何故、最近の非常食は美味しいのか?|現場の生の声を聞く|事例から学ぶ商品企画のツボ

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昨日3月11日。
あの東日本大震災から8年が経ちました。

今日の題材は、最近、美味しくなったと評判の非常食です。

何故、最近の非常食は美味しいのか?|現場の生の声を聞く|事例から学ぶ商品企画のツボ

では早速、美味しくなった非常食の商品企画のポイントを分析していきます。

(1)現場の生の声を聞く

この商品企画の第1のポイントは現場の生の声を聞いた点です。

非常食というと、

● 緊急時に飢えを凌ぐためのもの
● 長期保存可能であることが最重要
● 必ずしもおいしいものではない

といったイメージがあります。

しかし、それはあくまでイメージです。
実際に被災した人の声を聞いてみると、それとは違った意見も出てくるはずです。
実際、今回紹介する非常食も被災者の声を元に開発された商品です。

 

まずは先入観を排し、現場の生の声を聞いてみる。
災害に真摯に向き合ってみる。

そうすることで、被災地で本当に求められている商品を生み出すことができるのです。

(2)先入観を捨てる

この商品企画の第2のポイントは先入観を捨てた点です。

被災地・災害現場というと、まず思い浮かぶのは「食料不足」。
しかし、実際に被災した人に話を聞いてみると、

「食べ物は予想していたよりも豊富にあった」

 

という声が出てきたりします。

その一方で、

「でも、同じような食べ物(おにぎり等)が多くて飽きた」
「水が少なくてあまり飲めないから、パサパサしたもの(乾パン等)は食べにくかった」

 

なんて声が出てくるわけです。

要するに、被災地での真の問題は食糧不足ではなく、美味しいものがないというところにあるわけです。

それなのに、頭の中のイメージだけで、「とにかく飢えを凌げるように」と、保存性だけが優れた、あまり美味しくはない非常食を作ってしまう。
そんな商品では喜ばれるわけがないんです。

先入観を捨て、現場の状況を客観的に分析し、真に求められている商品は何かを突き詰める。
それをして初めて、良い商品を作ることができるのです。

(3)コンセプトを実現するための具体的な形を考える

この商品企画の第3のポイントはコンセプトを実現するための具体的な形を考えた点です。

「美味しい非常食」というコンセプトができたら、それをどんな形で商品にしていくか、具現化する方法を考えます。

 

トーヨーフーズが考えたのは「缶入りスイーツ」です。

避難所で制約が多い不自由な生活をしていると、楽しみはやっぱり食べること。

被災直後は食べ物があるだけでもありがたいのかもしれません。
でも、避難生活が長期に渡ってくると、ただお腹を満たすだけではなく、嗜好品も食べたくなってくるわけです。

そんな被災者たちの潜在的な要望を満たすため、トーヨーフーズは「缶入りスイーツ」という形を考えたわけです。
具体的には、生地を缶に詰め、真空調理を行うことで、長期保存が可能なスイーツを作り上げました。
味のバリエーションも、チーズケーキ、ガトーショコラ、カップケーキの3種類。
つらい避難生活に、ちょっとした楽しみができそうです。

 

一方、JA北大阪が開発したのは「飲めるごはん」。

米や小豆などを炊き上げてトロトロにし、ごはんを飲めるようにしました。
おかゆをもっと緩くした感じですね。

「飲めるごはん」は、乾パンのようなパサパサした食品は食べにくいという被災者の要望に応えたもの。
栄養分と水分を一緒に採れるので便利ですね。

まとめ

美味しくなった非常食の商品企画のポイントは、

(1)現場の生の声を聞く
(2)先入観を捨てる
(3)コンセプトを実現するための具体的な形を考える

でした。

商品企画で思い込みは厳禁です。
足を使って、現場の生の声を集め、分析してみましょう!

 

今回のネタ元は以下のニュース記事です。
興味のある方はこちらもご覧くださいね。

ネタ元の記事:缶入りスイーツに飲むごはん 非常食はここまで進化|NIKKEI STYLE

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。
 

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