ポッドキャスト番組「経営者の志」に出演しました(その1)|インタビュー前編

中小企業専門・クロスリンク特許事務所(東京都中央区銀座)所長、弁理士の山田龍也(@sweetsbenrishi)です。

この記事は、講演・執筆・メディア掲載のカテゴリーに属する記事です。
ヤマダの講師活動や各種メディアへの出演・執筆等をテーマにしています。

今回は、10月14日から配信されているポッドキャスト番組「経営者の志」でのインタビュー内容を紹介します。

目次

ポッドキャスト番組「経営者の志」に出演しました|インタビュー前編

先日、ポッドキャスト番組「経営者の志」に出演しました。
そのインタビューの前編をお届けします。

インタビュアーは、株式会社こえラボ 代表の岡田正宏さんです。

【1】「ブランド戦略アドバイザー」という仕事について

【岡田】

今回はブランド戦略アドバイザーであり、弁理士の山田龍也さんにお話を伺いたいと思います。
山田さんよろしくお願いします。

【山田】

よろしくお願いします。

【岡田】

まずはどういったお仕事をされてるのか。
お仕事の内容を簡単にご紹介頂けるでしょうか。

【山田】

はい。
私、元々は化学メーカーに勤めていて技術屋なんです。
ですので、最初に始めたのは特許の申請の仕事でした。
その後に弁理士の資格を取得したんです。

でも、弁理士の仕事を始めてみるとですね。
ただ特許を取るだけでは中小企業さんのビジネスは良くならないと感じたんです。

「じゃあ、どういうことを重視してやっていったらいいんだろう?」

そう考えた時に、

「今の時代は中小企業さんもきちんとブランドを作っていかないとうまくいかないな」

という事に気づいたんです。

今はただ特許を申請するという申請業務だけではなくて、

「どういう商品を作ればいいんですか?」
「どういう特許を取ればいいんですか?」
「ブランドを作っていくにはどうすればいいんですか?」

そういうことをトータルにアドバイスする「ブランド戦略アドバイザー」という仕事をやっております。

【2】特許を取る前。売れる商品を作る「商品企画」が大事

【岡田】

弁理士さんは特許の申請とかがメインになる方もいらっしゃいますよね。
でも、そうではなくて何を申請するか、その前の「企画」の段階から一緒に作り上げていくということなんですね。

【山田】

そうですね。
申請業務だけをやっていると、どうしても、「これ」を作ったから、「これ」について特許を取りたい、みたいな話になりがちなんです。

でも、そもそもそれを「商品」として考えた場合に、

「その商品は売れるんでしょうか?」とか、
「その商品は世の中に受け入れられるんでしょうか?」とかね。

そういうことが、あまり考えられていないケースが結構あるんです。

【岡田】

そうなんですね。
どちらかというと、「うちの会社の技術でできるから作ってみました」っていうものもあるんですかね?

【山田】

はい。いわゆるプロダクトアウトという考え方です。
「新しい商品ができたから、とりあえず特許を取っておこう」みたいな話が多いわけです。

そうではなくて、「売れる商品として、どういうものを企画していくのか?」っていうところから考える。
次に、「じゃあ、そのビジネスを護るためにはどんな特許を取ったらいいのか?」

そう考えていった方が事業的にはすごくメリットがあると思います。

【岡田】

結局、その商品を欲しい人がいるから、そのために特許を取っていくという考え方ですね。
欲しい人がいないのに、いくら特許をとっても活用されずに終わってしまうということなんですね。

【山田】

いわゆる「死蔵特許」が増えてしまうんです。

【岡田】

そうすると、最初の商品企画のところから、「どういう考え方で商品を作っていくか?」というところが重要になってくるんですね。

【山田】

そうですね。

「お客さんにどういうニーズがあるのか?」
「他の会社さんがどんなものをやっているのか?」
「自分たちの強みはどこにあるのか?」

そういうところを、きちんと考えて作り込んでいかないといけません。

思いつきだけで商品を作っていると、例えば、仮に一発、その商品が当たったとしても、後が続かないんです。
自分たちの強みをちゃんと活かした商品開発をしていく必要があります。
そうしないと、作る商品があっちに行ったり、こっちに行ったりする。
全然、技術的な蓄積がないということになってしまいます。

【岡田】

だから、戦略を考えて商品を作り、特許を取っていく必要があるんですね。

【山田】

そうです。やっぱり戦略ですよ。

【3】特許を取った後。「ブランディング」や「マーケティング」も大事

【岡田】

そして、先程もありましたが、特許を取ったその後ですよね。
特許とか商標を取った後も大事になってくるんですか?

【山田】

そうですね。
私が見ていますと、特許や商標を取ると、そこで安心してしまう人が多いんです。
せっかく権利を取ったんだから、それをうまく活用してビジネスをちゃんと伸ばしていかなきゃいけない。
でも、そこができていない会社さんが非常に多いですね。

【岡田】

特許を取ったから、「商品が売れるんじゃないか」とか、「その特許を活用してもらえるんじゃないか」っていう風に思いがちですけど、そうではないんですね。

【山田】

特許を取るっていうことと、商品が売れるって言うことは全く別の問題ですから。

特許を取ったから、それをうまくアピールしないといけない。
「うちは良い技術を持ってるんだよ。だから使ってください」っていう販売促進的なことが大事。

これをちゃんとやってるかと言うと、そうではない。

「特許を取れたからいいや。」
「他の会社に真似されないからいいや。」

そんな感じで終わってしまう。
すごく勿体ないですね。

【岡田】

そうすると、ブランディングだったり、マーケティングだったり。
そういったことも大切になってくるわけですね。

だから、最初の商品企画の段階からブランディングまでトータルが大事ですよ、ということを伝えているわけですね。

そうやっていかないと、いくら商品を作ってもその企業の利益に繋がっていかないということですね。

【山田】

そうです。
売れる商品を作るっていうのは簡単ではないです。
だから、思いつきでやっても、なかなかうまくはいかないんですよ。

インタビューは後編に続きます。

まとめ

ヤマダのインタビュー、いかがでしたか?

日頃、なかなか語れない仕事の内容、特許の意味などについて語ってみました。
実は特許を取るところだけではなく、取る前や取った後が大事ということが伝われば嬉しいです。

インタビュー後半では、ヤマダの経営者としての志、製造業がブランドづくりや情報発信をすることの重要性等について熱く語っています。
そちらもどうぞ!

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山田 龍也
この記事を書いた人
弁理士/ネーミングプロデューサー/テキスト職人。中小製造業によくある「良い商品なのに売れない」のお悩みをローテク製品の特許取得、知的財産(特許・商標)を活用したブランドづくり、商品名のネーミングで解決している。

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