すぐに『パクリ』って言うな! ~創作物と著作権の関係~

目次

はじめに

2020東京五輪エンブレム問題。これをきっかけに、「パクリ」に対する世間の目が非常に厳しくなっているのを感じます。

実は昨日、私も、あわや「パクリ」未遂事件?!という出来事がありました(笑)

今日は巷を席巻する「パクリ」問題についてお話しします。

「パクリ」について騒ぎ過ぎじゃないの?

勿論、「パクリ」はいけません。ただ、あまりに過敏な気がしてならないんですよ。

ニュースで話題になったネタについて、ネット検索で隅から隅まで探し回り、少しでも似たものがあればそれを晒して批判する。「俺、こんなに似てるのを見つけちゃったぜー!」って誰かに自慢したいだけなんじゃないの? そう勘ぐりたくなるようなものも、まま見受けられます。

民進党のロゴマークが井村屋のロゴマークに似ているとかね(*1)。ヤマダは全然似ているとは思いませんが。

「パクリ」ってどういうこと?

そもそも、「パクリ」=著作権侵害と考えた場合、2つの創作物が似ている(類似性)だけでは「パクリ」とは言えません。一方の創作物を拠り所にして他方の創作物が創り出されたという関係性(依拠性)が必要です。

全く同じ創作物が、同じタイミングで創り出されることだって考えられるわけです。理論上は。そのような場合、たとえ2つの創作物が同一であっても、それは「パクリ(著作権侵害)」とは言えないのです。

そういう前提をすっ飛ばして、すぐに「パクリ」だなんだと騒ぎ立てる。そういうバカ騒ぎが創作者を萎縮させ、自由な創作活動を妨げることになってしまわないか。それを危惧しています。

現在では、個人が気軽に情報発信をできるようになりました。私もこうしてブログを書き、まがりなりにも情報発信をしています。この内容も著作物です。

発信者側に「安易に他人の著作物を利用しない」というモラルが求められるのは当然として、その一方で、受信者側も「安易に『パクリ』だと騒がない」、「騒いでいる輩に追従しない」というモラルが求められるのではないか。

そんな風に考えています。

ヤマダにも起きた「パクリ」未遂事件?!

今回、何故、「パクリ」をテーマにしたかというと、昨日、ヤマダにも「パクリ」未遂事件が起きたからです(笑)

私には情報発信についてお手本にしている方がいます。その人のようになりたくて、日夜、その人のFacebook、ブログ、メルマガを研究しています(ほぼストーカーです(笑))。

で、昨日もその方のブログを拝見していました。そして、タイトルを見て、「んっ?!」。内容を読んで、「えぇーっ!!!」。ヤマダが書こうとしていたブログネタと、タイトルに使っているキーワードから、言わんとする内容まで、丸かぶりだったのです。類似のレベルではなく酷似(笑) しかも、知的財産とはまるで関係のないネタで。

「全く同じ創作物が、同じタイミングで創り出されるなんて、あるわけないじゃーん!」って思いますよね? でも起きるんですよ。こういうことが。だから、ブログに書いてあることが似ているからといって、すぐに「パクリ」って言わないようにしましょう(笑)

現実的な問題

ヤマダのブログはその方のブログに依拠していないので著作権法的には問題ないはずです。ただ、今回は、まだ未完成で公開前の記事だったので、お蔵入りにしました(自主規制)。内容が本当にそっくりそのままだったのと、その方とは知名度が天地ほども違うので、やっぱりヤマダがパクったって言われるんだろうなと…(苦笑)

著作権法的に問題がないということと、自分に不利益が生じないかということは全く別の問題なのです。

まとめ

ブログを書いている人はわかると思いますが、ネタがかぶることは結構あります。例えば同じ弁理士さんの場合、知的財産に関するトピックスをネタ元にするのは当たり前で、着眼点も似通ったものになりがちです。

でも面白いのは、書いている人同士はネタカブリについて意外に寛容だということ。そういうことが起きる可能性を理解しているからでしょうね。

騒いでいるのは何も創り出していない外野の人たちなのです。

おまけ

今回は、偶然にもお手本にしている人とネタがカブってしまいました。でも、尊敬している人と同じことを考えていたというのは、ちょっと嬉しく思っています。おかげでこの記事も書けましたしね(笑)

感謝しています!

参考サイト

(*1)民進党のロゴマーク「井村屋に似ている」の声も 岡田代表の説明は?|The Huffington Post

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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