鈴木進介さん著「能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術」を読んで ~成果を上げる秘訣は情報の仕分け!~

目次

情報化時代には情報の「仕分け」が大事

今は情報化時代です。
ネットには、ありとあらゆる情報があふれています。
放っておいても、どんどん情報が集まってきます。

それでも人は更に情報を集めようとします。
間違いなく事を進めるために。
自分の不安を解消するために。

その結果、多すぎる情報の重みで身動きが取れなくなり、情報の海に沈んでいくのです。

この本は、情報の「仕分け」について紹介している本です。

● あれもこれもと気ばかり焦って、結局、何もできていない人
● 多すぎる選択肢に振り回されて、物事をなかなか決められない人
● 優先順位を決めたはずなのに、自分が何をやるべきか分からなくなってしまう人

に、おススメです。

「仕分け」とは

この本に言う「仕分け」は、情報を分類して並べ直すことではありません。

膨大な量の情報を「本質部分」と「本質以外の部分」に切り分けることです。

● 本来は無用なはずの「本質以外の部分」が悩みや迷い、決断の遅れの原因となっている
●「本質以外の部分」をバッサリ捨て去ることで、情報(選択肢)の数を大幅に減らすことができ、適切な選択が促され、本質部分に集中することができる

ということです。

「仕分け」のやり方

この本には様々な「仕分け」のやり方が紹介されています。
私が大事だと思った点をまとめてみます。

(1)「仕分け」の準備

①頭の中の情報を可視化する

「仕分け」は部屋の整理に似ています。

物(情報)が増えてきたら不要な物を選り分けて捨てる。
不要な物を捨てれば部屋(頭の中)がスッキリして仕事が捗る。

ということです。

ただ、一つだけ違う点は、頭の中が目で見えないという点です。
頭の中が散らかっている状態を可視化することで初めて、片付けようという気になるのです。

②手書きで書き出す

頭の中の情報は紙に書き出すことで顕在化し、可視化されます。

例えば、現在、自分が抱えている問題について、思いつく解決策を片っ端から紙に書きだしてみる。
実際にやってみるとわかりますが、集中すると手が勝手に動きます。
たくさんの解決策が書き出され、「自分はこんなことを考えていたのか!」と驚かされます。

この時、PCやスマホではなく、手書きで行うことが大事です。
PCやスマホでは入力が思考のスピードに追いつきません。

適切な道具を選ぶことで「仕分け」がし易くなる、ということです。

③情報(選択肢)を出し切る

頭の中の選択肢を出し切ってしまうことが大事です。
ここで、選択肢を出し切っておかないと、せっかく「仕分け」をしてもその後の行動に迷いが出ます。

(2)「仕分け」の手法、判断基準

「仕分け」の目的は選択肢を減らすことと、選択肢をシンプルにすること、です。

こうすることで決断がし易くなり、行動が加速されます。

①やらないことを予め決めて書き出しておく

やらないことを予め決めて書き出しておくことで、余分な選択肢が増えるのを防ぎます。

「絶対にやらないこと」でも、「今はやらないこと」でも構いません。

優先順位を決めて階層化しても、結局、全部やりたくなってしまいます。
優先順位より劣後順位。やらないことを目に見える形で切り捨てておくことが大事です。

②自分のミッションや価値観を明確化する

自分にとってのセンターピン(ボウリングのヘッドピン)はどこなのか、譲れない部分はどこなのかを明確にし、その観点から「仕分け」をすることが必要です。この本には「仕分け」の判断基準が例示されています。

●「重要なこと」と「重要でないこと」
●「変えられること」と「変えられないこと」
●「6割スタート(で十分)」と「10割スタート(が必須)」
●「自分でやること」と「他人に頼むこと」

等です。

ただ、判断基準が同じでも、その人の考え方によって判断結果は変わってきます。
ブレないミッションや価値観を持つことで、選択肢を大幅に減らすことができます。

③条件の切り分け

選択肢は条件を切り分けてシンプルにします。

選択肢が複雑だと決断することが難しくなるからです。
「和食のA店」vs「カレーのB店」よりも、「和食」vs「カレー」の方が判断が簡単です。

(3)「仕分け」の運用

①ブレイクダウンとベイビーステップ

「仕分け」で一つの選択肢を選んだら、その選択肢を実現するための行動をブレイクダウン(細分化)します。

行動を小分けにしてベイビーステップ(小さい一歩)から始めることで行動に移し易くなります。

②常に持ち歩く

「仕分け」の結果はスケジュール表などに落とし込み、常に持ち歩きます。

いつも見られるようにしておくことで、「仕分け」の結果を意識することができます。

③定期的に見直す

状況は常に変化します。

「仕分け」の結果を定期的に見直し、適宜、修正を加えていくことが大事です。

この本から学んだこと

(1)道具にもこだわる

本書では「仕分け」の道具の重要性について説明されています(本書:P.86-92)。

私のこだわりの愛用品はこちら。

ペン:ぺんてる「ENERGEL」(0.7mm)。

弁理士論文試験の相棒です。太めの水性ゲルインキペンはスラスラ書けて思考を寸断しません。
おススメです!

ノート:オキナ「プロジェクトペーパー」(A4、5mm方眼)。
「ENERGEL」との組み合わせは最高です。頭の中の「見える化」に適しています。

(2)したいこと、できること、喜ばれることの3軸で仕分けする

本書では、仕事やキャリア、スキルを

● したいこと(継続のための原動力)
● できること(自分の強み)
● 喜ばれること(顧客ニーズ)

の3軸で仕分けすることを推奨しています(本書:P.115-125参照)。

私はミッションや自分の価値観を考える時にこの方法を使っています。
3つの軸の交点に、自分が果たすべきミッションがあると考えています。

(3)自分の「ベース・ステーション」を常に持ち歩く

「ベース・ステーション」は、ルーティーンのリストや目標、スケジュール等をまとめたファイルです(本書:P.65-70参照)。
これらの情報を常に持ち歩き、目に触れさせることで意識が高まります。

私はドイツ製の2穴フラットファイル「デュラブル・ドキュメントフォルダー」を使っています。
銀座の伊東屋で見つけました。

最初は2穴のリングファイルを使っていたんですが、厚さが2cmくらいあって、かさばるんですよね。
これはかさばらないし、ちょっとおしゃれなの感じなので気に入っています。

まとめ

頭の中を「見える化」することが大事です。

目に見える状態になって初めて意識し、判断することができるようになります。
この本で学んだことを実践していると、視覚に訴えることの効果を思い知らされます。

頭の中が汚部屋になっていると、いい仕事はできません(苦笑)

今回、紹介した書籍

能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術 「頭の中」から始まる仕事革命(鈴木進介・著 青春新書インテリジェンス)

おまけ

著者の鈴木進介さんの出版記念講演会の様子がyoutubeにUPされています。

『能力以上の成果を引き出す 本物の仕分け術』 出版記念講演会(160727)

この手の動画は、さわりの部分だけ公開するのが多くないですか?
こちらの動画は1時間以上のフルバージョンなので、大サービスですね。
興味のある方はぜひご覧ください。

私も見切れて?います。
相変わらず姿勢が悪い…(笑)

参考サイト

デュラブル・ドキュメントフォルダー(ドイツ製の2穴フラットファイル)

伊東屋(銀座の文房具屋さんです)

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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