商品開発のヒント|油分をカットしてくれるお皿「カロリカ」

目次

商品開発のヒント|はじめに

今日の題材は、油分をカットしてくれるお皿「カロリカ」です。

余分なカロリー(油分)をカットできるお皿「カロリカ 」|Makuake

Makuake(マクアケ)
Makuake|余分なカロリー(油分)をカットできるお皿「カロリカ 」|Makuake(マクアケ) 日常を生きていれば、忘れてしまうけど、病気になったりして、はじめて健康のことを意識します。それは自分の親も同じで、病気になって、いつか居なくなるんです。普段...

「カロリカ」は中心部が高く、中心から縁に向かってねじれた畝(でっぱり)が形成されたお皿です。
「カロリカ」に料理を載せると、料理に付着した油が畝に沿って皿の縁の方に流れていくように考えられています。

では、早速、「カロリカ」の商品企画のポイントを分析していきます。

商品開発のヒント①|見るだけで効果がわかる構造

この商品企画の第1のポイントは効果がわかりやすい構造です。

「カロリカ」は、油分をカットしてくれるお皿です。
健康に気を使う人にとって油は大敵。
摂取する油の量を少しでも抑えたいわけです。

「カロリカ」を使うと、料理に付着した油が皿の縁の方に流れていって溜まります。
ユーザーからすると、「これだけの油を摂らずに済んだ」ということが手に取るようにわかるってことですね。

他にも、「カロリカ」をひと目見れば、

  • 料理を「カロリカ」の上に置くだけで、勝手に油が流れてくれる。手間がかからない
  • 一度買えば、繰り返し使うことができるし、電気代も不要。コストがかからない
  • 食事制限も運動も不要

といったメリットが手に取るようにわかるわけです。

見るだけで効果がわかる構造にする。
効果がよくわからないもの(例えばダイエットサプリ等)に比べたら、買ってもらいやすくなるはずです。

商品開発のヒント②|従来品との差別化

この商品企画の第2のポイントは従来品との差別化です。

油を落とすためにお皿の表面に畝(でっぱり)を付けたり、溝を切ったりする。
こういうアイデアは比較的思いつきやすいアイデアだと思います。

実際、こんな構造のお皿が実用新案登録されています。

▲実用新案登録3043757:図3(特許情報プラットフォームより引用)

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皿の表面に溝が切られているために、「カロリカ」と同様に複数の畝(でっぱり)が形成された構造になっています。

このように比較的近い考え方の従来品があるときには、

  • 自分たちの商品と従来品は構造的にどこが違うのか
  • 構造の違いによって、従来品とはどんな効果の差が出てくるのか

を明らかにして従来品と差別化することが望ましいです。

従来品は中心が低いすり鉢状になっています。
これを「カロリカ」のように中心が高い山型に改良するのは比較的簡単に思いつきます。

しかし、従来品を山型に改良しただけだと不具合が生じるのです。
従来品では皿の縁に向かって直線的に畝が形成されていますよね。
「カロリカ」のように畝がねじれていません。
このような構造だと、畝に沿って皿の縁と直交するように油が流れるために、皿の縁から油が飛び出してしまうのです。

そこで、「カロリカ」では皿の中心から縁に向かってねじれた畝(でっぱり)を形成しています。
油は畝に沿って渦を巻くように流れるので、皿の縁から油が飛び出しにくいというわけです。

従来品との構造の違いと構造の違いによる効果の違い。
これを明確に説明することで、従来品とは差別化することができます。

実際、「カロリカ」はこの点をうまく説明したことで、特許を取得することにも成功しています。

▲ 特許6352515:図1(特許情報プラットフォームより引用)。

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商品開発のヒント③|独自構造を実現する製法の調達

この商品企画の第3のポイントは独自構造を実現する製法です。

「カロリカ」のように、皿の中心部を高くする構造は焼き物で作るのは難しいとされています。
粘土をその形に成形しても、焼く時の高温で粘土が柔らかくなり、中心部が潰れてしまうためです。

そこで、最新技術を持つ窯元に依頼して、この特殊形状を実現することに成功しました。

こういう技術的課題を自分だけでクリアするのは難しいこともあります。

餅は餅屋。
その技術に長けたパートナーを見つけると、商品開発の期間を短縮することができるのです。

商品開発のヒント|まとめ

油分をカットしてくれるお皿「カロリカ」の商品開発のポイントは、

  1. 見るだけで効果がわかる構造
  2. 従来品との差別化
  3. 独自構造を実現する製法の調達

でした。

自分の企画だけじーっと見つめていても、良い商品はできません。
他社の商品・従来品をじっくり観察し、差別化ポイントを探っていくのが大事ですよ!

この記事を書いた人
山田 龍也
クロスリンク特許事務所 代表弁理士。知財活用コンサルタント・ネーミングプロデューサーも務める。 中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。
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