ものづくりに関するセミナーに参加してきました。テーマは「Withコロナ時代のビジネス創造」。講師は炭酸水「WILKINSON」の赤ラベルをデザインした新宮健二さんです。このセミナーを聴いて、これからのものづくりのキーワードは、コンセプト、デザイン、ファンづくりだろうと理解しました。
セミナー「Withコロナ時代のビジネス創造」に参加してきました
Twitterを眺めていたらこんなTweetが流れてきました。
ウィルキンソン炭酸水の人気の秘密を知りたくないですか?
財津 優@新刊「リモート営業の極意」@zai312|Twitter
一般社団法人switcherの新宮理事長はウィルキンソンの赤いパッケージをデザインし、ヒットに導いた方です!
ものづくりに関するセミナーでヒット商品の裏側が覗ける。面白そうですよね。セミナー当日は自宅でオンラインミーティング。17時まで弁理士会の委員会の会合がありました。でも、ラッキーなことに会場は自宅の徒歩圏。迷うことなく申し込みました。
自宅から歩いて15分。会場の浅草ものづくり工房に到着。台東区立産業研修センターの隣。隅田川を一望できる場所にありました。
セミナー概要
セミナータイトルは「With コロナ時代のビジネス創造」。「ものづくりのクォリティと売上を上げるファンづくり」というサブタイトルが付いています。
2019年から続く新型コロナウイルスの流行によって、人々のライフスタイルも、ものづくりや商品販売を取り巻く環境も大きく変わりました。この劇的な環境変化に対してものづくりを営む事業者はどう対応していけばよいか?それを探っていくのがこのセミナーのテーマです。
講師の新宮健二さんはアサヒ飲料・マーケティング部のご出身。飲料メーカーでクリエイティブデザインに深く関わってきた方です。代表作は炭酸水「WILKINSON」の赤ラベルのデザイン。商品をどう作っていくか、商品をどう伝えていくかという観点でお話しして頂きました。
セミナーで学んだこと
以下、このセミナーを聴いて得られた学びを備忘録的にまとめておきます。これは新宮さんの話を私の頭で理解し、解釈したものです。必ずしも新宮さんのお話をそのまま再現したものではありません。その点はご了承ください。
ネット販売への対応
今後は店頭販売の比率が減り、ネット販売の比率が増えていきます。店頭販売とネット販売では商品の見え方も顧客との距離感も違います。それらを考慮して売り方を考えていかないといけないということです。例えば、WILKINSONのような炭酸水でもコンビニで売る場合とネット販売する場合では当然、施策が変わってくるはずです。
差別化戦略の強化
量産して安い商品を提供するか(価格戦略)、より良い商品を単価を上げて提供するか(差別化戦略)。昔からある議論ですが、概ね結論は出ています。中小企業や個人は差別化戦略の一択でしょう。
量産により価格を抑えるというやり方は大企業ならではのやり方です。そして、顧客はより安価な商品が現れればそちらに流れていってしまいます。そして、今後は販売が実店舗からネットに移行していく。商品を実際に手に取る機会は確実に減り、商品同士を比べることも難しくなる。個性のない量産品はますます不利になっていくはずです。
そうすると、中小・個人はユニークで個性あふれる商品を企画し、商品を買った人にファンになってもらい、リピート購入してもらうという方向で考えるのが良さそうですよね。
コンセプトとデザイン
では、これからのものづくりで大事なことは何か、どんな商品づくりをしていけばいいのか。私は以下の3点ではないかと考えています。
- コンセプトを持った商品づくり
- デザインの視点
- (ただ商品を売るのではなく)ファンを作るという思想
商品の機能的な面での質が求められるのは勿論、コンセプト(顧客へのメッセージ)を持った商品づくりと、そのコンセプトを表現するデザインの視点が求められると思いますね。コンセプトに共感すれば商品を買ってくれるはずです。良い商品を提供するというだけでなく、買ってくれた人にファンになってもらうという考え方も大事ですね。ファンを増やしていければリピート購入も期待できますから。
人気商品+αの思想
このセミナーの中で印象的だったのは、
人気商品をベンチマークする。消費者がその人気商品にほんの少しだけ感じている不満を解消してあげる。大企業はみんなそうしている。
というお話。
新しい商品を作ろうとすると、「革新的な商品を生み出さなければ!」と肩に力が入ってしまいます。でも、必ずしも一から全部作る必要はないんですよ。売れる商品の本質は昔からそんなに変わりません。それなら人気商品を徹底的に分析して、そこにほんの少し独自の工夫を足せばいい。
「ポッキー」をベンチマークして、「Fran(フラン)」を作る。「ポカリスウェット」をベンチマークして「DAKARA」を作る。そこには独自の工夫が加えられていて、選考する人気商品とは全く別の商品として認知されていますよね。こういうやり方でも十分、価値は生み出せるし、売れる商品を作れるということなんです。
まとめ
なかなかおもしろいセミナーでした。日本のものづくりはまだまだ可能性を秘めている。私はそう信じているのでね。これからも中小製造業をサポートしていきたいと思っています。