東洋経済オンラインにこんな記事が出ていました。
「事故物件」だけを扱う不動産会社の本当の狙い|東洋経済ONLINE
「事故物件」と聞いたら、どんなイメージを持ちますか?
「縁起が悪い」
「住んで大丈夫なの?」
「何か出そう…」
そんなイメージを持つのが普通ですよね(笑)
でも、そんな「事故物件」に目をつけてサービスにしてしまったのが「成仏不動産」。
不動産仲介サイトです。
では、この「成仏不動産」からビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方を学んでいきましょう!
先にポイントを挙げておきます。以下の3つです。
② 独自の提供価値を作る
③ 競合に対する強みを作る
では、それぞれのポイントについて解説していきます。
ビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方①|市場(ニーズ)を見つける
「成仏不動産」の最初のポイントは市場(ニーズ)を見つけた点です。
普通の人なら敬遠するような「事故物件」。
でも、逆に「事故物件」を求めている人もいるんです。
お家賃が安いですからね。
あえて事故物件ばかりに住むという物好きもいるようです。
意外ですが、「事故物件」のニーズはあるということです。
「事故物件」のニーズは借り手側だけではありません。
「事故物件」をいち早く貸したい人もいます。
意図せず、事故物件を持つことになってしまった大家さんです。
所有している物件で、死亡事故や殺人事件が発生した。
大家さんには何の責任もありません。
でも、「事故物件」の烙印を押されてしまったが最後。
その物件の市場価値は低下し、借り手が付きにくくなります。
今まで人気があった物件が、ずーっと空き部屋のまま。
そんなことにもなりかねない。
事故物件を借りたい人がいるなら、いち早く貸したいわけです。
「成仏不動産」のように、一見、求められていないように見えて実は求める人がいる「市場(ニーズ)を見つける」ことでその市場を独占することができるということです。
ビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方②|独自の提供価値を作る
「成仏不動産」の2番目のポイントは独自の提供価値を作った点です。
事故物件は、言ってみれば「脛に傷ある物件」。
だから、その事実はなかなか表に出てきません。
自分の物件が事故物件だなんて、おおっぴらにしたくないですもんね。
大家さんも仲介業者も。
そして、事故物件の数はさほど多くはありません。
だから、なかなか見つけられない。
借りたくても借りられない人がいるわけです。
一見、厄介者のように見える事故物件。
でも見る人が見れば、希少価値が高いレア物なんです。
ここに目をつけたサービスが「成仏不動産」です。
事故物件を借りたい人がいて、事故物件を貸したい人がいる。
だったら、その人たちをマッチングしてあげようということです。
成仏不動産のサービスの特徴(独自の提供価値)は、
- 一般の人では入手し難い事故物件の情報を収集する
- 希少な事故物件の情報を一箇所で閲覧可能にする
- 事故物件を貸したい人と借りたい人をマッチングする
という点にあります。
もう少し噛み砕いて言うと、
- 事故物件を市場に出回る商品に昇華させた
- 事故物件を気軽に見られるショーウインドウを作った
ということですね。
「独自の提供価値を作る」ことで競争から抜け出すことができます。
他では提供していないわけですから、そもそも競争にならないわけです。
一人勝ちですね。
ビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方③|競合に対する強みを作る
「成仏不動産」の最後のポイントは競合に対する強みを作った点です。
成仏不動産の強みは、何と言っても事故物件に特化したサイトである点でしょう。
サービスアイテムを一本に絞り込んでいます。
すごく解りやすい。
「事故物件」という旗を立てる。
そうすることによって、
- 「事故物件」を求める人
- 「事故物件」で困っている人
が集まってきます。
ビジネスを成功させるためには、「わかりやすい旗を立てる」ことが一番です。
良い商品・良いサービスを持っていても、それを見込み客にアピールしなければ、何も起こりません。
結構、そういう会社さんは多いんです。
「競合に対する強みを作る」こと。
それが選ばれる理由になり、競合と差別化するポイントになるわけです。
ビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方|まとめ
「成仏不動産」を題材に、ビジネスモデル・儲かる仕組みの作り方を探ってみました。
いかがでしたか?
ポイントを復習しておきましょう。
ポイントは以下の3つです。
② 独自の提供価値を作る
③ 競合に対する強みを作る
「成仏不動産」は、特殊ニーズ(事故物件)を見つけ、それに特化したサービスを展開したことによってコアなファンが付き、人気が出ました。
今後、お年寄りの一人暮らしがどんどん増えます。
残念ながら、孤独死等で事故物件も増えていくと思います。
成仏不動産は時代を先取りしたビジネスと言えるのかもしれません。