商品開発のヒント|伝統的な商品を現代風にアレンジした即席味噌汁「みそまる」

目次

商品開発のヒント|はじめに

今日の題材は、伝統的な商品を現代風にアレンジした即席味噌汁「みそまる」です。

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では早速、この「みそまる」の商品開発のポイントを分析していきます。

商品開発のヒント①|伝統的な商品を現代風にアレンジ

「みそまる」の商品企画の第1のポイントは、伝統的な商品を現代風にアレンジした点です。

味噌は日本に古来から伝わる伝統的な調味料です。
日本人の朝食といえば、ご飯に味噌汁が定番でしたが、パンにその座を奪われてしまいました。

健康ブームに乗って味噌のヘルシーさを訴えても、それだけではなかなか普及しない。

そこで、考えられたのが「みそまる」でした。

「みそまる」は戦国武将が携帯保存食として活用していた「味噌玉」を現代風にアレンジした商品です。
小さなボール状の味噌の中に出汁と具が入っていて、お湯を注げばすぐ味噌汁として飲むことができます。

また、即席味噌汁といえば、粉末状や顆粒状、生味噌がビニールのパッケージに詰められたもの。
ボール状という形状も斬新です。

このように、伝統的な調味料である味噌に新たな解釈を加え、味噌汁の再定義を行ったのが「みそまる」なのです。

商品開発のヒント②|見た目にもこだわる

「みそまる」の商品企画の第2のポイントは、見た目にもこだわった点です。

洒落たデザインのパッケージの中に、収められた「みそまる」。
表面には具がトッピングされ、華やかさを演出しています。
まるで有名ショコラティエが作ったトリュフチョコレートのようです。

どちらかというと古臭い食材である味噌。
これに見た目の楽しさ、ポップなテイストを加えたのが「みそまる」なのです。

商品開発のヒント③|親近感が湧く商品名

「みそまる」の商品企画の第3のポイントは、親近感が湧く商品名です。

「みそまる」は原料である「みそ」と、その形状がボール状であることを示す「まる」の合成語です。

しかし、それだけではありません。
「まる」は、「牛若丸」のように人の名前を連想させるのです。
「おじゃる丸」、「さのまる」、「むすび丸」のように「まる」が付くキャラクターも多いですね。

これにより、商品が擬人化され、親近感が湧くわけです。
これなら、古臭いと敬遠しがちな若者も興味を持ってくれそうです。

親近感が湧く商品名で幅広い層にアピールする。
そんな戦略を使っているのが「みそまる」なのです。

商品開発のヒント|まとめ

即席味噌汁「みそまる」の商品企画のポイントは、

  1. 伝統的な商品を現代風にアレンジ
  2. 見た目にもこだわる
  3. 親近感が湧く商品名

でした。

「みそまる」は、商品の内容、商品の見た目、商品名と、バランスよく工夫しています。

商品企画というと、商品の内容ばかりに目が行きがちです。
でも、見た目(デザイン的な視点)や商品名(ブランド的な視点)も工夫することで、商品全体のポテンシャルは上がるんです。

ぜひ取り組んでみてください!

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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