1/2に放送された、新春ドラマ特別編「下町ロケット」はご覧になりましたか?
実はヤマダもあのドラマに出演していたのです。今日は普段なかなか見ることができない撮影現場の舞台裏、その潜入レポートをお送りします。
「弁理士は廃業。俳優に転身します!」
なんてことがあるわけはなく、エキストラとしての出演です(笑)
出演したのは、あの人気ドラマ「下町ロケット」。なんでそんなことになったのか? 時系列で振り返ってみます。
出演に至るきっかけ
直接のきっかけはTBSのサイトで、ドラマ下町ロケットの「エキストラ募集」のページを見つけたからです。
このブログでは、毎回の放送内容から、ドラマ「下町ロケット」に学ぶものづくりのヒントという記事を執筆しています。
記事を執筆する際には、番組ページにある「あらすじ」や「人物相関図」で情報収集をしています。その時にたまたま「エキストラ募集」のページを見つけたわけです。そこにはこんな記載がありました。
12月26日(水) 16:30~18:30 東京都中央区
撮影シーン: 精密機械メーカーの研究所・工場
他のドラマなら、エキストラを募集していたって何の興味も沸かないでしょう。
でも、この「下町ロケット」は特許や技術、ものづくりをテーマにしたドラマです。弁理士こそ登場しないものの、ヤマダの仕事内容そのものがテーマになっています。普段はドラマなんて見向きもしないヤマダが、このドラマだけは夢中になって視聴していました。めちゃめちゃ思い入れがあるわけです。
そのドラマがエキストラを募集している。しかも既に最終回が終わり、新春の特別編だけが残っているこのタイミングで。場所は事務所にほど近い中央区。この番組に関われる最後のチャンスかもしれない。
これはもう、応募するしかないでしょう(笑)
応募から出演が決まるまで
早速、募集フォームから申し込んでみると、なんとその日のうちに担当の方から電話がかかってきました。あっさり出演決定です!
担当の方からはこんな話がありました。
- 撮影場所は「中央区」から「江東区」に変更
- 撮影シーンは「研究所・工場」から「報道陣」に変更
- スーツ着用で来場すること
その他、「外の撮影なので、暖かい服装で来た方がいいですよ。」というアドバイスもありました。
撮影が始まるまで
集合時刻の16時半より少し早めに、16時に江東区・新木場にある撮影スタジオに到着。
既に10人弱の方が集まっていました。撮影開始までの間、近くにいた方々としばし談笑。
その中に「エキストラの常連さん」がいらっしゃいました。その方は既に何度も撮影に参加していて、新潟・燕三条でのロケにも参加したそうです。それだけ撮影に参加していると、色々と撮影の裏側もご存知なわけです。こういう裏話を聞けるのも撮影現場ならではでしょう。
集合時間の16時半になると、40-50人のエキストラが集まってきました。ここで、スタッフの方が撮影シーンについて説明してくれました。
今回、撮影するのは神田正輝さん演ずる帝国重工取締役・的場の自宅前のシーン。
帝国重工の無人トラクター「ランドクロウ」は、ダイダロス・ギアゴースト連合の「ダーウィン」に完全に遅れをとり、売上が伸びません。そこで、的場は帝国重工の取引先で、しかも「ダーウィン」の仕事も請け負っている下請け会社に対して「ダーウィン」の仕事を断るよう不当な圧力をかけ、「ダーウィン」の追い落としを図ります。この事実が明るみに出て、的場は下請法違反の罪に問われてしまうのです。この不祥事を追求するため、的場の自宅前に集まった報道陣。これがヤマダ達エキストラに与えられた役割でした。
報道陣といっても色々な人がいますよね。TVレポーター、TVカメラのクルー、新聞・雑誌の記者、報道カメラマン…。
他のエキストラの方には記者や報道カメラマンを想定して、手帳や一眼レフカメラを持ってくるよう指示があったようです。でも、ヤマダはそういう指示を全く受けておらず完全な手ぶら(笑)
「何もない人はこっち来てー!」
というスタッフさんの声に誘導されて付いていくと、小道具の一眼レフカメラを貸してもらえました。重たいテレビカメラを渡された人もいたのでラッキーでした(笑)
他の小道具としては報道陣用の腕章。ヤマダが渡されたのは「日本中央新聞」の腕章。これを安全ピンで腕に固定して準備は完了。
撮影スタッフも徐々に準備に入ります。的場宅の表札をペタッと貼り付けたり、的場の車のナンバーを社用車用に貼り替えたり、俯瞰シーンを撮るために高さ3メートルくらいの足場を設置したり。現場の雰囲気も徐々に引き締まっていきます。
リハーサル
演技指導的なものがあるのかと思いきや、あまり細かい指示はなく、スタッフさんからは、
「『責任を感じているんですか!』とか、『下請けの方の気持ちを考えたことはあるんですか!』とか、それらしいことを言ってください。」
という、かなりアバウトな指示があっただけ。
そうこうしているうちに、赤いグランドコートを着た、とりわけ大柄な男性が登場。この方がこのドラマの監督を務める福澤克雄さんでした。後で調べたら、福澤監督は元・ラガーマン。どうりでデカイわけだ。納得(笑)
まず、エキストラとスタッフさんだけでリハーサル。
福澤監督は現場の状況を見ながら、
「一箇所に集中しないでもっとバラけて。」
「ずっと待ってるんだから気が抜けてる奴もいるはずでしょ。」
「ガードレールの上に座ってる奴がいてもいい。」
など、的確な指示を出していきます。ヤマダも、
「ほら。あなたももっとこっちに来て。」
と指示されて、的場の車の真ん前という絶好のポジションへ。これは映り込む絶好のチャンス到来!
ここで、的場役の神田正輝さんが登場。神田さん、さほど背は高くないですが、スーツ姿が決まっていてカッコよかったです。さすが俳優さん、シュッとしてますね。
もう一度、神田さんも交えてリハーサル。このリハーサルを見て、福澤監督は微修正を加えていきます。
「(的場は)芸能人じゃないから。あまり殺到しないで少し距離をとって。」
「誰か、ボイスレコーダー持ってない?」
「神田さん、ここでカメラに頭をぶつけてみましょうか。そこで、『危ないじゃないか。怪我したらどうするんだ!』みたいな。」
「そこで、記者の人たちは一瞬、シーンとする。」
こうしてシーンのディテールが徐々に固まっていきます。監督の頭の中にシーンのイメージはあるんでしょう。でも、そこにカチッと当てはめていくというよりは現場の雰囲気を見ながら柔軟に対応しているように見えました。
本番
的場が車を降り、自宅の玄関の中に消えるまでのシーンをカメラの位置を変えて2回撮影。特にNGが出ることもなく、無事、撮影は終了しました。
ヤマダも頑張って演技をしました。車から出てくる的場に真っ先に突入し、カメラを向けることに成功。ただ、高い位置にある俯瞰カメラ以外はどこにカメラがあるのか確認できませんでした。果たして映り込むことができたかどうか?
最後はみんなで記念写真を撮影して終了。この写真はTBSの下町ロケット公式サイト「エキストラ写真館」に掲載されています。「2018.12.26 江東区」の写真の中にヤマダがいます。探してみてください(笑)
すべて終了したのは18時頃。予定より30分早く終わりました。その間、約90分。貴重な体験でした。
的場邸となった、新木場のスタジオです。大企業・帝国重工取締役の自宅としては質素な感じもしますね。
因みに、エキストラには出演料はおろか、飲み物一つ出ません。報酬は番組特製クリアホルダだけ。
それでも、人気ドラマ「下町ロケット」に関われたことは何事にも代えがたい貴重な体験だったと思います。
放送当日
そして迎えた放送当日。1/2。
この日は本編の放送に先立って、11時からダイジェスト番組が放送されました。その中で本編の予告映像が流れたのですが、その中にヤマダが参加したシーンもチラリと登場していました。
どうやらシーンまるごとのカットはないようです!
この予告映像はYoutubeにもUPされていました。
そして、時刻は夜の9時。期待を膨らませながら、放送を視聴しました。
ヤマダが参加したシーンはニュースの映像として組み込まれていたのですが…。うーん。夜のシーンで暗い上に、ホントに一瞬。シーン全体としても1分程度だったんじゃないでしょうか?映ってはいるんですが、一時停止を駆使しないと確認できないと思います(苦笑)
この映像の左端にいます。
よく見えませんね。拡大してみましょう。ここにいます。全然見えねー(苦笑)
ヤマダはレポーター役の方(多分、この方は俳優さんです)の隣にいました。絶好の位置だったので「これは映るぞ!」と思ったんですが…。暗すぎて「映った!」とは言い難いですね。
この後、報道陣は、車を降りて自宅に向かう的場を追いかけます。
社用車から降り、報道陣を睨みつける的場。その後ろにカメラを構える目つき鋭いカメラマン。これがヤマダです。チラッと見切れました。
これで「神田正輝さんと共演した」ということにさせて頂ければと思います(笑)
まとめ
たった1分程度のシーンを撮影するためにこれだけの労力がかかっているんですね。しかも、この撮影が行われたのは12/26。1/2の放送直前までスタッフは編集作業に追われたことでしょう。スタッフの皆様、おつかれさまでした。
今回の撮影への参加は、
- 人気ドラマの裏側を覗けた
- 大好きな「下町ロケット」にほんの少しでも関わることができた
という点で、ヤマダにとっては貴重な体験となりました。
メディア掲載
この下町ロケットシリーズの記事に関し、コラムニストの尾藤克之様から取材を受けました。
尾藤様の執筆記事は言論プラットフォーム「アゴラ」に掲載されました。また、ニュースアプリ「グノシー」にも転載されています。
尾藤様、ご紹介いただき、ありがとうございました。
弁理士が解説!『下町ロケット』に学ぶものづくりのヒント(アゴラ)
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