知財ニュースを弁理士が解説!(2016.09/08)

目次

はじめに

知的財産やものづくり、ブランドづくりに関するニュースの中からヤマダが独断と偏見でチョイスしたニュースをざっくり解説する「知財ニュースを弁理士が解説!」。

今回の話題は、アスタキサンチン、テニスラケット、悪意の商標出願などです!

富士フイルム、業態転換の象徴「アスタキサンチン」を護れるか

写真事業から華麗な業態転換を果たした富士フイルム。

その象徴が「アスタリフト」です。
「アスタリフト」は写真事業で培ってきた抗酸化成分「アスタキサンチン」が配合された化粧品です。

富士フイルムは化粧品通販大手のDHCが「アスタキサンチン」に関する特許を侵害しているとして東京地裁に訴えていました。
しかし、東京地裁は対象の特許が無効である(そもそも特許にするべきではなかった)として、富士フイルムの請求を棄却しました。
富士フイルムは控訴すると発表しています(*1)。
ですので、次は知財高裁で第2ラウンドが始まります。

私は大学卒業後、富士フイルムの関連会社で6年半ほど写真用薬品の合成研究をしていました。
その後、写真事業は厳しい状況になりましたが、あの華麗な業態転換で復活!
いつも気になる会社です。
この訴訟も頑張って欲しいです!

ヨネックスの新技術「ニューエアロフィンテクノロジー」

ヨネックスが「ニューエアロフィンテクノロジー」を搭載したテニスラケット『VCORE SV(Vコア エスブイ)』を発売します(*2)。

「エアロフィン」は空気の流れを良くする小さいフィンです。
これをラケットのフレームに取り付けることで、スイング時の空気抵抗を小さくし、スイングスピードを上げるという工夫です。

長岡技術科学大学との共同開発した新技術で、風洞解析実験まで行っています。
この技術については特許出願中です。
F1でも開発が進んでいるみたいですね!

ラケットも日々進化しているということです。

因みに、私もテニスフリークですが、ヨネックスのラケットを使ったことはありません。
今はHEADのRadicalというラケットを使っています(*3)。

アンディー・マレーと同じシリーズです。
今日、アンディーは錦織君に大金星を献上してくれました!(拍手)

中国でまたも悪意の商標出願

またまた、中国で悪意の商標出願がされてしまいました。

中国には商標が出願されていないのをいいことに、日本の地名を勝手に登録しようとする輩がいます。

今回は「和歌山」を出願した輩がいたようです(*4)。

先日、「弘前」も異議を申し立てていました(*5)。

商標は早い者勝ちが原則とはいえ、他国の地名を勝手に登録するとは。
節操がなさすぎですね…。

早期に対策を打って欲しいものです。

関連サイト

(*1)富士フイルム/DHCをアスタキサンチン配合技術特許の侵害で控訴|メーカーニュース

(*2)2016.09.06 ヨネックス『VCORE SV(Vコア エスブイ)』新発売|THE TENNIS DAILY

(*3)Radical Racquets|HEAD

(*4)中国で「和歌山」商標出願 異議申し立て|日テレニュース24

(*5)中国「弘前」商標出願で市など異議申し立て|陸奥新報

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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