差別化戦略のキモ:「商品名」と「キャッチフレーズ」で商品の「売り」を伝える

目次

はじめに

先日の記事(*1)で、「差別化」とは、

● 商品に「売り」を作り、
● その「売り」を見込み客に伝えること

である、というお話をしました。

今日は、商品の「売り」を見込み客に伝えるための最も効果的なツール「商品名」と「キャッチフレーズ」についてお話しします。

商品の「売り」を作っただけで安心してはいけない

商品の差別化を行うためには、他の商品にはない、独自の「売り」(その商品の特徴、見込み客にとってのメリット)を作るというのが大前提です。

しかし、それだけでは不十分です。その「売り」を見込み客に伝えることができて初めて差別化を行うことができるのです。いくら素晴らしい「売り」があっても、見込み客に伝わらなければ存在しないのと同じですよね。

多くの人は、

「自分たちは独自の『売り』がある良い商品を作った。だから売れるはずだ!」

と考えて安心してしまいます。

しかし、そのような考え方は明らかに間違いです。「売り」が伝わらなければ差別化戦略は機能しませんから、その商品は期待している程には売れないでしょう。

商品の「売り」は「言語化」しなければ伝わらない

商品の「売り」を見込み客に伝えるために、まず最初にやるべきことは「売りの『言語化』」です。

商品の「売り」は「言語化」することで初めて顕在化し、価値を持つようになります。「売り」を「言語」という情報にすることで、見込み客にメッセージが伝わっていくのです。

商品の「売り」を見込み客に伝えるための言語として最も効果的なのが「商品名」と「キャッチフレーズ」です。

「商品名」はその商品の顔です。「商品名」によって、その商品の存在が顕在化します。また、「商品名」には商品の「売り」をキャッチーに表した「商品名」を付けることで、商品とその「売り」をセットにして見込み客に伝えることができるのです。

「キャッチフレーズ(キャッチコピー)」はその商品の一行広告です。

「キャッチフレーズ」には商品の「売り」、すなわち

● 見込み客がその商品から受けられるメリット
● 今までの商品では実現できなかった活用シーン

などをわかりやすくダイレクトに表現します。

そのような「キャッチフレーズ」は見込み客に商品を印象づけることができ、見込み客を購買行動に向かわせる力があります。

事例:「商品名」と「キャッチフレーズ」はこう作れ!

具体的な事例で説明します。

引用元:http://www.d-unicharm.jp/item/641.html
「小顔にみえマスク」(ユニ・チャーム)

このマスクはユニ・チャームが製造販売するマスクです。この商品は前回のブログ(*2)で説明した7つの戦略のうち、「【戦略①】『ターゲット』で差別化」を使っています。

● ターゲットを若い女性に絞り込む。
● ターゲットを絞ることで「マスクを着けると、顔が大きく見えてしまうからイヤ!」という女性ならではの「悩み」を抽出した。
● マスクの下端側の形状を着ける人のアゴから耳に沿うようなラウンドフォルムにし、その「悩み」を解決した。

というやり方で、うまく差別化を図っています。

そして、商品名は「小顔にみえマスク」、キャッチフレーズは「わたしたち、マスクは小顔で選びます!」です。

商品名にもキャッチフレーズにも「小顔」というキーワードが入っています。このキーワードで「小顔」に見せたいという見込み客の注意・関心を惹き、「小顔に見える」という一番の「売り(効果)」をダイレクトに訴えかけています。ベタですが、非常に良くできた「商品名」と「キャッチフレーズ」だと思います。

みなさんも自分の商品に気の利いた「商品名」、そしてターゲットに刺さる「キャッチフレーズ」を作ってみてください。

参考記事

(*1)

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(*2)

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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