーディーに開発できるからです。

一正蒲鉾は文字通り、かまぼこ屋さんです。
主力商品は、かまぼこ、はんぺん、なると、さつま揚げ等の魚肉の練り物。
当然、ちくわも含まれています。

長い間、自分たちが扱ってきた商品。
高タンパク・低脂肪の食材であるちくわ。
そんな自分たちの強みを活かして新商品を開発したわけです。

新商品というと、「一から新しいものを作り出さないと!」と思ってしまいます。
でも、必ずしもそうではありません。

特に、一正蒲鉾は栄養補助食品の分野に新規参入したわけですよね?
栄養補助食品をずっと手がけてきた会社に、栄養補助食品に関するノウハウでは勝てないんですよ。
そうすると、栄養補助食品に関するノウハウを凌駕するような強みが必要になってきます。
一正蒲鉾はそれを練り物、中でもちくわに見出したわけです。

栄養補助食品と言うと、錠剤か、ドリンクか、ゼリーか、プロテインバーか。
そんなところですよね?
ちくわタイプなんてないじゃないですか(笑)
すごく斬新な、独自の商品ができたわけです。

新商品を企画するときには、まず自分たちの強みを活かすには…というところから考えてみると良いですね。

商品開発のヒント②|ターゲットをずらして新たな用途を探す

参考にすべき点の2つ目は、ターゲットをずらして新たな用途を探した点です。

ターゲットが違えば求められる商品(用途)も違うため、新商品のヒントを見つけられる可能性が高いからです。

一正蒲鉾の本業はかまぼこ屋さんです。
かまぼことか練り物という頭で新商品を開発しようとすると、その周りのものしかイメージできない。
それだと、なかなか斬新な新商品は思い浮かばないわけです。

そういうときには、その商品のターゲット(見込客)をずらすという方法を試してみてください。

かまぼこ等の練り物は、ご飯のお供か、お酒のつまみか。
そんな感じですよね。
これを食べる人(ターゲット)を想像してみると、食卓を囲んでいる家族とか、晩酌をしているお父さんとかですかね。

そこをずらす。

「スポちく」の場合は、若者、特にスポーツを楽しんでいる人をターゲットにしています。
全く異なるターゲットを設定することで、食品という用途を飛び出して、栄養補助食品という用途が出てくるわけです。

商品開発のヒント③|時代を取り込み、商品を再生する

参考にすべき点の3つ目は、時代を取り込み、商品を再生した点です。

時代の要請を取り込むことで、商品の新たな魅力が引き出されるケースがあるからです。

ちくわは昔からある商品です。
どちらかというと古い商品。
ちょっと野暮ったい。

それを今風にしたらどうなるかを考えてみるわけです。

今は健康ブームです。
スポーツを楽しむ人が増えています。
そういう人たちに、ちくわを食べさせるには?と考えてみる。

そうすると、

マラソンをする人は栄養補給のために途中でバナナを頬張ったりするじゃん。
あんな感じにできないかな?

とか、

長いちくわじゃダメだね。
手で掴んで食べやすいように短いちくわにしよう。

とか、

5本の袋入りじゃ持ちにくいから、個包装の方がいいんじゃない?

とか、

シリアルバーみたなスタイリッシュなパッケージにしたら若者も買ってくれるかもしれないよ。

とかね。

発想が広がるわけですよ。

そうすると、古臭いイメージのちくわが時代の流れを取り込んで再生される。
全く新しい商品に生まれ変わるんです。

商品開発のヒント|まとめ

「スポちく」の商品企画の参考にすべき点は、

  1. 自分の強みを活かして独自の商品を作る
  2. ターゲットをずらして新たな用途を探す
  3. 時代を取り込み、商品を再生する

でした。

新商品と言っても、全く新しいものを作るとなると結構大変です。
まずは自分の手持ちの商材をとことん活かす。
そこから考えてみましょう!

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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