差別化戦略のメリット。製品のライフサイクルを引き伸ばす

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はじめに

先日「ヒット商品をつくる! はじめての『差別化戦略』」というセミナーを開催したことを記事に書きました。

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「差別化戦略」について関心を持っている方が多いということですね!

今日は「差別化戦略」のメリットの1つ、製品のライフサイクルを伸ばすという点についてお話ししたいと思います。

製品のライフサイクル短縮がメーカーを疲弊させている!

近年、製造業(メーカー)を取り巻く環境は急激に変化しています。

大きな変化の一つが「製品のライフサイクル短縮」です。ザックリ言えば、製品が売れる「旬の時期」が短くなっているということです。

下の図は、製品のライフサイクルが短くなっている理由を示す円グラフです。

引用元:2016年版ものづくり白書 図132-4 ライフサイクル短縮化の理由(*1,*2)

主な理由としては、

● 顧客や市場のニーズの変化が速い(53.5%)
● 技術革新のスピードが速く、製品の技術が陳腐化しやすい(20.7%)

の2つが挙げられます。

要するに、

● ユーザーは飽きっぽく、次々に発売される新製品に目移りしてしまう
● せっかく新しい製品を開発しても、すぐに時代遅れになってしまう

ということですね。

このような状況の下では、

● メーカーは新製品を開発し続けなければならず、開発の費用が膨らむ
● 製品が売れる期間が短いので、開発の費用を十分に回収することができない

ということになり、メーカーはどんどん疲弊していきます…。

製品のライフサイクル短縮はメーカーにとって致命的です。だから、メーカーは製品のライフサイクルをできるだけ引き伸ばすための方策を考える必要があるのです。

差別化戦略が製品のライフサイクルを引き伸ばす!

製品ライフサイクルの引き伸ばしに有効なのが差別化戦略です。

製品を独創的でオリジナリティのあるものにし、他の製品から差別化する。そうすることで、ユーザーはその製品を長く愛用してくれるようになり、製品ライフサイクルを引き伸ばすことができるのです。

下の図は過去3年で売上が増加したメーカーが行った「製品ライフサイクルを引き伸ばすための取り組み」を示すレーダーチャートです。

引用元:2016年版ものづくり白書 図132-6 製品ライフサイクルの最適化の取組と過去3年の売上高(*1,*2)

このレーダーチャートを見ると、

● ライフサイクルを長期化するためのブランド戦略、差異化戦略(差別化戦略)

にしっかり取り組んだ企業が売上を伸ばしていることがわかります。

製品の差別化を図ることができれば、特許権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得する可能性も高まります。これにより、

● 知的財産の権利保護強化

も図ることができます。

特許権などの知的財産権の取得は、他社からの模倣を防止する効果があるのは勿論、製品の差別化にも有効です。知的財産権を取得することでその製品に対する信頼が高まり、他の製品から差別化することができるのです。

ですので、メーカーがまず取り組むべきは差別化戦略です。そして、その上で、知的財産権の取得にも取り組んでいく。

そうすれば、「差別化戦略」と「知的財産権の取得」が車の両輪となって、メーカーの成長を加速度的に促進していくことができるはずです。

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(*1)2016年版ものづくり白書 第3節 市場の変化に応じて経営革新を進め始めた製造企業|経済産業省

http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2016/html/honnbunn/101032_1.html

(*2)2016年版ものづくり白書|経済産業省

http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2016/html/index.html
山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。ローテク特許/ネーミングから始める商標登録。専門誌「美容の経営プラン」で「守りと攻めのネーミング」を5ヶ月連載。経済産業省・中小企業庁「ふるさとデザインアカデミー」講師。樺沢紫苑セミナーコンペで3位入賞。全ては言語化から始まる。趣味はスイーツの食べ歩き。

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