商品の差別化はターゲットの「購買心理」を意識せよ

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はじめに

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上記の記事では、機械音痴の彼女がiPhoneを買う理由について考えました。

彼女がiPhoneを選ぶ理由は「品質」や「性能」ではありませんでした。それでは彼女はどんな理由でiPhoneを選んでいるんでしょうか?

今日は「人がモノを買う時の心理(購買心理)」と「差別化」の関係について考えてみたいと思います。

人がモノを買う時の心理(購買心理の7段階)

人がモノを買う時に共通する心の動きがあります。これを「購買心理」と言います。

商品の「差別化」は見込み客(ターゲット)にモノを買ってもらうための手法です。だから、ターゲットの「購買心理」を意識して、商品の「差別化」をすることが大事です。

「購買心理」には7つの段階があります。

【①注意】 んっ? 何これ?
【②興味】 へーっ。こんなのがあるんだ!
【③連想】 これを持ってたら便利そう!
【④欲望】 欲しい! 使ってみたい!
【⑤比較】 他にもっと便利なモノはないのかな?
【⑥確信】 やっぱり、最初に見たモノがいい!
【⑦決断】 買おう!

人はこの7段階を経て、モノを買っているということです。

購買心理で大事なのは前半の4段階

赤で示した「①注意」、「②興味」、「③連想」、「④欲望」。これらは感情的、直感的、右脳的な思考に基づく心理です。

一方、青で示した「⑤比較」、「⑥確信」、「⑦決断」。これらは理性的、論理的、左脳的な思考に基づく心理です。

この図からは、以下のことがわかります。

● 人がモノを買うときには、まず感情が動く(理性は後)
● 感情が動かなければ、人はモノを買ってくれない(感情を動かすことは必須)
● 「欲しい!」という欲望が湧くまでは、人は感情に支配されている
(買いたいという欲望が湧くまでに理性が入り込む余地はない)

人は「欲しい!」という欲望が湧いた時点で、大方、モノを買うことを決めています。購買心理の7段階のうち大事なのは前半の4段階で、殆どそこで勝負がついているのです。

その後、理性が働いて「比較」をしようとしますが、それは「衝動買いではない」という言い訳をするために、一応の確認作業をしているにすぎません。

人は「感情、直感、右脳」でモノを選び、「理性、論理、左脳」でそれを正当化しているのです。

「購買心理」と「差別化」の関係

このように、モノを買ってもらうためにはターゲットの感情を動かすことが必要です。品質や機能の良さを訴えて論理的に説得しようとしても、人はモノを買ってくれません。

ですから、商品の差別化においても、ターゲットの感情を動かせるような「売り」(商品独自の個性や魅力)を作る必要があります。

カッコいい、カワイイ、スゴイ、ステキ…。そんな感情を引き起こすような「売り」を作らないといけません。

人の感情を動かすのは五感(見た目、音、匂い、味、手触り)です。

iPhoneのスマートなデザインや高級な質感。これらは、たとえ機械のことがわからない彼女にも魅力的なものに映り、その感情を動かす「売り」になるはずです。

山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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