事例・+maffs「モノトーン色の消火器」から学ぶ商品企画のツボ|機能追求は作り手のエゴ?

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)所長、弁理士の山田龍也(@ta2_ymd)です。

はじめに

東日本大震災以降、「うちも防災グッズを用意しないと…」と思っている方は多いのではないでしょうか?

そんな中、新しいコンセプトの防災ブランド「+maffs(マフス)」が話題になっています。

今日は、この「+maffs(マフス)」の「モノトーン消火器」の商品企画を分析します。

事例・+maffs「モノトーン色の消火器」から学ぶ商品企画のツボ|機能追求は作り手のエゴ?

● 商品企画・商品開発
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に関するニュースを題材に、中小企業様がオリジナル商品を企画・開発する際に役立つ情報をお届けする「事例から学ぶ商品企画のツボ」。

 

今日の事例は、モリタ宮田工業の新ブランド「+maffs(マフス)」の「モノトーン色の消火器」です。

 

このモノトーン色の消火器の商品企画の参考にすべき点をピックアップしていきます。

(1)今までにないコンセプトを打ち出す

参考にすべき点の1つ目は、今までにないコンセプトを打ち出している点です。

今までにないコンセプトを打ち出すことによって、それまで商品に対して興味を持たなかった人が興味を示し、市場が広がる可能性があるからです。

 

モリタ宮田工業は消火器や消火設備の製造・販売・施工を事業とする会社です。
このモリタ宮田工業が2019年の1月に立ち上げた新ブランドが「+maffs(マフス)」です。
「防災をライフスタイルに。」をコンセプトとしています。

「防災」というと、怖い災害から身を護るための手段というイメージがあります。
どちらかと言うと、ネガティブなイメージです。
消火器のような防災用品は「負を解消するための商品」として捉えられているわけです。

 

これと一線を画するのが、「+maffs(マフス)」の「防災をライフスタイルに。」というコンセプトです。

「+maffs(マフス)」はこのコンセプトによって、

「もっと防災をライフスタイルの中に取り込んでいきましょう!」
「日常生活の中に自然に『防災』がある環境を作っていきましょう!」

 

というポジティブなメッセージ、新たな価値観を発信しているわけです。

 

「防災用品」に興味がない、或いは興味はあるけれども、なかなか手が伸びない。
そういう潜在的な需要を掘り起こすためには、従来とは異なる提案をすることが重要です。

それがフックとなって、商品に興味を持ってくれる人が出てくる可能性があるのです。

(2)商品の本質的機能から一旦離れる

参考にすべき点の2つ目は、商品の本質的機能から一旦離れている点です。

見込客は商品の機能や性能よりも、それを使うことによって自分にどんなプラスがあるかの方に興味があるからです。

作り手には常に「良い商品を作りたい」という願望があります。
「高機能の商品を開発したい」、「商品の性能をもっと上げたい」という欲求があります。
こういう姿勢がものづくりのレベルを上げているのは間違いありません。

しかし、それも度を過ぎてしまうと、見込客が置いてけぼりになってしまいます。
見込客が首を傾げてしまう、オーバースペックの商品を作っても意味はないのです。

「8Kテレビ? ハイビジョンでも十分キレイだし満足してますけど??」

 

みたいなことになるわけです。
機能追求は作り手のエゴともなりかねないということです。

 

今回の例で言うと、消火器の本質的機能である消化性能から一旦離れて、色・カラーリングというものを全面に打ち出しています。
消火器は危険な時に目立つように、どぎつい赤というのが一般的。
それを周りのインテリアにも馴染みやすいシンプルなモノトーンにしたわけです。

 

今まで消火器を買わなかった人に、「今度の消火器は消化性能が格段に上がってまして…」というセールストークをしても買ってはもらえません。

そこで、「今度の消火器には白と黒のカラーバリエーションが増えたんですよ。キッチンに置いてもおしゃれだし、周りのデザインを邪魔しませんよ」なんていい方をする。

受け手の印象はかなり変わるはずです。

 

見込客が求めている価値は必ずしも商品の機能や性能だけではないという点は頭に入れておきたいところです。

(3)商品の活用シーンをイメージする

参考にすべき点の3つ目は、商品の活用シーンをイメージした点です。

商品を単品で見ているだけでは、その商品が実際に使われた時の問題点をイメージすることができないからです。

 

商品というのはそれ単品で使われることはまずありません。
他の商品とともに使ったり、一緒に置かれたりすることが殆どです。

それなのに、自分の商品だけをじっと見つめて、そのことだけを考えているとどうなるか?
実際にその商品を使うシーンで周りの商品と調和がとれず、浮き上がってしまうということが起きるのです。

 

今回のモノトーン色の消火器は、実際にキッチンに消火器を置いた時のことを考えて、カラーリングに工夫を施しています。
最近、主婦の間では、生活感を隠す収納がブームのようです。
そういう人たちからしたら、キッチンに真っ赤な消火器がドーンと置いてあったら困るわけです(笑)

このように、色を変えるというだけで新たな市場が開ける場合があるのです。

まとめ

「モノトーン色の消火器」の商品企画の参考にすべき点は、

(1)今までにないコンセプトを打ち出す
(2)商品の本質的機能から一旦離れる
(3)商品の活用シーンをイメージする

でした。

機能や性能だけが商品の魅力ではありません。
見込客の感情を動かすにはどうしたらよいか考えてみましょう。

特にデザインは感情を揺さぶるのに重要です。
中身だけでなく、外面も大事ですよ!

 

今回のネタ元は以下のニュース記事です。
興味のある方はこちらもご覧くださいね。

参考:白い消火器、キッチンに置く? 防災機器に新デザイン|NIKKEI STYLE

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。
 

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