知財ニュースを弁理士が解説!(2018年11月13日)

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。

はじめに

今日の話題は、

● 写真の無断転載
● 御朱印帳のための特殊紙
● 職人の技工を凝らしたケイソウ土バスマット
● ユニクロ・柳井さんの金言
● 特許をあえて出さないクローズ戦略

などです!

知財ニュースを弁理士が解説!(2018年11月3日)

知的財産やものづくり、ブランドづくりに関するニュースの中からヤマダが独断と偏見でチョイスしたニュースをざっくり解説する「知財ニュースを弁理士が解説!」。

● 技術<特許・実用新案>、デザイン<意匠>、著作物、商品企画等、ものづくりに関するニュース
● ブランド<商標>、不正競争等;ブランドづくりに関するニュース
● その他の気になったニュース

をまとめています!

(1)ネット上の画像はフリー素材ではない|著作権

元記事:
無料公開のイラストを無断転載 サイト側に支払い命じる異例判決|livedoor NEWS

 

デジタル技術の進展、インターネットの発達によって、高画質写真の画像データを簡単に入手できるようになりました。便利にはなったのですが、その反面、画像の無断盗用が問題となっています。その画像が著作物と認められれば、著作権侵害となるおそれがあるので要注意です。

今回の裁判で、被告側の「ニュースチャンネル」は、

「無料で公開されたイラストは誰でも閲覧でき、ネットの情報が拡散するのは周知の事実。転載されても原告に損害は発生しない」

と主張しましたが、東京地裁は、

「第三者が無断で利用することを許諾しているとはいえない」

と判断し、その主張を認めませんでした。

著作物、発明・考案、意匠、商標などの無体財産。形はありませんが他人の物です。それを勝手に拝借し、あたかも自分のものであるかのように使ってしまう。これでは他人の物を盗んでいるのと同じです。他人が苦労して作った成果に対してリスペクトを持つ。まずはここから始めてみましょう。

最近のSNSは、Twitterの「埋め込み」やFacebookの「シェア」のように、他人の投稿を転載するための公式機能を備えています。これらの機能を活用することを考えてみてください。

(2)素材×ブーム|商品企画、新規事業

元記事:苦境にあえぐ紙業界で生まれた“墨がにじまない御朱印帳”|ニュースイッチ

 

ネット文化、デジタル技術、ペーパレス化。今は紙という媒体がなくても情報を手に入れられる時代です。紙業界を取り巻く環境は確実に厳しくなっています。以前のようなやり方ではビジネスは成立しません。紙業界は業態の転換を迫られているのです。

とはいえ、紙業界には今までに積み上げてきた技術の蓄積があります。目の付け所によっては、まだまだ紙の利用価値はあるはずです。

その一つのとっかかりになるのが「ブーム」です。自分たちの技術と「ブーム」を掛け合わせて何か新しいものができないか。

自分たちの技術が「ブーム」を盛り上げる役に立たないか。そんなところから、新しいビジネスは生まれるのです。

(3)価格競争に突入した時が勝負時|商品企画、差別化

元記事:名左官職人の技巧でデザイン けいそう土バスマット|NIKKEI STYLE

 

製品にはライフサイクルがあります。導入期 ⇒ 成長期 ⇒ 成熟期と進み、最後は衰退期に入ります。製品のライフサイクルが進むと、かつては画期的だった新製品も広く普及し、いずれ汎用品化(コモディティ化)します。

製品が汎用品化すると様々な業者が参入してきて、製品の単価も下がっていきます。こうなると、価格競争に突入します。中小企業にとって、価格競争はあまり望ましくありません。売っても売っても儲からない。自分の首を締めるだけです。

ですから、価格競争に突入したときには自分のスタンスを決める選択をしなければなりません。このまま価格競争を戦い抜いて勝利を目指すのか。他の商品とは差別化して独自路線を行くのか。撤退するのか。

価格競争に突入した時が経営者にとっての勝負時なのです。

(4)アイコニックな製品を作る|ブランドづくり

元記事:
ユニクロ・柳井氏進言「BツーBではパナソニックブランドは輝かない」|ニュースイッチ

 

一言で言ってしまえば、「看板商品を作ってください」ということです。

「うちの会社は優れた技術を持っている」と、口で言っても具体的な事例がなければ理解してもらえません。例えば、アップルの「iPhone」のような看板商品を作る必要があるのです。

看板商品が認知されるようになれば、市場の信頼を得ることができます。他の商品を開発したときも「あのiPhoneのアップルが作った」という点が評価されます。

看板商品を持つことで、商売を極めて有利に運ぶことができるわけです。

(5)他社が真似できない技術は特許を取らない|特許

元記事:
【サスティナブルにっぽん~長崎県】南蛮ボード、雷模様…伝統鍛冶に新たな彩り 中村直美|SankeiBiz

 

一昔前は、新しい技術を開発したら特許を取ってその技術を独占するというやり方が一般的でした。

しかし、最近はそのやり方を見直そうという動きが出ています。

特許の出願書類には発明(技術的なアイデア)の内容を具体的に記載する必要があります。その技術がどんな内容で、どうすればそのやり方を再現できるのか。それをきちんと説明しなければ、特許庁の審査官も特許にしてくれません。

そして、特許の出願書類の内容はその発明が特許になろうがなるまいが、出願してから1年6月後に一般に公開されます(出願公開)。日本の特許庁は特許情報プラットフォーム(J-Platpat)というデータベースで特許書類の内容をインターネット上に公開しています。

即ち、特許を出すということは、自分たちが苦労して開発したノウハウをタダで(もっと言えば、お金を払って)、世界中に晒すということなのです。言い方を変えると、特許の書類は技術を真似するためのネタ元になる可能性があるのです。

「特許で護られているのだから問題ないじゃないか」と思う人も多いかもしれません。でも、事はそう簡単ではありません。

相手が特許権を侵害していると言うためには、特許権侵害の事実を特許権者側が発見し、相手が特許を侵害しているという証拠を集め、裁判で勝たなければいけません。また、相手は特許に不備がないか目を皿のようにして調べ、一つでも不備があればそこを突いてきます。この特許には不備があり、特許自体が無効であるから、特許権侵害は成立しないという主張をしてきます。

このような点を考慮すれば、あえて特許を出さず、技術情報を社内だけの秘密にしておくという選択肢もあるわけです。

ただし!

技術情報を秘密にすること(秘匿化)は特許を出願する以上に難しいことです。「ここだけの話なんだけどさ…。」は、「ここだけ」には留まりませんよね?(笑)

特許出願と同様に、秘匿化にも方法論があります。これを進めるのにも、弁理士等の専門家の力が必要です。

まとめ

積み上げてきた知的財産・知的資産。これをどう護るか、どのような形にするか、どう使っていくのか。そんなところにスポットを当ててみました。

せっかく積み上げてきた財産です。しっかり活用していきましょう!

お知らせ

11/24(土)に大きなイベントでセミナー登壇することになりました。ウェブ心理塾セミナー祭りというイベントです。

ヤマダは14時30分から「ファンを作り売上を伸ばすネーミングと商標登録のコツ」というタイトルのミニセミナーを行います。ブランドづくりの基本の「キ」についてお話しする予定です。

場所は東京・三田。参加費は1,000円です。ぜひ、ヤマダに会いに来てください。

詳しくは、こちらのページで!

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。