はじめに
「差別化戦略」は競争に勝つための戦略の一つです。もっとザックリ言えば、モノを買ってもらうための戦略です。
今日は「差別化戦略」のメリットについてお話しします。
「差別化戦略」と対極にある「コスト戦略」
「差別化戦略」。何ともモヤっとしたこの言葉…。こういうよく分からない言葉は似た言葉や反対語と並べてみましょう。比べてみることで意味内容がハッキリしてきますから。
そもそも、「差別化戦略」はマイケル・ポーター(経営学の偉い先生です)が提唱した、競争に勝つための戦略の一つです。そして、ポーターは「差別化戦略」とともに、「差別化戦略」とは真逆の戦略、対極をなす戦略も提唱しています。
それが「価格(コスト)戦略」です。コストを下げ、低価格で商品を提供することで、他の会社より優位に立ち、競争に勝っていこうという戦略です。「価格戦略」では、低価格で商品を提供しても利益が出る仕組みを作る必要があります。どちらかというと、大企業に向いている戦略です。
一方、「差別化戦略」は、他の商品にはない、ユニークな「売り」を作り、ターゲットに商品のレア感や独自の価値を感じてもらうことで、商品を買ってもらう戦略です。ターゲットを絞り込み、差別化を徹底することで効果が出やすくなります(「差別化集中戦略」)。ニッチな市場やコアなファンを獲得するのに向いていて、中小企業や個人事業主に馴染みやすい戦略です。
ハンバーガーショップの例で説明すると分かりやすいと思います。低価格が魅力のマクドナルドは「価格戦略」ですね。一方、少し高いけど、こだわり食材が「売り」のモスバーガーは「差別化戦略」です。
「差別化戦略」のメリット
「差別化戦略」を採用するメリットは、ズバリ、商品を高く売れるということです。「差別化戦略」は「価格戦略」のように商品の価格を下げて優位に立とうとする戦略ではありません。
ターゲットに、
● 他の商品にはないユニークな「売り」
● 商品のレア感
● 商品の独自の価値
を感じてもらえば、価格が多少高くても商品を買ってもらえるのです。
「差別化戦略」を成功させるには、他の商品にはない「独自性」が必要です。ただ、「独自性」があっても、他社に簡単に真似されてしまうとすぐに市場を失ってしまいます。その商品について、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を取ることができないかについても検討してみましょう。
● 知的財産権を取ることで、その商品の製造・販売を独占する道も開けてきます
● 知的財産権の取得は他社の真似を防ぎ、市場を守る方法として非常に有効です
● 差別化戦略と知的財産権の取得を組み合わせることで相乗効果が得られます