はじめに
ドラマ「下町ロケット」に学ぶものづくりのヒント。
各回のドラマのシーンを振り返り、ものづくりのヒントになりそうな事項を紹介していきます(ネタバレ防止のため、一週遅れで配信しています)。
今日は第3回の放送の中から、ものづくりの基本である「現場主義」についてご紹介します。
ドラマ「下町ロケット」第3回プレイバック
佃製作所は帝国重工のロケットエンジンに搭載する新型バルブシステムの開発を行うのと並行して、トランスミッションメーカー・ギアゴーストを買収するM&Aの交渉を進めていた。
先行きが不透明なロケット事業に代わる新たな事業の柱として農耕機用のトランスミッション事業を立ち上げるためだ。
そんな中、佃(阿部寛)は開発チームのメンバーやギアゴーストの伊丹(尾上菊之助)、島津(イモトアヤコ)とともに、殿村(立川談春)の実家の田植えに赴く。
ところが、あてにしていた田植え機が故障し、一行は人手による田植えを強いられてしまう。
メンバーが慣れない田植えに苦戦する中、島津は田植え機の修理に臨み、見事、田植え機を復旧させる。
殿村が運転する田植え機で順調に田植えが行われる様子を見て、佃は機械のありがたみと農耕機用トランスミッションを開発する意義を再認識するのであった。
ものづくりの基本「現場主義」
ものづくりの基本は現場を見ることだと言われています。
いわゆる現場主義です。
現場には技術を開発し、商品を改良するためのヒントがゴロゴロ落ちているからです。
しかし、研究開発に携わっていると、ついつい現場のことを忘れてしまいます。
理想の技術を追い求めるがあまり、「計算上での優れた性能」に目が行ってしまい、現場を観察することが疎かになってしまうことが多いのです。
第3回では、漸く復旧した田植え機が粛々と田植えを行う光景に、他のメンバーが機械のありがたみを感じている中、伊丹はこんなことを言っていました。
(植えられた苗のラインが左右に蛇行している)
佃に誘われたため、仕方なく田植えに参加した様子の伊丹。
現場で田植え機が動いている様子を見るのはおそらく初めてだったんでしょう。
でも、実際に田植え機が田植えを行っている様子を見て、
- 田んぼが思っていた以上に軟弱な地盤であること
- そのような軟弱地盤では田植え機が左右にブレること
- そのブレがトランスミッションの性能に起因していること
を即座に見抜いたわけです。
殿村は、佃たちが苗を手植えしている時、苗の列がまっすぐになるように、と指導していました。
それが農家の人にとっては重要なわけです。
でも、現場に行かなければ、それが大事なことだとも気づきません。
現場に行けばすぐに気がつく課題でも、実際に現場に足を運ばなければ気づかないということです。
ユーザーに近い現場に身を置き、ユーザーが感じるであろう問題点を敏感に感じ取り、その問題点に真摯に向き合うことが大事です。
良い技術や優れた商品は研究室ではなく、現場から生まれるのです。
まとめ
以上説明したように、ものづくりの基本は現場主義です。
- 現場に出て、商品の使用状況をつぶさに観察する
- ユーザーが感じるであろう問題点を抽出する
- その問題点に真摯に向き合い、徹底的に改善する
ことが大事ですよ!
参考サイト
(*1)日曜劇場『下町ロケット』|TBSテレビ
(*2)あらすじ|TBSテレビ:日曜劇場『下町ロケット』
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