はじめに
上記の記事で、
● 人にモノを買ってもらうにはその人の感情を動かさなければいけない。
● 商品の差別化においても、ターゲットの感情を動かす「売り」を作る必要がある。
というお話をしました。
でも、具体的にどういう部分で差別化すればよいのか、イメージするのは難しいですよね。
今日は、ヒット商品を分析して分かった、差別化の「7つの戦略」についてお話しします。
差別化の「7つの戦略」
様々なヒット商品を分析してみると「売れるには売れる理由がある」ことがわかります。商品の売れ方は様々で、商品によって差別化の戦略も違います。
そこで、様々なヒット商品を分析し、どんな差別化戦略を採っているのかを類型化(パターン分け)してみました。これが「7つの差別化戦略」です。
ざっと並べてみると、こんな感じです。
【戦略①】「ターゲット」で差別化
【戦略②】「デザイン」で差別化
【戦略③】「形状+機能」で差別化
【戦略④】「イイとこ取り」で差別化
【戦略⑤】「こだわり機能」で差別化
【戦略⑥】「商品の再定義」で差別化
【戦略⑦】「付属品や付帯機能」で差別化
それぞれの戦略の特徴を簡単に説明します。
【戦略①】「ターゲット」で差別化
●「ターゲット(見込み客)」をぎゅっと絞り込む
● 今までとは「ターゲット」を変える
ことで商品を差別化する戦略です。
その商品が「他の誰でもなく、自分のために作られたものだ」と思ってもらえれば、「ターゲット」の感情を動かすことができます。
例えば、お年寄りに使いやすい「らくらくスマートフォン」(NTT docomo)等。
【戦略②】「デザイン」で差別化
機能的に差がなくても、「デザイン」を良くすることで商品を差別化する戦略です。
機能に差がないなら、「デザイン」がイイものを選ぶのが人情です。素晴らしい「デザイン」は、それだけでターゲットの感情を動かすことができるのです。
例えば、スタイリッシュなデザインの「iPhone」(アップル)等。
【戦略③】「形状+機能」で差別化
「機能」の新しさや良さを商品の「形状(見た目)」に反映させて商品を差別化する戦略です。
ターゲットの感情を動かすには「商品の良さを直感的にイメージできる」ことが大事です。見ればわかる「わかりやすさ」はターゲットの感情を動かします。
例えば、角が28個あって消しやすい消しゴム「カドケシ」(コクヨ)等。
【戦略④】「イイとこ取り」で差別化
本来は両立しないはずの「イイとこ」を2つとも実現して商品を差別化する戦略です。
「あちらを立てれば、こちらが立たない」そんな問題を一挙に解決することで、ターゲットの感情を動かすことができます。
例えば、タバコ本来の旨味と電子タバコの良さ(火を使わない、煙が出ない、有害成分が少ない)を兼ね備えた「iQOS」(フィリップモリス)等。
【戦略⑤】「こだわり機能」で差別化
こだわりの突き抜けた単機能で商品を差別化する戦略です。
機能だけでは差別化しにくいです。それでも、
● その機能の良さが飛び抜けている
● 特定のユーザーに熱狂的に支持される機能がある
というレベルまで達すれば、ターゲットの感情を動かすことができます。
例えば、誰にでも簡単に、驚くほど美味しいトーストを作ることができる「ザ・トースター」(バルミューダ)等。
【戦略⑥】「商品の再定義」で差別化
商品の根幹となる機能を変更する(「再定義」する)ことで商品を差別化する戦略です。
たとえ同じ用途に使うものでも、
● 基本的な機能が今までとは全く違うもの
● 今までの商品とは違う活用シーンをイメージできるもの
であれば、ターゲットの注意・関心を惹き、ターゲットの感情を動かすことができます。
例えば、自動で勝手に掃除をしてくれる掃除ロボット「ルンバ」(アイロボット)等。
【戦略⑦】「付属品や付帯機能」で差別化
商品自体を変えるのではなく、「付属品や付帯品」で商品を差別化する戦略です。
商品自体が同じでも「付属品や付帯品」におまけ的な価値を見出してもらうことで、ターゲットの感情を動かそうとする戦略です。
例えば、iPhoneをヌンチャクのように振り回すことができるiPhoneケース「Trick Cover」等。
まとめ
以上、「7つの戦略」について、駆け足で説明しました。
戦略が違えば、できあがる商品の内容も変わってきます。「7つの戦略」の中から「自分の商品に合った戦略はどの戦略か?」を考えることが大事です。
それぞれの戦略については、また別の機会に詳しく説明していく予定ですのでお楽しみに!