事例から学ぶキャッチコピーの作り方| RoLAND「俺か、俺以外か。」

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)の代表弁理士・山田龍也(@sweetsbenrishi)です。

この記事は、「キャッチコピー」のカテゴリーに属する記事です。

キャッチコピー(キャッチフレーズ、タグライン)は、お店や商品・サービスを宣伝するための短い文章です。
インパクトのあるキャッチコピーは、見込客を惹き付け、集客や収益UPに貢献してくれます。

今日はRoLANDの「俺か、俺以外か。」からキャッチコピーの作り方を学んでみましょう!

目次

キャッチコピーの好例:RoLAND(ローランド)の「俺か、俺以外か。」

今回の事例は、「現代ホスト界の帝王」とも称されるRoLAND(ローランド)の「俺か、俺以外か。」です。

正確には、「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か。」ですね。

彼の代名詞とも言えるこの言葉。
キャッチコピーとして見ても、非常に良くできています。

では、「俺か、俺以外か。」から真似ぶべきポイントを紹介していきます。

先にキーワードを挙げておきましょう。以下の3つです。

● 商品やサービスの「売り」を端的に示す
● コピーを裏付けるエビデンス(根拠)を用意する
● 商品やサービスの世界観を見せる
では、それぞれのポイントについて解説していきます。

【キャッチコピーの作り方①】商品やサービスの「売り」を端的に示す

キャッチコピーは商品やサービスを選んでもらうための言葉です。

だから、キャッチコピーには商品やサービスの「売り」を端的に示さないといけません
何故、この商品・このサービスを買うべきなのかが言語化されている必要があるんです。

RoLandの職業はホスト(現在は起業家)。
ということは、商品は自分自身、競合は他の男性ホストですね。

その条件の下で、「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か。」と言っています。

とあるインタビュー記事では、

「やっぱローランドさんって1番ですよね」って言われるんですよ。でも1番っていうことは2番がいるよね、それは嫌なんです。

とも言っています。

容姿の面でも接客スキルでも、比べるホストなんていない、別格の存在であること

これが、RoLandの「売り」であり、それを端的に示したのが「俺か、俺以外か。」なのです。

【キャッチコピーの作り方②】コピーを裏付けるエビデンス(根拠)を用意する

商品やサービスの「売り」は見込客から見た商品やサービスの魅力です。
自分が主観的に魅力だと思っているだけでは不十分で、見込客が「なるほど!」と思える客観性が必要です。

言葉の裏側に、コピーを裏付けるエビデンス(根拠)を用意しておくことで説得力のあるキャッチコピーになるわけです。

RoLANDのことを調べてみると、

● 月額最高売上が4200万円(2017年)
● 年間売上が1億7000万円超え(2017年)
● 一晩での最高売上が5500万円(2018年)

といった数字がゴロゴロ出てきます。

こういうエビデンス(根拠)を持っているRoLANDだから、「俺か、俺以外か。」という言葉がハマるわけです。

一方、巷のキャッチコピーを見てみると、エビデンス(根拠)が見えないものも多いです。

例えば、

●「業界No.1」と書いてあるのに、「その業界はどこを指すのか?」、「どんな指標でNo.1なのか?(売上?利益?出荷数?)」が分からない
●「特許成分配合」と書いてあるのに、「発明の内容」も「特許番号」も書いてない

このようにエビデンス(根拠)が見えないと、せっかく「売り」を書いてもそれが効いてきません。
胡散臭く、怪しげな感じになり、却って見込客の信用を失ってしまいます。

キャッチフレーズ自体に根拠を織り込む必要はありません。
見た人が調べた時に分かるようにしておくことが大事なんです。

余談ですが、たまに「国際特許取得」という広告文を見かけます。
でも、「国際特許」なんて特許はありませんからね(苦笑)

こういう用語の間違いも見込客の信頼を失うきっかけになるので気をつけましょう。

【キャッチコピーの作り方③】商品やサービスの世界観を見せる

コピーを裏付けるエビデンス(根拠)を用意することが大事、という話をしました。
その一方で、実績や評価、性能ばかりをアピールすると、ただの自慢話になって共感が生まれません。

アピールすべきものは商品やサービスの世界観です。

その商品やサービスを手に入れたら体験することができる世界。
お客様はそれを手に入れるためにお金を払うわけです。

「俺か、俺以外か。」

字面だけ見ると、上から目線で不遜な感じがします。
中途半端なホストがこのセリフを吐いたら、「何だこいつ?!」となりかねません。

でも、RoLANDが言うと、イヤな感じがしないんですよね。
ソフトで、スマートで、楽しげで。
どこか心の余裕を感じさせます。

RoLANDの提供するもの。
それはお酒でもサービスでもなく、「圧倒的な存在である俺と過ごせる楽しい時間」。

この世界観を、RoLandは「俺か、俺以外か。」という言葉で表現しているわけです。

これに対し、巷のキャッチコピーは商品の機能や性能をアピールするものばかりです。
見込客が求める世界観を表現することができていません。

例えば、食器洗浄機、自動調理鍋、乾燥機付き洗濯機などの時短家電。
これを売りたい時に、機能や性能ばかりをアピールしていませんか?

見込客は忙しいワーママたちです。
彼女たちが家事から開放されて、ちょっとした時間的のゆとりを持てる。
自分の時間を過ごせる。

そんな世界観を見せてあげた方が商品を買ってもらえる確率がぐっと上がるはずですよ!

【キャッチコピーの作り方】まとめ

今日は、RoLANDの「俺か、俺以外か。」を題材に、キャッチコピーの作り方について考えてみました。

ポイントを復習すると、

● 商品やサービスの「売り」を端的に示す
● コピーを裏付けるエビデンス(根拠)を用意する
● 商品やサービスの世界観を見せる

の3つです。

特に、3番目の「商品やサービスの世界観を見せる」が大事です。
商品の機能や性能をアピールする古いタイプのキャッチフレーズからは一刻も早く卒業しましょう!

参考情報「俺か、俺以外か。 ローランドという生き方」

RoLANDは、「俺か、俺以外か。ローランドという生き方」という本を出しています。
RoLANDは、セルフブランディングについてもかなり戦略的に取り組んでいます。

企業ブランディングに取り組む際も参考になると思いますよ!

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方 

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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