クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。
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はじめに
前々回、前回と、2回に渡って「意匠の検索方法を効率化する」というテーマでお話ししてきました。
[blogcard url=”https://yamadatatsuya.com/blog/2017/01/16/d-search_01/”]
[blogcard url=”https://yamadatatsuya.com/blog/2017/01/17/d-search_02/”]
今回がいよいよ最終回。
今日は、日本意匠分類やDタームを使って意匠を検索する方法についてお話しします。
「日本意匠分類」や「Dターム」を使って意匠を検索する
前回、「日本意匠分類」や「Dターム」の調べ方についてお伝えしました。
この「日本意匠分類」や「Dターム」が分かれば、J-PlatPatを使って、自分が意匠登録したい物品の分野でどんな意匠が登録されているかを知ることができます。
それでは実際にやってみましょう。今回は床屋さんが使う「理髪はさみ」に関する意匠を検索してみます。
まず、J-PlatPatのヘッダーメニューから「意匠」タブを選択し、ドロップダウンメニューから「3.日本意匠分類・Dターム検索」を選択します。
(引用元:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)
そして、「検索式」に、日本意匠分類やDタームを打ち込みます。但し、「検索式」には日本意匠分類やDタームからハイフンを除いたコードを打ち込みます。
前回のコラムで説明したように「理髪はさみ」は日本意匠分類の「K1-132 理髪はさみ及び洋はさみ」に分類されています。ですから、「K1-132」からハイフンを除いた「K1132」を打ち込めばOKです。
(引用元:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/ishou/isdt/ISDT_GM201_Top.action)
ここで裏ワザを1つ。
「K1-132 理髪はさみ及び洋はさみ」の中で、「ケース有り」のはさみには「K1-132A」、「理髪用梳きはさみ」には「K1-132B」のDタームが付けられています。
このとき、画像のように「K1132」の後に「!」(半角のビックリマーク)を打ち込んでみてください。こうすると、Dタームが付いている「K1-132A ケース有り」のはさみと「K1-132B 理髪用梳きはさみ」以外のはさみだけを検索することができます。
「ケース有り」のはさみや「理髪用梳きはさみ」は要らないよ。それ以外の「理髪用はさみ」を調べたいんだよ。
という場合、これらを検索対象から除外してノイズを減らすことができ、よりシャープな検索結果を得ることができます。
「検索」ボタンをクリックすると、ヒット件数は222件となりました。
「一覧表示」のボタンをクリックすると、登録されている意匠のダイジェストが表示されます。
ダイジェストには、
● 意匠登録番号
● 意匠に係る物品(意匠登録の対象となった物品名)
● 意匠権者
● 代表図面
が表示されます。
J-PlatPatの画面では意匠登録番号(リンク)をクリックすると、更に詳しい内容が記載されたページに飛ぶことができます。
(引用元:J-PlatPat検索結果画面)
こんな方法で「自分が意匠登録したい物品では、どんな意匠が登録されているか」を知ることができるわけです。
分類を探すための予備検索をして検索を効率化する
「意匠の検索方法を効率化」って言う割には結構、面倒くさいんじゃないの?と思った方。
正解です(笑)
慣れていないと、「膨大な分類表の中から自分が調べたい物品がどこの分類に入っているかを探す」というのが面倒なんですよね。
そんな場合には「分類を探すための予備検索」をしましょう。
予備検索にはJ-PlatPatの「意匠公報テキスト検索」を使います。前々回のコラムで「検索漏れもノイズも多い」とダメ出しをしたテキスト検索をここで使うわけです。
J-PlatPatのヘッダーメニューから「意匠」タブを選択し、ドロップダウンメニューから「2.意匠公報テキスト検索」を選択します。
次に、「キーワード」の「検索項目」で、ドロップダウンメニューから「意匠に係る物品」を選択します。
今回は「はさみ」を調べているので「検索キーワード」に「はさみ」と打ち込みます。ここでは物品名をあまり絞らず、ざっくりとした物品名にしておきます。
「検索」ボタンをクリックし、「一覧表示」のボタンをクリックすると、以下のような検索結果のダイジェストが表示されます。
(引用元:J-PlatPat検索結果画面)
このダイジェスト画面に表示された意匠の中から、自分が登録したいと思っているはさみに近い物品名、形状のものをピックアップし、意匠登録の番号(リンク)をクリックします。
今回は、床屋さんが使う「理髪用はさみ」を調べているので、「7.意匠登録1561087」の「理美容はさみ」が一番近いですね。ダイジェスト画面には図面も表示されているので、似ている形状のものを探しやすいのです。
この「意匠登録1561087」の部分(リンク)をクリックすると、更に詳しい内容が記載されたページが表示されます。
(引用元:J-PlatPat検索結果画面)
赤丸で囲んだ部分の「【意匠分類】K1-132」が日本意匠分類です。これで分類表を捲らなくても、日本意匠分類を探すことができました。
自分が登録しようと思っているはさみに近い物品名、形状のものをいくつかピックアップして、日本意匠分類を覗いてみると、どの分類に属しているか大体当たりがつくはずです。
当たりがついたら、念のため分類表に戻って、その周りの物品(分類)を眺めて正しい分類を選んでいるかどうか確認してみましょう。回り道のようですが、「調べるのが面倒くさいなぁ」と思ってウダウダしているよりは、このやり方の方が効率的です。「急がば廻れ」ということです。
日本意匠分類・Dタームを使った検索の注意点
日本意匠分類・Dタームには現行分類と旧分類があります。
現行分類は出願日が平成17年 <2005年> 以降の文献が対象で、それ以前の文献については対象としていません。
出願日が平成16年 <2004年> 以前の文献を調べたい場合は、現行分類を旧分類に変換して調べる必要があります。
J-PlatPatの日本意匠分類・Dターム検索のページに、現行分類を旧分類に変換する機能がありますので、そちらを利用してみてください。