ドラマ「陸王」に学ぶものづくりのヒント(5) ~ダメ社員をチームの戦力に育てる方法~

クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)・弁理士のヤマダです。

はじめに

潰れかかった老舗の足袋業者「こはぜ屋」が新規事業としてマラソン足袋の開発に取り組み、悪戦苦闘しながら再生していく様子を描くドラマ「陸王」(*1)。

第5回の放送は、

● 特殊素材・シルクレイを利用した地下足袋「足軽大将」の大ヒット
● アッパー素材の改良による、四代目「陸王」の完成

など、こはぜ屋にとって明るい話題が多い回でした。

 

そして、これらの成功はチーム「陸王」のメンバーの成長がもたらしたものです。今日は、「ダメ社員をチームの戦力に育てる方法」をテーマにお話しします!(ネタバレあり)

ドラマ「陸王」第5回のあらすじ

「陸王」の開発資金がかさむ中、銀行から融資の打ち切りを示唆され、窮地に追い込まれた宮澤(役所広司)は「陸王」のソール素材・シルクレイを足袋に導入するという逆転の発想で、軽くて丈夫な地下足袋の製品化を思いつく。

「足軽大将」と名付けられた新製品は評判を呼び、注文が殺到する。しかし、技術顧問・飯山(寺尾聰)の怪我、ベテラン職工・冨久子(正司照枝)の入院、シルクレイ製造機の不調、とトラブルが続出。生産が間に合わず、あわや納期遅れというピンチに陥ったものの、大地(山崎賢人)や美咲(吉谷彩子)の献身的な働きで何とか乗り切り、約束の期限内に無事納品することに成功する。

一方、「陸王」とアトランティス「R2」の間で揺れ動いていた茂木(竹内涼真)は、最後の最後で「R2」を脱ぎ捨てる。「陸王」に足を通した茂木は、ニューイヤー駅伝の6区で宿命のライバル・毛塚(佐野岳)との直接対決に臨むのであった(*2)。

ダメ社員をチームの戦力に育てる方法

ものづくりにはチームワークが必要です。

しかし、社員には社員の事情や考えがあります。必ずしもトップやリーダーの思うようには動いてくれません。やる気が見えなかったり、問題行動を起こしたりして、チームワークを乱す社員もいるでしょう。

この人達は本当に「ダメ社員」「問題社員」なんでしょうか?

「ダメ社員」「問題社員」に見える人でも何かのきっかけで仕事にやりがいを感じ、貴重な戦力になってくれるケースはあるものです。

第5回の放送では、社員の成長が会社のピンチを救う場面がいくつか出てきました。第5回の放送内容を参考に、ダメ社員をチームの戦力に育てる方法について考えてみましょう。

(1)才能はあるのにやる気がない社員

才能はあるのに本気で仕事に取り組まない、やる気がない社員というのはいるものです。こはぜ屋で言えば、社長の息子・大地(山崎賢人)です。

大地は工学部出身で、ものづくりの素養を持っています。しかも、四代目社長・宮澤(役所広司)の息子です。本来なら五代目としてこはぜ屋を引っ張っていかなければ立場のはず。

それなのに、「今時、足袋屋なんて」「俺はどこかに就職するまでの腰掛け社員」という態度を丸出しで、採用面接のためにちょくちょく職場を抜け出し、まるで仕事に身が入っていません。

 

第5回の放送では、そんな大地が大企業・サクラダフーズの面接を放り出し、シルクレイの緊急生産に自ら対応し、こはぜ屋のピンチを救うシーンがありました。

大地を変えたのは、間違いなく技術顧問・飯山(寺尾聰)の存在です。飯山は大地の才能をいち早く見抜き、技術屋としてのあり方を背中で見せていきます。そして、暴漢に襲われ大怪我を負った時、門外不出、他人には絶対見せないと言っていたシルクレイ製造機の設計図を大地に託しました。

このようなやり取りの中で、大地は技術屋としてのやりがい、信頼されることの重みや喜びを感じていったわけです。

 

大地のように、才能はあるのに今ひとつやる気が見えない社員に関しては、飯山のようなスーパーな才能を持った人物と一緒に仕事をさせてみることが解決策となり得ます。

尊敬に値する人と間近に接することが突破口となり、才能が開花・覚醒する可能性があるのです。

(2)自信がない社員

自信がない社員というのも困りものです。能力的に問題があるわけでもないのに仕事に対して消極的。こういう人はチームの一員になりきれません。こはぜ屋で言えば、美咲(吉谷彩子)です。

ベテラン揃いで高齢化が進んだこはぜ屋の中で唯一の若手。本来ならフル回転で頑張らなければいけない立場のはず。それなのに自分に自信が持てず、少し責任が重い仕事を任せようとすると尻込みしてしまいます。

 

第5回の放送では、そんな美咲が転機を迎えるきっかけとなる出来事がありました。ベテラン職工・冨久子(正司照枝)の入院です。零細企業で職人頼みのこはぜ屋にとって、ベテランの離脱は作業全体を止めてしまうことにもなりかねない一大事。誰かが代わりを務めなければ仕事が回りません。

そんな状況の中、周りのメンバーから背中を押され、引っ込み思案だった美咲がついに重い腰を上げました。冨久子の代わりを務める決意をしたのです。不器用ながらも手を抜かず仕事に取り組んでいくことで、美咲は周りのメンバーからの信頼を勝ち取り、自信が芽生え、仕事のやりがいを見つけていきました。

 

美咲のような自信を持てない社員には、あえて責任のある仕事を任せてみることが解決策となり得ます。その際、周りのメンバーが根気よく支える姿勢を示すことが大事です。

大事な仕事を任せてそこで成果を上げさせる。成功を体験させる。そうすることで自信が芽生え、チームの戦力として育っていくのです。

 (3)頑固な社員

どこの会社にも頑固で融通の利かない社員はいるものです。こはぜ屋で言えば、大番頭で経理担当のゲンさん(志賀廣太郎)です。

ゲンさんはものづくりに直接関わっているわけではありません。でも、なかなか成果が出ず、会社の資金繰りを悪化させる「陸王」の開発に対しては批判的。事ある毎に新規事業の撤退を迫り、「陸王」開発チームのムードに水を差してしまう困った存在です(苦笑)。

それでも、ゲンさんは先々代、先代の頃からずーっとこはぜ屋に身を置いてきて、人一倍、こはぜ屋を愛しています。先代がマラソン足袋の開発に失敗し、事業の縮小を迫られたことがトラウマになっている節もあります。こはぜ屋を愛するからこそ苦言を呈しているわけです。

 

第5回の放送では、「陸王」の開発にことごとく反対してきたゲンさんが新製品の地下足袋「足軽大将」の開発には諸手を挙げて賛成するというシーンがありました。そして、「足軽大将」の大ヒットを契機に、「足軽大将」を産み出す基礎となった「陸王」にも徐々に理解を示すようになっていきました。

 

頑固者には「これだけは譲れない」というポイントがあります。ゲンさんの場合は、「こはぜ屋は足袋屋」という考え方です。だから、同じ新規事業でも、足袋とはいえないランニングシューズ「陸王」の開発には断固反対し、新しい地下足袋である「足軽大将」については諸手を挙げて賛成するという、ねじれ現象が起こるわけです。

ですから、頑固者をチームのメンバーとして機能させるためには、まず、その人のこだわりポイントがどこかを見極め、そこから切り崩しを図っていく作戦が良さそうです。

こだわりポイントさえクリアできれば、他のことには拍子抜けする程、寛容だったりしますからね。逆に、こだわりポイントを突っついてしまうと、意固地になるので後が面倒になります(笑)。

まとめ

以上説明したように、ダメ社員をチームの戦力に育てるためには、

● 才能はあるのにやる気がない社員
⇒ スーパーな才能を持った人物と一緒に仕事をさせる
● 自信がない社員
⇒ あえて責任のある仕事を任せてみる
● 頑固な社員
⇒ その人のこだわりポイントがどこかを見極め、そこから切り崩しを図る

ことが有効な手立てとなり得ます。

一見、ダメ社員、問題社員に見えても使い方次第で貴重な戦力になってくれます。すぐに切り捨てるのではなく、その人の使い道を見つけるのもリーダーの役目ですよ!

おまけ

こはぜ屋の社員ではありませんが、埼玉中央銀行のいけ好かない銀行員・大橋(馬場徹)もゲンさんと同じ頑固者タイプです。

前任者の坂本(風間俊介)とは異なり、こはぜ屋に対し厳しい姿勢に終始し、冷たい態度を取り続ける厄介者です。

 

この人のこだわりポイントは「実績」「成果」。

「足軽大将」の大ヒットという実績が出たこはぜ屋を評価し、上司に融資を掛け合ったり、アッパー素材の業者を紹介したりと、徐々に態度が軟化してきました。

大橋の例を見ても、上記した頑固者の攻略法はあながち間違っていないと思います。ぜひ試してみてください!

参考サイト

(*1)日曜劇場『陸王』|TBSテレビ

(*2)あらすじ|TBSテレビ:日曜劇場『陸王』

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プロフィール

山田 龍也(やまだ たつや)
山田 龍也(やまだ たつや)
ものづくりとブランドづくりの専門家/弁理士/ブロガー。
中小製造業のものづくり、個人事業主のブランドづくりを支援中。
特許・実用新案・意匠・商標の権利取得手続; 知財戦略・商品の差別化戦略の立案; 商品の企画・開発に関するアドバイス; 情報発信を用いたブランディング・マーケティング; が得意。