「装力」を上げるための3つの視点 ~ビジネスファッションで注意すべきポイント~

10月28日(土)。ビジネスファッションセミナーに参加してきました。テーマは「装力」。講師は日本初のパーソナルスタイリスト・政近準子さんのお弟子さん、中村 龍太さんと西畑 敦子さん。
ヤマダは単なる受講生ではなく、ビフォーアフターを披露する変身モデルとして参加しました(笑)

目次

「装力」とは何か?

「装力」。人が服を装う力、服装自体が持っているパワーです。

この言葉は日本初のパーソナルスタイリスト・ファッションレスキュー社長の政近準子さんが創り出した造語です。政近さんによれば「装力」=「合人間力」だそうです。外見(服装)と中身(人間性)が相まって人間としての魅力や信頼性を形づくっているという考え方なのだと思います。

「あいつは仕事もできないくせに、外見ばかりに気を使って!」という人がいます。でも、これは逆なんですよね。仕事ができないのであれば、せめて外見ぐらいは気を使うべきなのです(笑)

服装がだらしない、服装に清潔感がない。たったそれだけのことで相手の受ける第一印象は悪くなります。その場合、実際には仕事ができる人でも仕事をさせてもらうことすらできなくなってしまうのです。そして、第一印象によってスポイルされてしまった場合、殆どと言っていいほど失地回復の余地はありません。

外見や服装は人の評価に大きな影響を与えているのです。

登録商標「装力」
登録商標「装力」

「装力」は政近さんの会社・ファッションレスキューの登録商標です。

ファッションレスキューのアトリエ
ファッションレスキューのアトリエ

コンサルをしてもらうため訪れたアトリエ。アーティスティックな香りがします。奥には沢山の生地見本。

装力を上げるための3つの視点

それでは、装力を上げるためにはどうすればいいのでしょうか?

このセミナーの中に、政近さんの会社に所属するスタイリスト・中村龍太さんによる「装力を生かしたセルフブランディング術」という講義がありました。

この講義の内容から、ヤマダは以下の3つの視点が大事だと考えました。

(1)フォーマル度

フォーマル度。礼儀作法をわきまえる度合いです。

服装のフォーマル度を決める要素は、

  • 服のデザイン・形
  • 服の素材
  • 服の色・柄

の3つです。これらの要素を間違いなく選択する必要があります。ただ、これらはルールが分かれば誰でもできるそうです。

例えば、服のデザイン・形であれば、

  • 3ピース>2ピース>ジャケットなし
  • 襟あり>襟なし
  • 長袖シャツ>半袖シャツ

服の素材であれば、

  • ウール>コットン

服の色・柄であれば、

  • スーツなら、無地>ストライプ>チェック
  • シャツなら、白>サックスブルー>他の色柄
  • 靴なら、黒>茶

選択するために必要なのはセンスではなく知識なのです。

セミナーでは受講者をフォーマル度の高い方から順番に並べるというワークがありました。これをやると一目瞭然ですね。迷ったら他の人達がどんな服装をしてくるか思い浮かべる、その中に自分を置いたときにおかしくないか想像してみる、というのをやってみるとよいと思います。

フォーマル度は服装を選ぶ上でかなり優先順位の高い事項です。特に男性の場合、服装の許容幅が狭いため、フォーマル度の誤りは取り返しのつかないミスとなってしまいます。フォーマル度は装力を上げるために第一に考えなければならない事項と言えます。

(2)TPPOS

「TPOを考えて服装を選ぶ」というのは常識ですよね。

  • T(Time:時)
  • P(Place:場所)
  • O(Occasion:目的)

この「TPO」という言葉はファッションブランド「VAN」の創始者・石津謙介さんが提唱した概念です。

政近さんはこれを現代風にアレンジした「TPPOS」という概念を提唱しています。

  • T(Time:時)
  • P(Place:場所)
  • P(Person:相手)
  • O(Occasion:目的)
  • S(Social:社会性・関係性)

即ち、現代では新たに付け加えられた「P(Person:相手)」と「S(Social:社会性・関係性)」の重要度が増しているということです。

相手との関係性、社会的地位、自分の置かれた立場によって、服装も変えていかないといけないのです。

フォーマル度に加えて、TPPOS、特に「P(Person:相手)」と「S(Social:社会性・関係性)」を考慮して服装を選ぶ、というのが装力を上げるためのポイントと言えます。

(3)差別化要素

フォーマル度とTPPOSは最低限守るべきルールです。でも、ただそれを守るだけだと、間違いはないけれど、つまらない、没個性的なスタイルになってしまうおそれもあります。

人の価値は他の人との差異点です。他の人と同じところは評価されず、他の人との差異点が自分の評価ポイントになります。フォーマル度やTPPOSを外さないように差別化要素を加えて個性を出す。少々、難易度は上がりますが、装力を上げるためには必要な事項です。

ヤマダは弁理士です。いわゆる士業です。世間的に言えば堅い職業で、きちんとしていることを求められます。でも、ピシッとしたスーツ姿というだけだと堅苦しいし、少しはオシャレ感を出したい。それと、最近、セミナーで話をすることが増えてきて、受講者の方との距離感の遠さが気になっていました。初めて弁理士に会う人からすると「先生」ですもんね。敷居の高さを感じてしまう方もいらっしゃるようです。

今回のビフォーアフターでは、その辺りを要望して、講師の中村さんに2パターンのスタイリングをしてもらいました。

まずは第1形態から。タイドアップしたスーツスタイルです。

タイドアップしたスーツスタイル
タイドアップしたスーツスタイル

これなら弁理士会の公式行事でも行けそうです。

スーツはオーダーして作ってもらいました。ヤマダのクセの強い体型が補正されて、姿勢良く見えますね。キレイにスーツのラインが出ています。キチンと感を出しながらも、クレリックシャツやポケットチーフで、ちょっとおしゃれな感じに仕上げてもらいました。

そして、第2形態。カジュアルダウンしたスタイルです。

カジュアルダウンしたスタイル
カジュアルダウンしたスタイル

セミナーをするときはストールを外した方がよいそうです。

上着は第1形態と同じものです。黒のタートルネック、白のデニム、ボルドーのストールを合わせることで士業の堅苦しさはなくなりました。着崩していますが、ジャケットや黒のシューズでキチンと感を出し、バランスをとっています。

このように、フォーマル度やTPPOSを考慮しながら差別化要素を足し、個性を出すこともできるわけです。

まとめ

「装力」を上げるポイントは、

  • フォーマル度を考慮する
  • TPPOSを考慮する
  • 差別化要素を加える

の3つです。

この中で、優先すべきはフォーマル度とTPPOS。そこに、さじ加減を考えながら注意深く差別化要素を足していくというのが良さそうです。

今回のセミナーに参加して、ファッションも情報発信の一種であり、コミュニケーションのためのツールなんだということを実感しました。服装は自分が知らないうちにメッセージを発しています。周りの人に誤ったメッセージを伝えないよう、服装には気をつけたいものです。

セミナー概要

今回の記事は以下のセミナーで教わった内容を元に執筆しました。樺沢先生、中村さん、西畑さんありがとうございました!

ウェブ心理塾「装力を生かしたセルフブランディング術」セミナー

  • 日時: 2017年10月28日(土)13:30 – 17:00
  • 講師: 樺沢 紫苑先生(精神科医・作家)、中村 龍太さん(プロパーソナルスタイリスト)、西畑 敦子さん(プロパーソナルスタイリスト)

参考サイト

政近さんの会社・ファッションレスキュー

ファッションレスキューでは「装力講座」を開催しています。ファッションについて勉強してみませんか?

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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