鉄道会社の差別化戦略|京急が鉄道マニアやユーザーから絶大な支持を受けるワケ

はじめに

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)所長、弁理士の山田龍也(@ta2_ymd)です。

この記事は、「差別化戦略(他社と差別化する)」のカテゴリーに属する記事です。
商品・サービスの独自性をアピールし、単価を上げていきたい中小企業様・個人事業主様に役立つ内容です。

今回は、鉄道マニアやユーザーから絶大な支持を受ける京浜急行(京急)を取り上げました。
元・鉄ちゃんのヤマダが解説します(笑)

鉄道会社の差別化戦略|京急が鉄道マニアやユーザーから絶大な支持を受けるワケ

京急は東京都港区の泉岳寺駅から品川、川崎、横浜などの主要駅を経て、神奈川県三浦半島の浦賀駅まで至る本線、その他の支線を保有する鉄道会社です。
羽田空港のターミナルにも乗り入れているので、一度は利用したことがあるという方が多いのではないでしょうか?

京急の差別化戦略は、他の鉄道会社にはない「こだわり」です。
この「こだわり」が京急の独自性を生み出し、他の鉄道会社との差別化に繋がっています。

キーワードは、

● コーポレートイメージ、コーポレート・アイデンティティ
● 本業、コア業務
● 遊び心

です。

(1)コーポレートイメージ、コーポレート・アイデンティティにこだわる

京急と言えば、赤い車体に白のラインですよね。
特別塗装の青や黄色の車体もありますがその数は少なく、赤い車体が殆どです。

東京圏の他の鉄道会社は「この色!」というイメージが希薄なんですよね。
「JR東日本だって山手線は黄緑、京浜東北線の水色っていうイメージがあるじゃないか!」という人がいるかもしれません。
でも、これらは路線ごとのイメージカラーに過ぎず、JR東日本全体、全路線共通のイメージカラーではないのです。

最近、イメージカラーの希薄化に拍車をかけているのがステンレス車両です。
金属色の車両に、申し訳程度にカラーのラインが1本…。
これでは、ますます各社のカラーリングの特徴が失われていきます。

そんな中、京急は赤というイメージカラーにこだわっています。
一つの色を長く使い続けたことによって、「京急=赤」という明確なイメージが確立されたのです。
コーポレートイメージ、コーポレート・アイデンティティですね。

コーポレートイメージ、コーポレート・アイデンティティは他社の商品・サービスから自社の商品・サービスを差別化し、独自ブランドを築くために重要な要素です。
「わかりやすい旗」を立てることによって、そこに人が集まってくるからです。

商品のデザインでも、サービスマンの制服でも何でも構いません。
あなたの会社の商品やサービスと言ったらこれ!という、ユーザーにわかりやすい旗を立てましょう。

中でも、色というのは強烈なんですよね。
強く印象に残ります。
忘れずにいてもらう、覚えてもらうためには、京急の赤のようなオリジナルのカラーを持つことが最強の武器なのかもしれません。

(2)本業、コア業務にこだわる

京急は高速運行、安全性、迅速な事故対応にこだわりを持っています。
これらは、鉄道会社の本業、コア業務に繋がる部分です。

本業、コア業務をしっかりやる。
この京急の姿勢がユーザーとの信頼関係を強め、支持される理由になっているのです。
逆に、本業を疎かにしてイメージ戦略ばかりをやっていたら、フワフワと浮ついた印象になってしまい、ユーザーとの信頼関係を築くことは難しいでしょう。

以下、京急のこだわりを具体例で説明します。

① 起動加速度と最高速度の両立

高速運行のために、起動加速度と最高速度の両立にこだわっています。

起動加速度とは、電車が発車した後どれだけ速くスピードを上げられるかを示す指標です。
3.0 km/h/s程度とする電車が多い中、京急は起動加速度 3.3~3.5 km/h/sを誇っています。
営業最高速度も120 km/h。

京急は起動加速度と営業最高速度を両立させ、高速運行を実現しているのです。

② 先頭車両はモーター付き、にこだわる

安全性を向上させるために、先頭車両はモーター付きにこだわっています。

先頭車両にモーターを付けて重くすることで、衝突事故が起きても被害を最小限に抑えることができます。

③ 逝っとけ(行っとけ)ダイヤにこだわる

迅速な事故対応、運転回復のために、「逝っとけダイヤ」にこだわっています。

「逝っとけダイヤ」とは、事故が起きたときに、熟達した運転主任が臨機応変にダイヤを組み換え、列車の行き先を変更し、とりあえず電車を走らせる高度な運行管理技術です(とりあえず、行けるところまで「行っとけ」)。

近年ではコンピュータ制御が全盛で、完全復旧するまで電車を全く動かさないというスタンスの会社も少なくありません。
そんな中、複雑な運行を全て人の手で行う職人気質の運行手法「逝っとけダイヤ」を採用する京急に、ユーザーは魅力を感じるのかもしれません。

(3)遊び心にこだわる

本業をしっかり行う京急ですが、遊び心にもこだわっています。
サービスと直接的には関係ないけれど、マニアをくすぐる遊び心を取り入れているところも京急の魅力なのです。

ドレミファインバータはその最たるものでしょう
。京急の発車時に「パララララララ~♪」というメロディーを聞いたことはありませんか?
あれはインバータの起動音なのです。

インバータを起動させると大きな騒音がします。
これをメロディーにしてしまったのが、ドレミファインバータです。
遊び心に溢れていますよね。

残念ながら、このドレミファインバータを搭載した車両は減少の一途を辿っています。
インバータ技術の発達によって、最近のインバータは騒音がしなくなったのです。

以前はよく聞いたメロディーも最近、とんと聞くことがなくなりました。
まだあの車両は走っているんでしょうか?

ポストドレミファインバータ。
遊び心のある京急らしい仕掛けを、また見てみたいものです。

まとめ

さて、振り返って、あなたの会社の商品やサービス。

● コーポレートイメージ、コーポレート・アイデンティティ
● 本業、コア業務
● 遊び心

この3つはきちんと備わっていますか?

差別化はファンづくりのためのツールです。
熱烈なファン、リピーターを作るために、京急の差別化戦略をぜひ見習ってみてください!

おまけ

中部圏・関西圏の鉄道は関東圏に比べて明確なカラーイメージを持っているように思います。
チョコレートブラウンの阪急、赤の名鉄とかね。

子供の頃は、名鉄の真っ赤なパノラマカー、近鉄の黄色と青のツートンのビスタカーは憧れの的でした(笑)

参考サイト

鉄道ファンの支持を集める「京浜急行」の秘密|ITmedia ビジネスオンライン

「銀色の電車」が当たり前になった真の理由|東洋経済ONLINE

起動加速度|ウィキペディア

※ 逝っとけダイヤについて
京急 金沢八景駅で人身事故が発生 -ただし5分やそこらで運転再開-|NAVERまとめ

 

イイ音♪ 京急のドレミファインバーター|YouTube

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。
 

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