知財ニュースを弁理士が解説!(2018年10月第2週)

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。

はじめに

今週の話題は、

● スクラブドットスポンジ
● ポップアップカード
● 自分のスマートフォンで注文できるセルフオーダーシステム
● サッカー&フットサル専用インソール
● サバイバルフーズ
● ZOZOスーツ
● 焼き芋機

などです!

知財ニュースを弁理士が解説!(2018年10月第2週)

知的財産やものづくり、ブランドづくりに関するニュースの中からヤマダが独断と偏見でチョイスしたニュースをざっくり解説する「知財ニュースを弁理士が解説!」。

● 技術<特許・実用新案>、デザイン<意匠>、著作物、商品企画等、ものづくりに関するニュース
● ブランド<商標>、不正競争等;ブランドづくりに関するニュース
● その他の気になったニュース

をまとめています。今週も行ってみましょう!

(1)常識の逆を行く|ものづくり、商品企画

元記事:汚れにくいスポンジ べっとりカレー鍋も洗ってきれい|NIKKEI STYLE

 

今までの商品・技術常識に縛られていると、斬新な商品を企画することはできません。どうしても、従来品の延長線上にあるものが出来上がってしまいます。

斬新な商品を企画するときにヒントとなるのは、ユーザーの悩みです。

「カレーの鍋を洗うとスポンジが汚れる」「匂いもひどい。」

そんなユーザーのちょっとした悩みを拾ってあげる。そこから商品に必要な機能を把握し、商品の構造や形状を設計する。

そうすることで、従来品の呪縛から解き放たれ、斬新な商品を企画することができるのです。

(2)既存の商品に演出・エンタテイメント性を加える|ものづくり、商品企画

元記事:カードを開くと樹木が飛び出し、花びらが散る!? 『WAO!POP ひとひらシリーズ 3Dカード もみじ・さくら・いちょう』|おためし新商品ナビ

 

ヤマダも新しい商品企画について相談を受けることがあります。その時に感じるのは「ひねりが足りねぇな…」ということ。

確かに従来品とは違うんだけど、従来品から簡単に思いつくレベルのアイデアが多い。特許で言うところの「新規性(新しさ)はあるけど、進歩性(簡単に思いつかない)がない」というレベル。アイデアは一工夫ではなく二工夫、一捻りではなく二捻りはしないと売れる商品にはなりません。

アイデアを思いついたときに、抽象的なアイデアで留めるのではなく、具体的なレベルまで落とし込んでみる必要があります。

● 具体的な形状や材質を考えてみる
● 別の商品に展開したら、そのアイデアがどういう形に変化するか考えてみる
● ユーザーの層が変わったら、その商品をどうカスタマイズしたら良いか考えてみる

方法は色々あると思います。

ボンヤリとしたアイデアを具体的なイメージにまで高める工夫をすることをオススメします。

(3)大企業向けの高単価商品を中小企業 に売る方法を考える|ものづくり、商品企画

元記事:中小の飲食店に広がるか、顧客が自分のスマホで注文できるシステム|ニュースイッチ

 

ターゲットが変われば、求められる機能も値段も変わってきます。

大企業向けの高単価商品を中小企業に売るならどういう方法があるか考えてみるのもよいでしょう。

最近のスマホはちょっとしたPCレベルの処理能力があります。これを使わない手はありません。多額の設備投資をしなくても必要なレベルのシステムを導入できる可能性があるのです。

(4)成長市場×自分の強み、という視点を持つ|ものづくり、新規事業

元記事:プロ選手も絶賛! サッカー&フットサル専用インソール『フットボール3D(FOOTBALL3D)』が登場!|SoccerKing

 

自分の強みを活かす、というのはどんな事業を行うにも大事です。

時代の流れで、今まで日の目を見なかった技術にスポットライトが当たることもあります。

自分の強みを見つけ、それを成長産業と組み合わせたときに面白い商品ができないか考えてみるのも良いでしょう。

ゴム・エラストマーは古典的な技術分野です。でも、例えばスポーツの分野で突き詰めていくと、面白い商品が考えられそうです。まさに、「陸王」の世界ですね。

(5)要部だけを登録してブランド展開をし易くする|ブランドづくり、商標

元記事:累計3000万食突破、非常食なのに“おいしそう”!?|日経 XTREND

 

商標の要部というのは、商標の中の大事な部分を指します。

商標には、他社の商品やサービスと区別するのに役立つ部分(要部)と、そうでない部分があります。例えば、「明治ミルクチョコレート」なら「ミルクチョコレート」は商品の内容を表しているだけなので、森永やグリコの商品と区別するのに役立ちません。「明治」の部分が要部ということになります。

このとき、「明治ミルクチョコレート」を商標登録したとすると、この登録商標はブラックチョコレートやいちごチョコレートには使いにくいですよね。なので、「チョコレート」、もっと言えば「菓子」について「明治」という文字だけを商標登録した方が使い回しが効くわけです。

ちょっとしたことですが、商標権の取得費用なども変わってきます。ブランドを作る際には頭に入れておいた方が良いでしょう。

(6)顧客を囲い込む仕組みを作る|ものづくり、事業戦略

元記事:
ゾゾタウンのZOZOスーツに競合他社たちが「震えている」理由…一人勝ちの始まりか|Business Journal

 

採寸の精度が良くない等、賛否両論のZOZOスーツ。でも、今後の改良で精度を上げていくことはできるでしょう。

大事なのは、ZOZOタウンの戦略です。

被服類のネット通販における最大の弱点は「試着をできない」ことです。特に、多品種、多メーカーの被服を扱う通販サイトでは、同じMサイズでもサイズ感やフィット感が異なるため、この問題が深刻化します。返品の対応に時間や人手を取られたり、ユーザーの満足度が落ちたりして、売上にも影響が出てくるわけです。

ZOZOスーツを投入すると顧客データを蓄積することができますよね? そうすると、ユーザーに対してより精密な提案をすることが可能となります。ユーザーがサイズ感やフィット感を気にせず、安心して買い物をできるようになれば、他の通販サイトではなく、ZOZOタウンで買い物をする人が増えてきます。自ずとリピーターが増えてくるということです。

(7)アイデアを否定しない|ものづくり、新規事業

元記事:ドンキで売れた!「焼き芋機」開発企業の正体
ユニークな商品が相次いで誕生する舞台裏|東洋経済ONLINE

 

良い商品を作らないと売れない。それは確かにそうなんですが、まずはやってみるという姿勢も大事です。出てきた企画を全て否定していたら、新しい商品なんてできませんから。

特許も同じです。「良いアイデアが出たら特許を出そう」と考えている会社は未来永劫、特許を出すことができません。たくさんの特許を出していく中で、キラリと光るアイデア、会社を支えていけるアイデアが出てくるんです。

ものづくりには継続性が必要です。「特許で一発当てて、大金持ちになってやろう!」なんて夢を見ないように…。ものづくりは地道な努力が報われる世界だと思いますよ。

まとめ

今週は、「新しい商品を企画・開発する」「新しい事業を起こす」という観点でニュースを解説してみました。

ZOZOスーツもそうですが、単発の商品ではなく、未来を見据えて「仕組み」を作っていくことが大事だと思いますよ!

オススメの記事

「知財ニュースを弁理士が解説!」の過去記事はこちら。

 

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。