意匠の検索方法を効率化する(その2) ~日本意匠分類とDターム~

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。

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目次

はじめに

前回は、意匠の検索でテキスト検索を使った場合の問題点をお話ししました。

[blogcard url=”https://yamadatatsuya.com/blog/2017/01/16/d-search_01/”]

この問題点を解決し、意匠の検索方法を効率化するためのお役立ちツール。それが「意匠の分類」です。分類を制する者は検索を制するのです。

今日は、代表的な意匠の分類である「日本意匠分類」と「Dターム」についてお話しをします。 

意匠を探すための地図「意匠の分類」

図書館や本屋さんでは分類ごとに本が並べてありますよね。「教科書・参考書」はこの棚、「ビジネス雑誌」はこの棚、「自然科学」はこの棚、「法律」はこの棚、というように。自分の探しているジャンルの本が並んでいる棚に行けば、探している本を見つけることができます。

意匠にも本と同じように分類が付けられています。

意匠の分類は意匠を探すときに使う地図のようなものです。だから、意匠の分類を使って検索をすれば、自分が探している意匠に辿り着ける可能性がぐっと高まるわけです。

代表的な意匠分類「日本意匠分類」と「Dターム」

意匠の分類の中で代表的なものが「日本意匠分類」と「Dターム」です。

「日本意匠分類」は日本固有の意匠の分類です。

「日本意匠分類」では、

● 主として、意匠の対象となる物品の「用途」に着目する
● 必要に応じて、物品の「機能」等も加味する

ことで意匠を分類しています。

「Dターム」は「日本意匠分類」を更に細分化した分類です。

「Dターム」では、

● 物品の「形態」等の特徴に着目する

ことで「日本意匠分類」を更に細分化しています。

「日本意匠分類」と「Dターム」を調べる

「日本意匠分類」と「Dターム」については特許庁のHPで公開されています。

[blogcard url=”http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/nihon_ishou_bunrui_h28.htm”]

中身はこんな感じ。

(引用元:https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/nihon_ishou_bunrui_h28.htm

この画像でわかるように、「日本意匠分類」では、意匠の対象となる物品がその用途によって、AからN、そしてWの14グループに分類されています。

● Aグループ(製造食品及び嗜好品)
● Bグループ(衣服及び身の回り品)
● Cグループ(生活用品)
● Dグループ(住宅設備用品)
● Eグループ(趣味娯楽用品及び運動競技用品)
● Fグループ(事務用品及び販売用品)
● Gグループ(運輸又は運搬機械)
● Hグループ(電気電子機械器具及び通信機械器具)
● Jグループ(一般機械器具)
● Kグループ(産業機械器具)
● Lグループ(土木建築用品)
● Mグループ(AからLに属さないその他の基礎製品)
● Nグループ(他グループに属さない物品)
● W(画像意匠分類)

そして、各グループは更に細かく分類されています。特許庁のHPではリンクをクリックすると細かい分類を見られるようになっています。

例えば、Kグループは「産業機械器具」のカテゴリーで、物品の用途によって、更に以下の10個に分類されています。

● K0 K1~K9に属さないその他の産業用機械器具
● K1 利器及び工具
● K2 漁業用機械器具
● K3 農業用機械器具、鉱山機械、建設機械等
● K4 食料加工機械等
● K5 繊維機械及びミシン
● K6 化学機械器具
● K7 金属加工機械、木材加工機械等
● K8 動力機械器具、ポンプ、圧縮機、送風機等
● K9 産業用機械器具汎用部品及び付属品

分類「K1 利器及び工具」を覗いてみるとこんな感じ(一部抜粋)。

(引用元:https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/pdf/bunrui_ichiran/4-2-14-k.pdf

分類「K1 利器及び工具」が物品の用途によって更に細かく分類されていますね。例えば、床屋さんが使う「理髪はさみ」に関する意匠は「K1-132」に分類されています。

下に細字で書いてある「K1-132A」「K1-132B」が「Dターム」です。「理髪はさみ及び洋はさみ」をその「形態」等によって更に細分化したものです。

「ケース有り」のはさみには「K1-132A」、「理髪用梳きはさみ」には「K1-132B」のDタームが付けられています。これ以外の「理髪はさみ及び洋はさみ」にはDタームは付けられていません。

「日本意匠分類」や「Dターム」が分かれば、J-PlatPatを使って、自分が意匠登録したい物品の分野でどんな意匠が登録されているかを知ることができます。

次回は「日本意匠分類」や「Dターム」を使った検索方法についてお伝えします。

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