商品開発のヒント|水中で着られるウエディングドレス
今日の題材は、ブライダルブランドの「アリーズ(ALLIES)」が製作した水中で着られるウエディングドレスです。
「水中で着られるウエディングドレス インスタ映えニーズに応える|WWD
では早速、水中で着られるウエディングドレスの商品企画のポイントを分析していきます。
商品開発のヒント①|商品を使うシチュエーションをずらす
この商品企画の第1のポイントは商品を使うシチュエーションをずらした点です。
通常、ウエディングドレスを使うシチュエーションといえば、ホテルの結婚式場や教会と相場が決まっています。
作り手も知らず知らずのうちに、その既成概念の中に組み込まれています。
そうすると、斬新な発想は出にくくなるわけです。
だから、斬新な商品を企画したい場合は、商品を使うシチュエーションをずらすのが効果的です。
この事例では、最近流行りのリゾートウェディングに目をつけました。
ホテルの結婚式場や教会等の都会・街中からリゾート地にシチュエーションをずらしたわけです。
場所が変われば、それにフィットするウェディングドレスの内容も変わってくるはずですよね?
それが新しいアイデアを生み出すための刺激となります。
このように、商品を使うシチュエーションをずらすことで、新商品の企画が生まれやすくなるわけです。
商品開発のヒント②|そのシチュエーションに合った機能を考える
この商品企画の第2のポイントはそのシチュエーションに合った機能を考えた点です。
商品を使うシチュエーションをずらすことで、「リゾートウェディング」というキーワード・コンセプトが出てきました。
次は、リゾートウェディングで使うドレスにどんな機能が求められるかを考えます。
リゾートといえば海辺。
結婚式といえば写真。
波打ち際で、もっと大胆に、海の中に入って美しい写真を撮りたい。
そんな要望も出てくるのではないでしょうか?
そうすると、通常のドレスの素材は水に弱い。
濡れると生地が傷んでしまう。
ということで、シチュエーションに合った機能を考えることで、商品の形が具体的になっていくわけです。
商品開発のヒント③|アイデアをブラッシュアップする
この商品企画の第3のポイントは基本的なアイデアをブラッシュアップした点です。
単に防水性の高い素材を使うだけでは、ウェットスーツのようなゴワゴワしたドレスになってしまいます。
そんなドレスではインスタ映えするような美しい写真は撮れません。
これではユーザーは満足しませんよね?
ということで、この商品では防水性を上げるという基本的なアイデアを更にブラッシュアップしています。
ネオプレン素材のシート厚を1-2mmまで薄くする。
防水性の高い織物素材をネオプレ素材と併用する。
スカート部分をすぐ外せるよう、スナップによる着脱式とする(水辺での安全性への配慮)。
このように基本的なアイデアを決定した後、細部についてブラッシュアップして最終製品に仕上げていきます。
基本的なアイデアやコンセプトはいいのに詰めが甘いという例もよく見かけます。
最後まで、手を抜かずにアイデアを突き詰めていくことが良い商品を作るためには大事です。
こうしてできあがったのがこのドレスです。
これなら一生の思い出となる美しい写真が撮れそうですね!
【ニュース】水中で着られるウエディングドレス インスタ映えニーズに応えるhttps://t.co/6xKmpX3WCz#ALLIES pic.twitter.com/vihNnAkhVZ
— WWDJAPAN (@wwd_jp) March 10, 2019
商品開発のヒント|まとめ
水中で着られるウエディングドレスの商品開発のヒントは、
- 商品を使うシチュエーションをずらす
- そのシチュエーションに合った機能を考える
- アイデアをブラッシュアップする
でした。
ありきたりの商品でもシチュエーションをずらすと、斬新なアイデアが生まれる可能性があります。
いつもとは違うシチュエーションを設定して、その中で商品を動かしてみましょう!