商品開発のヒント|はじめに
今日の題材は、伝統的な商品を現代風にアレンジした即席味噌汁「みそまる」です。
「誰かに自慢したくなる」パッケージで話題化&認知拡大/インスタント味噌汁『みそまる』の商品戦略|マーケジン
では早速、この「みそまる」の商品開発のポイントを分析していきます。
商品開発のヒント①|伝統的な商品を現代風にアレンジ
「みそまる」の商品企画の第1のポイントは、伝統的な商品を現代風にアレンジした点です。
味噌は日本に古来から伝わる伝統的な調味料です。
日本人の朝食といえば、ご飯に味噌汁が定番でしたが、パンにその座を奪われてしまいました。
健康ブームに乗って味噌のヘルシーさを訴えても、それだけではなかなか普及しない。
そこで、考えられたのが「みそまる」でした。
「みそまる」は戦国武将が携帯保存食として活用していた「味噌玉」を現代風にアレンジした商品です。
小さなボール状の味噌の中に出汁と具が入っていて、お湯を注げばすぐ味噌汁として飲むことができます。
また、即席味噌汁といえば、粉末状や顆粒状、生味噌がビニールのパッケージに詰められたもの。
ボール状という形状も斬新です。
このように、伝統的な調味料である味噌に新たな解釈を加え、味噌汁の再定義を行ったのが「みそまる」なのです。
商品開発のヒント②|見た目にもこだわる
「みそまる」の商品企画の第2のポイントは、見た目にもこだわった点です。
チョコレート…
かと思いきや、立派な即席みそ汁。
具もだしも入って、味も本格派!#みそまる #地下1階ツリーテラス #うめはんデパちか #hankyu #阪急うめだ本店 pic.twitter.com/HjVMiCli0W
— HANKYU FOOD NEWS (@hankyu_food) November 20, 2018
洒落たデザインのパッケージの中に、収められた「みそまる」。
表面には具がトッピングされ、華やかさを演出しています。
まるで有名ショコラティエが作ったトリュフチョコレートのようです。
どちらかというと古臭い食材である味噌。
これに見た目の楽しさ、ポップなテイストを加えたのが「みそまる」なのです。
商品開発のヒント③|親近感が湧く商品名
「みそまる」の商品企画の第3のポイントは、親近感が湧く商品名です。
「みそまる」は原料である「みそ」と、その形状がボール状であることを示す「まる」の合成語です。
しかし、それだけではありません。
「まる」は、「牛若丸」のように人の名前を連想させるのです。
「おじゃる丸」、「さのまる」、「むすび丸」のように「まる」が付くキャラクターも多いですね。
これにより、商品が擬人化され、親近感が湧くわけです。
これなら、古臭いと敬遠しがちな若者も興味を持ってくれそうです。
親近感が湧く商品名で幅広い層にアピールする。
そんな戦略を使っているのが「みそまる」なのです。
商品開発のヒント|まとめ
即席味噌汁「みそまる」の商品企画のポイントは、
- 伝統的な商品を現代風にアレンジ
- 見た目にもこだわる
- 親近感が湧く商品名
でした。
「みそまる」は、商品の内容、商品の見た目、商品名と、バランスよく工夫しています。
商品企画というと、商品の内容ばかりに目が行きがちです。
でも、見た目(デザイン的な視点)や商品名(ブランド的な視点)も工夫することで、商品全体のポテンシャルは上がるんです。
ぜひ取り組んでみてください!