湖池屋の差別化戦略 ~「PRIDE POTETO」売れ行き好調。プレミアム路線のポテトチップスで業界の盟主・カルビーに宣戦布告~

目次

はじめに

子供のおやつからビールのおつまみまで。
日本の家庭に幅広く普及するポテトチップス。

しかし、最近では販売価格も平均売価も軒並み低下し、苦戦を強いられているそうです。

今日は、そんな苦境の中、ポテチ界の盟主・カルビーに立ち向かう湖池屋の差別化戦略を紹介します!

ポテチの元祖・湖池屋 vs 業界の盟主・カルビー

日本で初めてポテトチップスの量産を始めたのは湖池屋です(1967年)。

しかし、現在の業界の盟主は言わずと知れたカルビー。
そのシェアは7割を占め、湖池屋の2割を大きく上回ります。

(*1)ポテチ元祖の湖池屋、脱・安売りでV字回復 「伝説の男」が仕掛けるプレミアム路線|SankeiBiz

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ポテチ界の元祖・湖池屋でも、盟主・カルビーの前では弱者に甘んじているということです。

ポテチ業界の苦境。ポテチのコモディティ化

また、ポテチ業界全体の地盤沈下も問題となっています。

日本の家庭に幅広く普及したポテチですが、ここ10年で販売量と平均売価がジリジリ下がっているというのです。

湖池屋の佐藤社長は、

「ここ10年ほどの間、1袋当たり15円ほど下がっている。コモディティー(汎用(はんよう)品)化が進み、飽きられてきたということ」

と危機感を募らせます(*1)。

湖池屋の差別化戦略は商品のプレミアム化

そこで、湖池屋がとった戦略は差別化戦略。

商品のプレミアム化による差別化です。

今年2月に、国産じゃがいもを使い、原料や製法にこだわったPRIDE POTATE(秘伝濃厚のり塩、松茸香る極みだし塩、魅惑の炙り和牛)」を発売。

店頭価格が150円前後、ポテチとしては高価格帯ですが、発売3ヶ月で2000万袋、約25億円の売上を記録しました(*1)。

更に、今年秋には、

  • 幻の男爵いも「今金男しゃく」を使ったプレミアム商品「KOIKEYA PRIDE POTATO 今金男しゃく 幻の芋とオホーツクの塩(価格298円)」を限定発売。
  • 手作業でじっくりと丁寧に揚げられていた、創業当時のポテトチップスのような絶妙な食感を実現した「手揚食感 長崎平釜の塩」「手揚食感 柚子香るぶどう山椒」をPRIDE POTATEのラインナップに追加。
  • こだわりの素材を掛け合わせたうま味を辛味や酸味によって最大限まで引き出した「カラムー超 濃厚ビーフ煮込みXO醤仕立て」、「すっぱムー超 トリュフ香る帆立のカルパッチョ」を新発売。

と、立て続けに戦略商品を投入し、プレミアム路線を突っ走っています。

絶妙な食感を追求!湖池屋の PRIDEかけた この食感「KOIKEYA PRIDE POTATO 手揚食感」|湖池屋HP:プレスリリース

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スナック菓子を超えてイケ! 「カラムー超」・「すっぱムー超」誕生 菓子の次元を超える限りなく料理に近い旨さ|湖池屋HP:プレスリリース

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まとめ

湖池屋はコモディティ化してしまったポテチをプレミアム化することで差別化を図ろうとしています。

少々、値段が高くても美味しいもの、他では買えないものを食べたいというニーズはあるわけです。

湖池屋=プレミアムなポテチのイメージが浸透すれば、新たなポテチフリークを開拓することができそうです。

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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