特許料・審査請求料を節約できる平成26年度開始の「新・軽減措置」を利用しよう ~特許料等の減免制度~

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。

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目次

はじめに

今日は、特許を取りたい中小企業にかなりお得な情報を紹介します。特許料を易く済ませることができる、特許料などの減免制度のお話です。

中小企業の知財活動の状況

中小企業白書2014年版(*1)によると、日本には約386万の企業があります。このうち、中小企業(小規模事業者も含む)は約385万。全企業数の99.7%以上を占めています。

そして、特許庁総務部普及支援課が調べたところによれば、日本の企業は、日本国特許庁に約27万件の特許を申請しています。しかし、このうち中小企業が申請した特許は約3万件。全申請数の約12%にすぎません

企業の中には非技術系の企業(サービス業など)も含まれています。数だけで比較するのは乱暴だという意見もあるでしょう。しかし、同様の調査で、米国の中小企業が申請した特許は全申請数の約25%を占めているそうです。日本の倍ですね。

日本の中小企業は技術力が高いと言われています。それにしては、かなり寂しい数字ではないでしょうか。

中小企業に対する支援策

中小企業の頑張りがなくては、日本の産業を活性化し、底上げすることはできません。

特許庁も中小企業を「イノベーションの源泉」、「地域雇用の担い手」として重要な存在と位置づけていて、様々な支援策を打ち出しています。

支援策の例としては、

● 知財に関する課題をワンストップで解決する「知財総合支援窓口」
● 特許料などを軽減・免除する「特許料などの減免制度」
● 外国出願を促進するための「外国出願支援補助金」
● 海外での模倣品対策を支援するための「海外侵害対策支援補助金」

などがあります。

平成26年度開始の「新・軽減措置」が狙い目

様々な支援策の中でも、おススメなのが「特許料などの減免制度」です。特に平成26年度に開始された「新・軽減措置」が狙い目です。

この制度を利用すると、特許出願を審査してもらうために必要な審査請求料や、権利を維持するために必要な特許料が1/3に軽減されます。

知的財産関係の補助金や助成金はあちこちで見かけます。「新・軽減措置」は、これらの補助金・助成金や他の減免制度と比較して以下のようなメリットがあります。

(1)条件がかなり緩い

赤字(非課税法人)である必要はありません。企業が小規模であれば申請することができます。

法人であれば、

a)従業員20人以下であること
b)設立後10年未満で、かつ資本金3億円以下であること
c)他の法人に支配されていないこと(株式総数や出資総額で決まります)

が条件です。

(2)申請手続きが簡単

事業計画書などの難しい書類を作成する必要がありません。上記aーcの条件を満たしていることを証明する書面を提出すれば申請することができます。

(3)受付期間が長い

平成26年4月から平成30年3月の間に特許出願の審査を請求すれば減免の対象になります。

(4)採択のための審査がない

上記a-cの条件を満たす出願であれば、全て減免の対象になります。

特許庁の担当者の方は「かなり使いやすい制度だと思いますが、認知度が低く、あまり利用されていません。」と嘆いていました。もったいないですね!

「予算をたくさん取ったので、どんどん使ってください。」というお話だったので、積極的に活用していきましょう!

特許庁が公開しているリーフレット(*2)を参照してください。今後、他の支援策についても紹介していきたいと思っています。

参考サイト

(*1)中小企業白書2014年版 付属統計資料,p71

[blogcard url=”http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/18Hakusyo_huzokutoukei.pdf”]
(*2)リーフレット「特許関係料金減免制度のご案内 概要版(対象:個人・中小企業等)」

[blogcard url=”http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/pdf/panhu/exemption_info.pdf”]

まとめ

1.日本の中小企業は技術力が高いわりに、あまり特許を申請していない。
2.特許庁は中小企業を支援するための様々な支援策を打ち出している。
3.特に平成26年度に開始された「新・軽減措置」が狙い目。

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